昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により、新たに挑戦するスポーツを選ぶ際、ソーシャルディスタンスを取れるかどうかがカギになっている。特にテニスは人との距離を保ちながらプレーすることができるため、そういう意味では最適な競技の一つだ。だがテニスがもたらす効果はそれだけではない。デンマークのコペンハーゲン市にある研究チームが長きにわたって蓄積したデータによると、長生きをしたい人にもテニスがおすすめだということが明らかになった。米テニスメディアBaselineが報じた。
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米医学雑誌Mayo Clinic Proceedingsに掲載されたCopenhagen City Heart Study(CCHS)のデータは、ある種のスポーツがより強く、より長く生きるのに役立つことを示唆。8500人以上の人々を対象とした25年以上に及ぶ追跡調査により、7つのスポーツが健康寿命を伸ばすことに貢献しているという結果が得られ、中でもテニスは突出して長寿効果が大きいことがわかったのだ。
以下が調査の結果である。カッコ内の数字は、このスポーツをしている人と、していない人とを比べた寿命の長さの違いだ。
1.テニス(9.7年)
2.バドミントン(6.2年)
3.サッカー(4.7年)
4.サイクリング(3.7年)
5.水泳(3.4年)
6.ジョギング(3.2年)
7.柔軟体操(3.1年)
また、Eating Wellの記事によると、BMC Public Health誌に掲載された2019年の研究では、特に社会的交流を図ることのできるスポーツが長生きに大きな役割を果たしているという証拠が次々と示されているようだ。実際に今回のプロジェクトに関わった研究者たちも「今後も検討していく必要はあるが、興味深いことに、社会との関わりが深い余暇スポーツが最も長寿に貢献することがわかる」と研究要旨で述べている。
さらに日本の科学者たちも、家族や友人と一緒に汗を流したと報告した人が、同じスポーツを一人で行った人よりも健康寿命が長いことを発見したという。先述のように検討の余地はまだあるが、そこから考えれば、調査結果にも表れたように対人で行われるテニスやバドミントン、サッカーが大きな長寿効果をもたらすとされていることもうなずける。
誰と一緒に運動するかで、寿命の長さに違いが出るというのは不思議に思えるかもしれないが、社会的なつながりの重要性に関する知見に基づけば納得のいく話だ。孤立することがうつ病などを引き起こし、結果的に死亡率の上昇につながるのは、すでに数多くの研究で証明されている。そのため、適度な運動と社会的交流を図ることという2つの習慣の組み合わせは、寿命を伸ばすために非常に有益なのだ。
錦織圭(日本/日清食品)や大坂なおみ(日本/日清食品)などの活躍により、日本でもテニスの人気が非常に高まっている。どのスポーツにチャレンジするかはもちろん自由だが、長生きしたい方はこの機会にぜひテニスに挑戦してみてはいかがだろうか。