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「脱灰」と「再石灰化」は口内の連続ドラマ!

健康な歯がむし歯になるのは、口の中の酸が歯を溶かすためです。これを歯科の用語で「脱灰(だっかい)」といいます。食事を摂るたびに脱灰はおこりますから、私たちの歯は常にむし歯の危険にさらされているということです。
さて、食事のたびに脱灰が起きているのに、実際は100パーセントむし歯になるわけではありません。じつは口の中では、唾液の働きにより、溶けた歯を元に戻していたのです。これを歯科の用語で「再石灰化(さいせっかいか)」といいます。

食事のたびにくり返される脱灰と再石灰化、それは口の中で毎日つづく連続ドラマのようなものです。このとき、脱灰する割合のほうが大きい状態が長くつづくと、ドラマは悲しい結末になってしまいます。つまり、むし歯になるということです。

脱灰を引き起こす酸は、食物中の糖がむし歯菌により分解されてできた歯垢の下でつくられます。ですから、常にハッピーエンドのドラマを望むのであれば、食後や就寝前にしっかり歯磨きをして、口の中に菌の温床となるベタベタの歯垢を残さないようにすればいいのです。とくに、歯と歯茎の境、歯と歯の間、奥歯の溝など、歯垢のたまりやすいところを集中的に清掃するとよいでしょう。