貝原益軒翁は、「養生訓」で「牙歯動かず。老いてもおちず。虫くはず」といっているが、益軒流は、熱湯で目を洗い温め、鼻の中を清めて、温湯で口をすすぐ。次に塩で歯と歯ぐきをすり磨き、温湯を含んで口中を20~30回すすぐ。その塩湯をこして目を洗い、別の湯で目と口をすすいで完了。
塩には、歯ぐきの引き締め作用はあるものの、薬理効果は期待できないようだ。とはいえ、歯磨き粉では口が泡だらけになり、かえってきちんと磨けない。まずは空ブラシで丁寧に磨き、爽快感や美白効果を得たければ少し足すのが現代流だ。
文藝春秋