総務省は9月16日の敬老の日に合わせ、65歳以上の高齢者の人口推計を公表しました。9月15日時点での高齢者人口は、前年より2万人多い3625万人で過去最高となり、その内訳は男性が1572万人、女性が2053万人となっています。また、総人口に占める高齢者の割合は29.3%で、こちらも過去最高という結果でした。働く高齢者数についても、20年連続の増加で、914万人と過去最高を更新しました。男性は534万人で前年から4万人減りましたが、女性は5万人増えて380万人。高齢者全体(65歳以上)の就業率は25.2%で、4人に1人以上が働いており、65〜69歳の就業率について言えば、52%と半数を超えています。
そこで注目されているのが、「2025年問題」です。「2025年問題」とは、戦後の第1次ベビーブーム(1947~1949年)に誕生した団塊の世代が2025年頃までに75歳以上に達することで、医療・介護サービスが不足し、経済や社会にも大きな影響を与える問題のことです。実に国民の3人に1人が65歳以上の高齢者、5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎える中、懸念されるのが労働者不足です。日本の高齢化率(29.3%)は、世界200カ国・地域で最高で、主要7カ国(G7)においては、日本に次いでイタリア(24.6%)、ドイツ(23.2%)、フランス(22.1%)。その他の主な国、韓国(19.3%)や中国(14.7%)、インド(7.1%)をも大きく上回っています。その社会構造の中で、欠かせないのがやはり高齢者労働力、人的リソースです。豊富な知識・経験・ノウハウを持つ高齢者をいかに積極的に採用し、活用していくか。その成否が日本企業の今後の成長、日本の将来を占う大事なカギとなりそうです。