全国の12歳児を対象に毎年実施される永久歯列の虫歯調査で、2017年度の沖縄県の1人当たりの虫歯罹患(りかん)本数は1・7本で、06年度の3・5本から半減したことが4日、分かった。沖縄はこれまで全国ワーストを独走してきたが、近年は毎年0・2本減を記録するなど、改善率が他府県と比べ著しい。県歯科医師会の玉城斉理事は「教育と医療の各機関の連携強化が結実した」と述べ、改善傾向が維持できれば、年内または来年度にも初めて最下位を脱却できる可能性を示唆した。
調査は文部科学省の学校保健統計調査の一環で、全国平均は0・82本だった。北海道(1・5本)、鹿児島(1・4本)が沖縄に続いた。全国で虫歯が最も少なかったのは、新潟と愛知の0・4本だった。
玉城理事は、県内児童の虫歯率が高い傾向にある背景に(1)保護者の口腔(こうくう)環境整備への意識の低さ(2)低所得を理由とする未治療―などを挙げた。ただ、近年は学校教育の中でも積極的に虫歯予防について考える機会を設けているほか、医療機関の周知活動が奏功し「飛躍的に状況は改善されている」と評価する。
公益財団法人ライオン歯科衛生研究所によると、全国小学生歯みがき大会の参加率は全国平均が18・8%。那覇市は58・3%で全国の政令都市または県庁所在地で最高だった。同研究所の吉松治郎保健研究部課長も歯科教育の充実・強化により沖縄の状況は着実に改善していると評価。「身体の健やかな成長には健康で丈夫な歯が欠かせない」と述べ、さらなる歯科教育の充実に期待を寄せた。