口臭治療は、意外と簡単?
多くの人が気にしているお口の臭い。歯科大学の病院には、口臭を診療する専門外来があります。いったいどんな検査と治療をしてくれるのかと思って、鶴見大学歯学部付属病院(横浜市)の口臭外来に話を聞きに行きました。 口腔機能診療科准教授の中川洋一さんは「毎年300人の方が初診でおいでになります。診療時間は1時間半ぐらいかかりますが、ほとんどの方が1度の受診で解決します」と言い切ります。口臭治療って、そんなに簡単なの?
口臭の多くは口の中の汚れが原因。口の中ではがれた細胞や食べかすなどのたんぱく質が、舌や歯茎にいる細菌が出す酵素によって分解される過程で発生します。揮発性の硫黄化合物が中心ですが、アンモニアなど様々な臭気物質があります。
中川さんの口臭外来を訪れる患者は小学生から高齢者まで男女の別も様々。子供の場合は親が口臭を気にして受診します。予約の電話を入れると、「歯を磨かずに悪い状態で来てください」の指示。まず、針のない注射器用の器具で口の中の空気を吸い取り、ガスクロマトグラフィーという計測器で、臭い成分の量を測ります。腐った卵の臭いの硫化水素、野菜の腐敗臭と言われるメチルカプタンとジメチルサルファイドという硫黄化合物の値を調べます。