南アルプス市在家塚の社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームで10月、施設職員が入居者の女性(77)に配膳する食事を間違え、女性がパンを喉に詰まらせ、その後、意識不明となっていることが5日、分かった。この女性を巡っては3月にも同様の配膳ミスがあった。担当者は「いずれも施設側の過失。2度も同じ事故を起こし、大変申し訳ない」としている。
施設によると、事故があったのは3月15日と10月18日の朝。女性はのみ下す機能に障害があり、軟らかい食事を提供しなければならなかったが、誤って普通のパンを出した。3月の時は職員が食べ物をかき出すなどしたが、10月の際は女性が一時心肺停止状態となり市内の病院に搬送、現在も意識不明の状態という。
3月の事故後、職員が入居者の食事リストを共有するなど再発防止策を講じていたという。10月の事故を受け、施設は市に報告するとともに事故調査委員会を設置し、原因の調査や再発防止策を検討している。
施設長は取材に対し「最初の事故があった時に再発防止策がしっかりとできていなかったことが、2度目の事故につながった。入居者や家族に大変申し訳なく思っている。事故原因をはっきりさせ、再発防止を徹底したい」と話している。