北海道医療大を運営する学校法人「東日本学園」は10日、当別町から北広島市の北海道ボールパークFビレッジへのキャンパス移転について、Fビレッジを運営する「ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」(FSE)などと基本合意した。同学園、FSE、北広島市はこの日、Fビレッジでまちづくりに関する協定書に調印し、記者会見した。【谷口拓未】
Fビレッジはプロ野球・日本ハムの本拠地「エスコンフィールド北海道」を中核とする複合施設。新キャンパス予定地はJR北海道がFビレッジ脇に設置予定の新駅に近い1・77ヘクタールの敷地で、全学部や札幌市北区の大学病院などを移す構想。総事業費420億円を見込み、2028年4月の開設に向け25年春にも着工する計画だ。同市やFSEからの資金面での補助は現在のところ予定していない。
同法人とFSEは約1年前から協議を始めたという。同大は23年度入学の志願者数がピーク時から約40%減少し、学生確保が課題。札幌市中心部からのアクセスの悪さが要因の一つという。同学園の鈴木英二理事長は「教育内容は一定評価を得ていると思うが、ネックは通学環境。改善が急務」と語り、移転が課題解決につながるとの見通しを示した。
一方、FSEにとっては教育・医療機関が整備されることで、交流人口の増加や多様なな事業展開などが見込め、オフシーズンのにぎわいにも寄与する。
3者は今後、移転計画の具体化を進める。FSEの小村勝社長は「医療とスポーツの親和性は高い。付加価値の創造が可能」と述べ、鈴木理事長は「新しい価値の創造に挑戦できれば」とした。同学園は現キャンパスの活用策や当別町との連携についても検討を続ける。