厚生労働省は18日、医療機関が治療に銀歯を使った場合に受け取る「公定価格」を、7月に約9%引き上げることを決めた。ロシアのウクライナ侵攻に伴う銀歯の材料パラジウムの価格高騰が響いた。2月の侵攻開始以降、5月の緊急改定を含めて、今回が3度目の引き上げとなる。侵攻前に比べると約26%の値上げになる。
価格は治療部位によって異なるが、患者の窓口負担が3割の場合、奥歯1本当たりの詰め物は現在より約200円、侵攻前より約500円高くなる。
ロシアはパラジウムの主要産地。ウクライナ侵攻により供給不安が高まり、医療機関の仕入れ価格が高騰している。厚労省は市場価格の変動に合わせ、原則3カ月に1度、公定価格を見直している。
厚労省が18日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で、7月1日に現在の1グラム3413円を3715円にすると報告した。5月の緊急改定では、価格を約8%引き上げた。