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新型コロナ インフル患者数増、同時流行懸念 油断禁物!対策徹底を 年末年始以降、徐々に拡大 道内

新型コロナウイルスの感染拡大と季節性インフルエンザの同時流行への懸念が道内でも高まっている。新型コロナの新規感染者が高止まりしているのに加え、インフルの患者数が増加傾向にあるためだ。年末年始に中断していた「全国旅行支援」が10日に再開され、冬の観光シーズンも本格化する中、専門家は「コロナへの警戒心が薄れている」として感染予防の徹底を改めて呼びかけている。

 道内では行動制限のない年末年始以降、新型コロナの感染が徐々に拡大傾向にある。

 7~9日の3連休には各地で成人式が行われるなどして人の流れが活発化したが、10日の新規感染者は2000人を下回った。ただ、連休で検査数が少ないということもあり減少は一時的で、11日には2倍超の4694人の感染が確認され、3日ぶりに前週の同じ曜日を上回った。12日には4133人に減少したが、依然として高止まりしている。11日にはオミクロン株の派生型「XBB・1」が札幌市内で初めて確認された。

 道内ではこれまでも年末年始後に感染者が増加する傾向にある。昨年1月は新規感染者が7日まで100人以下だったが、オミクロン株の拡大に加え、成人式関連のクラスター(感染者集団)も発生し、19日には1000人を超えた。

 道内では今季、インフルエンザが3年ぶりに流行の兆しを見せており、感染者は増加傾向にある。道は昨年12月27日、インフルエンザが流行期に入ったと発表。1定点医療機関あたりの患者報告数は1月1日時点で2・87人だったのに対し、8日には約2倍の5・49人に跳ね上がった。

 道内の保健所30カ所では流行期入りの目安となる「1・0(人)」を超え、道の担当者は「全道域で流行し始めている」と話す。札幌市は新型コロナとの同時流行に対応するため、札幌市医師会と連携して「小児ドライブスルー発熱外来」を開設しているが、市の担当者は「インフルの患者が増加し続けている」と話す。

 新型コロナとインフルの患者が増えると、外来を中心に医療の負担が増し、病床が逼迫(ひっぱく)するおそれもある。また、今月中旬には冬休みが終わり学校が再開することから、児童・生徒らへの感染拡大も懸念される。鈴木直道知事は13日の道新型コロナ対策本部会議で「冬休みが終わり、生活が通常モードに戻る中、インフルが流行期に入った。今一度、基本的な感染対策や部屋の換気などを徹底してほしい」と呼びかけた。

 インフルエンザは1月下旬~2月にピークを迎える。札幌保健医療大の小林清一教授(臨床免疫学)は「これまでは新型コロナ対策がインフルエンザの予防につながり、感染が抑えられていたが、今年は行動制限が緩和され、コロナへの警戒心が薄れているところにインフルエンザが流行し始めている」と指摘した上で、「『感染症慣れ』が広がり、人の往来が増えれば同時に感染拡大する可能性は十分ある。今からでもインフルエンザの予防接種を行い、もう一度手洗いやマスクの着用など基本的な対策を徹底してほしい」と強調した。