県内の医師、歯科医師が加入する県保険医協会(国井兵太郎理事長、会員数854人)は18日、新型コロナウイルス感染の影響を調査した緊急アンケートの結果を公表した。昨年4月比で医師の90%、歯科医師の97%が外来患者は減少したと答え、発熱患者やPCR検査への対応にも苦慮している姿が浮かび上がった。
外来患者の減少幅が50%以上とする医師は23%、歯科医師が33%おり「院内での新型コロナ感染を恐れ、受診抑制傾向がある」「収束してからと家族単位で断られる」などの声が寄せられた。患者減は保険診療収入減にも直結。歯科医師からは「収入50%減でスタッフの給与が出せない」との切実な訴えもあった。
医師の発熱患者に対する対応(複数回答)は「院外」が60%、「来院自粛をお願い」が28%、「動線を分離」26%、「診療時間を変更」13%と続く。「車中診察にしたいが車がなかったり、電話をしないで直接受け付けに来る患者がいたり、なかなか徹底できない」「PCR検査がクリニックでできないことを理解していない患者が多く、クレームの対応と説明に手間がかかっている」。自由記述欄には医師の苦悩がつづられている。
PCR検査を依頼した経験を持つ医師は27%。検査の必要性を指摘したにもかかわらず、保健所や指定医療機関から検査を拒否された経験がある医師が18%いた。「濃厚接触者でないと、ドクターからの依頼であってもなかなかPCRの検査をしてもらえないケースがある」「受診相談センターへの電話がつながりにくい」との苦情があった。
緊急アンケートは全国保険医団体連合会の調査の一環。ファクスを登録している医師482人、歯科医師223人にアンケートを送付し、医師189人(回答率39%)、歯科医師68人(同30%)から回答を得た。同協会は国や自治体に対する要望活動などに活用することにしている。