日本耳鼻咽喉科学会はこのほど、「嚥下障害診療ガイドライン2018年版」案を学会ホームページで公開した。2008年版、12年版に続き、6年ぶりの改訂。両版は利用者を主に耳鼻咽喉科医とし、初期対応に重きを置いていたが、2018年版では嚥下障害診療にかかわる全ての医療者を対象とし、評価や治療についても具体的な内容を盛り込んだとしている。2018年6月29日締め切りで、電子メールで意見を募集している。
同ガイドラインは、対象とする患者の受診契機として、(1)患者自身あるいは家族などが、患者の嚥下障害に関する原因精査あるいは治療を求める場合(2)患者の嚥下障害に関する原因精査あるいは治療を他の医師などから依頼される場合(3)患者の嚥下障害の有無や程度、経口摂取の可否などの判定を他の医師などから依頼される場合-を想定している。これらの患者に対し、外来で行うべき基本的な診療手順をアルゴリズムに示し、それぞれを概説。嚥下障害の診断に関する14のクリニカルクエスチョン(CQ)も設定している。
CQには「認知障害は嚥下機能に影響を及ぼすか?」「気管切開は嚥下機能に影響を及ぼすか?」「嚥下機能評価に簡易検査は有用か?」「通常の喉頭内視鏡検査と嚥下内視鏡検査の方法・観察点における違いは何か?」などが設けられている。