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こんにゃくゼリー事故に思う―リスクとベネフィットの比較衡量

9月30日、国民生活センターは、こんにゃく入りゼリーを喉に詰まらせ、兵庫県の1歳10カ月の男児が死亡したと発表しました。7月29日、祖母が男児に凍らせたゼリーを与えたところ、男児はこれを喉に詰まらせました。病院に運ばれましたが、9月20日、窒息による多臓器不全で死亡したとのことです。

 国民生活センターの発表によると、こんにゃくゼリーによる死亡者は、1995年7月以降計17人で、その発生状況は下記の通りです。

1995年7月 男児 1歳6ヵ月
1995年8月 男児 6歳
1995年12月 女性 82歳
1996年3月 男性 87歳
1996年3月 男性 68歳
1996年3月 男児 1歳10ヵ月
1996年6月 男児 2歳1ヵ月
1996年6月 男児 6歳
1999年4月 女性 41歳
1999年12月 男児 2歳
2002年7月 女性 80歳
2005年8月 女性 87歳
2006年5月 男児 4歳
2006年6月 男性 79歳
2007年3月 男児 7歳
2007年4月 男児 7歳
2008年7月 男児 1歳9ヵ月


 このようにこの被害は、幼児や高齢者に集中しているので、国民生活センターは、幼児や高齢者に食べさせないようにと注意を呼び掛けていますが、同じような事故はなかなか絶えません。

 こんにゃくゼリーを巡っては、昨年3月に死亡した三重県伊勢市の小学1年生の男児の両親が、製造元企業などに損害賠償を求めて提訴し、被告企業がゼリーの新製品開発をやめ、他社分も含め同種事故が発生した場合はこんにゃくゼリーを生産中止するなどの内容で9月5日に和解が成立したと報じられています。