岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は1日、採取した唾液などから口の中の健康状態をチェックし、歯周病や口腔(こうくう)がんのリスクを判定する「歯科ドック」の対応機関「お口の健康管理センター」を開設した。2日から隔週木曜に健診を行い、検体の余剰分は予防医療の研究に活用する。検査・研究の両方を目的とした歯科ドックの導入は国立大病院で初めてという。
人間ドックの「歯科版」で、受診当日に計20種類の検査項目から選択する仕組み。具体的には、歯周病菌や舌がんなどの発症に関わる物質の量を調べる唾液検査▽歯科医師が口の状態を確認する視触診▽コンピューター断層撮影(CT)検査▽口臭検査▽早口言葉のスピードや舌の筋力を測って誤嚥(ごえん)の危険度を判断する口腔機能検査―などがある。
担当の歯科医師1人が同大病院歯科・予防歯科部門の一角を活用して対応。受診希望者はかかりつけ医を通じて予約(各日定員1人)する。保険外診療のため検査項目によっては高額になることもあるという。
健診で採取した唾液などの検体は、受診者の同意を得た上で同大病院のバイオバンクに保管。医科と連携し、口腔環境と発がんリスクなどの関係性を調べる研究に活用していく。
同大病院歯科・予防歯科部門によると、歯科ドックは全国でも普及が進んでいないといい、森田学部門長は「口腔環境の悪化は脳卒中や心臓病といった重大な病気の引き金になり、免疫機能も低下させる。将来的なリスクを把握し、予防につなげられるよう受診を検討してほしい」と話している。
検査項目や内容、費用などの相談は同部門(086―235―6808)で受け付ける。