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平成28年「国民健康・栄養調査」

先月、厚生労働省は平成28年「国民健康・栄養調査」の結果を公表しました。
今回の調査は昨年の10~11月に約24,000世帯を対象に行われたもので、毎年実
施している基本項目に加え、重点項目として糖尿病有病者等の推計人数及び体
格や生活習慣に関する地域格差についても発表されました。
 これによると、下記のような傾向が見られました。
・「糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)」の割合は、12.1%であり、男
女別にみると男性16.3%、女性9.3%である。人数は約1,000万人と推計され、
平成9年以降増加している。年齢階級別に見ると年齢が高い層でその割合が高い。
・「糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)」の割合は12.1%であ
り、男女別にみると男性12.2%、女性12.1%である。人数は約1,000万人と推
計され、平成9年以降増加していたが、平成19年以降減少している。
・体格(BMI)及び主な生活習慣の状況について、都道府県別に年齢調整を
行い、高い方から低い方に4区分に分け、上位(上位25%)群と下位(下位25%)
群の状況を比較した結果、それぞれ上位群と下位群の間に有意な差が見られた。
・BMIが最も高いのは、男性では高知県、女性では福島県。最も低いのは、
男性では新潟県、女性では福岡県。
・肥満者(BMI≧25kg/m2)の割合は男性31.3%、女性20.6%であり、この
10年間でみると、男女とも有意な増減はみられない。
・65歳以上の高齢者の低栄養傾向の者(BMI≦20kg/m2)の割合は17.9%で
ある。男女別にみると男性12.8%、女性22.0%であり、この10年間でみると男
性では有意な増減はなく、女性では有意に増加している。性・年齢階級別にみ
ると、男女とも85歳以上でその割合が高い(男性23.9%、女性34.3%)。
 9月17日に総務省が発表した人口推計によると、90歳以上の人口は1年前より
14万人増えて206万人となり、初めて200万人を突破。また、総人口に占める65
歳以上の割合は27.7%と前年より0.5ポイント上がり過去最高を更新しました。
「国民健康・栄養調査」で得られたデータが、高齢者の健康寿命を延ばす政策
につながることが期待されます。