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中津市、歯科医師会などが尽力 口腔がん検診10年目

中津市で集団口腔(こうくう)がん検診が始まり、10年目を迎えた。昨秋に市民病院に開設されるまで市内に歯科口腔外科がなかったこともあり、市、中津歯科医師会、大分大学や九州歯科大学の専門医らの尽力で継続。進行すれば生活の質(QOL)に大きな支障を来す口腔がんの早期発見に努めてきた。10、11月の検診を前に関係者らは受診を呼び掛けている。

 検診は2008年に中津歯科医師会が開始。10年から市主催に移行し、年3回実施している。大学病院の専門医が毎年約300人を視診や触診。昨年は受診者324人のうち27人が要精密検査になった。

 口腔がん検診は、厚生労働省が指針で自治体での推進を定めた胃がんなど5種類のがん検診の項目外。同省の16年調査によると、実施市区町村は3・5%にとどまる。市地域医療対策課は「検診で見つかった罹患(りかん)者の割合は、口腔がんも他のがんと同程度。指針外だが効果があるので検診を続けている」という。

 中津歯科医師会の夕田進祐地域保健担当理事は「口腔がんは3~4割が進行した状態で見つかる。進行すると食事や発語に困難を生じたり、顔面が変形したりする。QOLを維持するためにも早期発見が大事。2年に1回は検診を」と話している。

 本年度の検診はあと2回。40歳以上が対象で午前中のみの予約制。料金は40~69歳が千円、70歳以上が無料(年度内1回のみ)。市外・対象外は3240円。