厚生労働省は6日、歯を削る医療機器を患者ごとに交換せずに使い回している歯科診療所に対して、来年4月の診療報酬改定から初診料や再診料を下げる方針を固めた。院内感染の予防推進が目的。厚労相の諮問機関の中央社会保険医療協議会に同日提案し、大筋で了承された。
歯を削るドリルを取り付ける柄の部分は「ハンドピース」と呼ばれ、口の中に入れるため、患者ごとに交換して高温の蒸気で滅菌することが日本歯科医学会のマニュアルなどで定められている。
ところが、厚労省の調査で半数近くの歯科診療所で、消毒液で拭くだけだったり、感染症患者と分かった場合のみ交換したりしていることが判明した。
厚労省は機器の交換や洗浄・滅菌処理の徹底など新たな基準を設けて、使い回しをしている医療機関については、初診料や再診料を引き下げる。基準をクリアした場合は引き上げる。