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15都道県が医療機関に直接支給へ、物価高対策

物価高騰に苦しむ医療機関への支援が各都道府県で進んでいる。m3.com編集部が47全ての都道府県に取材したところ、既に15都道県が医療機関への直接支給を決めたことが分かった。ほかの4県は省エネ設備投資への補助というかたちで支援する。ただ、支給額や無床のクリニックを対象とするか否かなど、自治体によって支援に差があり、戸惑いの声も上がっている。残る28府県は検討中・未定としている。

 政府は9月、総額6000億円の「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を創設し、医療機関などへの支援を推奨事業に挙げている。具体的な支援対象や金額は都道府県が決める。m3.com編集部は10月11~20日に全ての都道府県に取材し、同交付金などを活用した支援策をまとめた。

 病院・有床診療所に対しては、15都道県が9月補正予算などで直接支給を決定した。東京都は1床当たり最大5万1000円を支給する(『都が1床最大5万1000円を支給へ、光熱費・食材費支援』を参照)。病床数の少ない病院が多い地方では、一律で70万~80万円を支給した上で、病床に応じて加算するケースもあった。和歌山県は病床の区分によって、単価が異なり、急性期は1床3万7000円、慢性期は2万5000円とした。

 差が出たのは無床の診療所への対応だ。病院・有床診への支給を決めた15都道県のうち、13道県は無床診にも支給を決めた。ただ、金額は2万5000円から27万円まで大きく差が出た。