遺体の身元を確認する検視業務に長年協力していたとして、県警は14日、県歯科医師会(長崎市茂里町)に感謝状を贈った。同会は2023年6月から、遺体の歯科所見の照会を受けた場合に会員約600人に電子メールで一斉に問い合わせる取り組みを開始。県警側から照会を受けた身元不明遺体41体のうち、歯科所見で11体の身元が判明した。
歯の治療歴や形状などから遺体の身元を確認する歯科所見は、指紋よりもデータ数が多いため遺体と照合がしやすく、DNA型鑑定よりも短時間で身元が確認できる。1991年の雲仙・普賢岳の大火砕流や東日本大震災などでも歯科所見で多くの身元が判明。今後、災害時の対応の関係強化も目指す。
県警の平井隆史刑事部長から感謝状を受け取った県歯科医師会の渋谷昌史会長は「遺体の身元を早く確認して遺族の元に返すため、協力するのは当然」と話した。