岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体材料学分野の松本卓也教授と原エミリオ助教と大阪大学の研究グループは、骨が形成される新しいメカニズムをマウスモデルを使って発見したと発表した。研究グループは、二次骨化中心と呼ばれる大腿骨などなどの関節部分に注目。このあまり検討されてこなかった部位や時期を分子生物学的、形態学的さらに工学的といった複数のアプローチで検討。
その結果、大腿骨骨頭部分のほとんどを占める軟骨細胞が次第に肥大化し、細胞の一部が破裂し骨形成に必要なスペースが出来ること、破裂の際に残された細胞膜の断片が骨石灰化の開始点になることがわかったという。また、この細胞破裂は歩行などによって生じる機械的刺激によって誘引されることも判明した。この研究結果により、適度な運動で生じる関節部分の細胞破裂が正常な骨形成に関与していることが明らかになった。細胞膜断片が骨石灰化の起点であることを特定したことで、細胞膜断片を利用した新たな骨再生材料の開発などに繋がるだろう。