健康日本21(第二次)推進専門委員会によると、平成28年度の健康寿命は男性が72.14歳、女性は74.49歳だった。これは3年ごとに実施される国民生活基礎調査をもとに、厚生労働化学研究チームが算出したもの。前回調査に比べ、男性が0.95年、女性が0.58年延伸した。一方で、平均寿命と健康寿命の推移を見てみると、どちらも延伸しているが、その差をみると、22年時には男性が9・13年、女性が12・68年、28年時には男性が8・84年、女性が12・35年とわずかしか縮まっていないのが現状だ。日常生活に制限のある「不健康な期間」の拡大は、個人や家族の生活の質の低下を招くとともに、医療費や介護給付費などの社会保障費の増大にもつながる。
国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口によれば、今後も平均寿命は延びていくが予測されており、その延び以上に健康寿命を延ばすことが重要だ。歯科では8020運動のさらなる推進はもちろん、う蝕や歯周病予防の啓発活動に力を入れていかなければならないだろう。高齢化社会においての歯科の役割は大きい。