県は、新型コロナウイルス禍における障害者の暮らしの苦労を紹介する動画を作成し、インターネット上で公開している。感染対策に取り組む「新しい生活様式」の導入で新たな不自由が出てきていると説明し、必要な支援の内容も示している。
動画は約二十分間で、動画サイト「ユーチューブ」に投稿した。動画クリエーターで車いす利用者の寺田ユースケさんがガイド役として登場し、障害別に不自由が生じる事例を紹介している。
視覚障害では、施設入り口などに置かれた消毒液の位置が分かりにくいことや、店員がおらず機械で会計する「セルフレジ」は使いづらいことなどを説明。聴覚障害では、マスク着用で口元が見えないと話し掛けられても気付きにくいこと、発達障害では感覚過敏でマスクを着用できない人もいることを示した。
事例ごとに声掛けなどの対策も紹介した。寺田さんは動画で「感染対策は必要だがコミュニケーションの障害になっている。人との距離を保つことが求められる中で、見知らぬ人に手を貸すのは勇気がいるが、困っている人には声を掛けて」と求めた。
動画は「静岡県『心と社会のバリアフリー』」というタイトルで、県障害福祉課のチャンネルに投稿されている。動画の序盤では、障害者差別解消法を解説している。