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健康保険証、予定通り廃止 厚労相、総裁選で見直し論

武見敬三厚生労働相は10日の記者会見で、自民党総裁選の一部候補が見直しを提起した現行の健康保険証の廃止期限に関し、予定通り12月2日に廃止する考えを示した。「政府方針に変わりはない」と述べた。

 健康保険証の廃止期限を巡り、自民党総裁選に立候補を表明している林芳正官房長官が見直しを検討すると言及。廃止を主導してきた河野太郎デジタル相は「真意を確認しなければならない」とけん制し、争点の一つとなっている。

 河野氏も10日の会見で「政府として従来の方針に何ら変わりはない」と強調した。

 武見氏は、林氏の見直し論について「総裁選に向けた個人の考えだ」と指摘し、直接の評価は避けた。閣内不一致ではないかとの質問には「閣僚同士の閣内における方針は全く揺るぎない」と語った。

 総裁選では、石破茂元幹事長が廃止期限の見直し論に賛同。小林鷹之前経済安全保障担当相は期限延長を否定している。

 現行の保険証は12月2日以降、新規発行されなくなる。政府はマイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化する方針。マイナ保険証の7月の利用率は11・13%と低迷している。医療現場の一部からは「高齢者にとって使い慣れた保険証を残してほしい」との声が出ている。