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ツボは全身にいくつある?

経穴というのは、いわゆるツボです。すでに述べたように、十四経脈にはそれぞれ固有のツボが割り当てられています。その数は、古代中国では1年の日数に合わせた「365」とされた時代もありましたが、WHOが中心となって整理し、現在は「361」種類となりました。ただ、十二経脈のツボは左右対称に存在するものが多いため、全身合わせると「約670穴」というのが、よく使われる標準的なツボの数となっています。

 約361種類のツボは、大きく「兪穴(ゆけつ)」と「募穴(ぼけつ)」に分けられます。兪穴は背中側のツボ、募穴はお腹側のツボです。背中には膀胱経という経脈があり、多くの臓器との関係が強いため、臓腑の異常が現れたときの異常臓腑の治療点とします。これに対し、お腹側のツボには各臓器の変化が現れるとされ、各経路の虚実を診断する際に用いたりします。

 さらに、四肢の手足関節付近にあるツボを「原穴」と言います。やはり臓腑の異常が現れるところで、その異常を治療する治療点にもなります。

 一方、「奇穴」という、十四経脈のいずれにも属さない穴もあります。ここに鍼、指圧、お灸などを行うと即効性があるので試してみてください。「阿是穴(あぜけつ)」も十四経脈に属さないツボの一種です。阿是とは中国語で「ああ、そこ」という意味を持つ言葉です。