確実に舌を掃除できる方法はないかと考えて、たどり着いたのがガーゼを使った舌磨きです。患者に指導している方法は次の通りです。
〈1〉目の粗いガーゼを切って、水道水で湿らせ、軽く絞る。
〈2〉人さし指に巻き付け、前後左右になでるように拭う。
〈3〉ガーゼが汚れたら、きれいな面で繰り返す。
〈4〉ガーゼに汚れがつかなくなったら終了。ガーゼは使い捨てる。
〈5〉よく「ブクブクうがい」(頬を動かすうがい)をする。
「軽く拭えば、ガーゼの編み目状の繊維がうまく汚れをこすり取って、黄色い色が取れてきます」と中川さん。ガーゼの舌掃除の後で、口の中の空気を測ると、一気に臭気成分が減ると言います。最後に実際に患者の息を鼻で嗅いで確かめます。こうした実践を基に、「口臭の多くは舌が問題」と言い切るのです。
ブラシやヘラでゴシゴシ掃除をすると、舌乳頭を傷つけてしまうこともあるので、その意味でもソフトなガーゼは効果的。舌苔は、疲労時や発熱時、胃腸の調子が悪い時にはたまりやすいそうです。