だ液を調べてがんのリスクを判定する検査が4日、佐賀県みやき町で始まった。同町が福岡大学(福岡市)や今村病院(鳥栖市)と共同で有用性の検証に取り組んでいるもので、初日は町民ら約100人が、痛みなどがなく手軽にできる検査を受けた。
検査には、山形県のバイオベンチャー「サリバテック」が開発した検査キット「サリバッチェッカー」を使用。だ液に含まれるがん細胞の代謝物を調べることで、肺がん、膵(すい)がん、大腸がん、口腔(こうくう)がん、乳がんのリスクが分かる。
同町働く婦人の家で開かれた住民健診に合わせて実施し、希望者が検査を受けた。受診者は担当者の説明を受けた後、専用のストローを使ってだ液を採取。だ液が出にくい人は、梅干しやレモンの絵、写真を見ながら酸っぱさを想像し、だ液を出していた。採取しただ液は冷凍した上でサリバテックに送って検査し、約1カ月で結果が出るという。
年齢的に不安なので検査を受けたという70代女性は「簡単に受けることができた。機会があれば定期的に検査したい」と話していた。検査は11月下旬まで実施する予定で、町は1千人を目標に受診を呼び掛ける。