妊娠中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染が新生児転帰に及ぼす影響を評価すべく、スウェーデン国内の妊娠、新生児、感染症のレジストリをひも付けた全国前向きコホート研究を実施。2020年3月11日から2021年1月31日の間に国内で出生した全生産児の92%(8万8159例、女児49.0%)を対象とした(形成異常がある乳児は除外)。
その結果、2323例(1.6%)がSARS-CoV-2陽性の母親から出生し、平均在胎期間は39.2週で、対照の乳児の在胎期間は39.6週だった。早産児(妊娠期間37週未満)の割合は、SARS-CoV-2陽性の母親の乳児で8.8%、対照乳児で5.5%だった。母体のSARS-CoV-2感染に、新生児医療目的の入院(11.7% vs. 8.4%、オッズ比1.47、95%CI 1.26-1.70)、新生児の罹病率[呼吸窮迫症候群(1.2% vs. 0.5%、同2.40、1.50-3.84)、何らかの新生児呼吸器疾患(2.8% vs. 2.0%、同1.42、1.07-1.90)、高ビリルビン血症(3.6% vs. 2.5%、同1.47、1.13-1.90)など]との有意な関連が認められた。死亡率(0.30% vs. 0.12%、同2.55、0.99-6.57)、退院時の母乳哺育率(94.4% vs. 95.1%、同0.84、0.67-1.05)、新生児医療の入院期間(両群とも中央値6日、差0日、95%CI -2-7日)には群間差がなかった。
SARS-CoV-2陽性の母親から出生した乳児のうち21例(0.90%)で新生児期にSARS-CoV-2検査が陽性となったが、そのうち12例は新生児期に合併症はなく、残る9例は何らかの診断を受けたがSARS-CoV-2との関連性は不明で、先天性肺炎は1例もなかった。