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虫歯予防、狙いは中高年 高機能歯磨き粉が続々

大人の虫歯予防をうたった高機能の歯磨き粉が続々と登場している。ライオンなど日用品メーカー各社は、年齢とともに歯茎が下がって虫歯になりやすくなる中高年に照準を合わせる。子ども向けが中心だった虫歯予防商品の主戦場が大人にまで広がってきた。

 歯茎が下がると、酸に弱い歯の根元がむき出しになったり、歯の隙間が広がって食べかすが挟まったりして、虫歯になりやすい。「50歳以上は男女を問わず、ほぼ全ての人が歯茎が下がっている」との調査結果もある。

 ライオンが2月に発売した歯磨き粉「クリニカアドバンテージネクストステージ ハミガキ」は、歯を強くして再石灰化を促す薬用成分のフッ素を高濃度で配合し、虫歯菌が酸をつくる働きを抑えるようにした。

 参考価格は一般的な虫歯予防の歯磨き粉の3倍弱という648円前後と高めだが、ライオンの掬川正純(きくかわ・まさずみ)社長は「歯の根元が露出すると歯を失うこともある」と強調する。30代後半以上の世代への売り込みを図るという。

 花王は2016年に売り出した歯磨き粉「クリアクリーンプレミアム」シリーズが好調だ。歯のくすみを落とす美白効果や、冷たい物を食べたときにしみるのを防ぐ機能を加えた製品を相次いで投入した。ラインアップを増やし、売り上げを年々伸ばしている。

 大人向け洗口液などをPRするのはサンスター。口に含んで歯全体に行き渡るようにうがいをすると虫歯予防になる「エフコート」でライバルに対抗する。歯磨き粉「バトラーエフペーストα」も含めて中高年の需要を掘り起こしたい考えだ。