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働く高齢者の厚生年金減までの基準 61万円か71万円に引き上げ案

働く高齢者で一定の収入がある人の厚生年金を減額する「在職老齢年金」をめぐり、厚生労働省は25日、年金が減り始める基準額の引き上げ案を審議会に提示した。現行の50万円から、62万円か71万円に上げる方針。あわせて、高所得者の保険料引き上げ案も示した。

 在職老齢年金は、65歳以上で働いている場合に、賃金と厚生年金(基礎年金を除く)の合計が50万円を超えると、厚生年金(同)が減額され、一定額を超えると全額がカットされる仕組み。

 2022年度末時点で、働きながら年金をもらう人の16%にあたる約50万人(総額は4500億円)が支給停止の対象になった。

 厚労省が示した見直し案は、(1)撤廃(2)基準額の50万円を62万円に引き上げ(3)71万円に引き上げ――の3案。

 62万円への引き上げで、支給停止者は約30万人(停止額2900億円)に減り、71万円で約23万人(同1600億円)まで減少する。ただ、制度見直しにより、働く高齢者の年金給付は増えるが、将来年金を受け取る世代の給付水準は下がる。給付水準が大きく低下する撤廃案の実現は難しいとみられている。