札幌弁護士会は16日、月形刑務所(北海道月形町)の受刑者が歯科治療を申し出たのに早期に実施されなかったのは人権侵害だとして、同刑務所と法務省に対し、迅速に適切な治療が受けられるよう是正を求める要望書を出したと発表した。
弁護士会によると、男性受刑者は昨年8月29日、前歯に痛みを感じ、治療を申し出た。初診日は約3カ月後の11月24日に設定され、直近で新型コロナウイルスに感染したため、実際に受けたのは12月15日だった。
昨年11月末、男性受刑者から人権救済の申し立てがあり、弁護士会が調査。同刑務所では毎週金曜日に歯科治療の機会が設けられているが、希望者が多いと新規の場合は受けられるまでに2~3カ月かかっていた。
月形刑務所と法務省矯正局は「引き続き、受刑者に対する適切な医療の提供に努める」とコメントした。