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北海道で薬局への不審なクレーム相次ぐ

服薬指導受けずに去り、後から健康被害を訴え
 札幌市内で10月25日以降、医療用の非処方せん薬の零売を巡り薬局への不審なクレーム事例が相次いでいるとして、北海道薬剤師会はこのほど、会員薬局に注意を喚起する文書をファクスで配布した。

 クレーム事例の内容は、以下のようなもの。まず女性が来局してメフェナム酸(商品名:ポンタールほか)を購入するが、旅行中で時間がないという理由から服薬指導や情報提供を受けずに薬局を去る。そして翌日以降、妊婦が服用してはいけない薬なのに情報提供がなかったと電話でクレームを付け、場合によっては金品を要求する。その際、連絡先を明らかにせず、電話口で男女が入れ替わって話をするのが特徴だという。

 こうした事態を受けて道薬では、札幌薬剤師会が緊急配布した文書を引用する形で、非処方せん薬の零売時にも薬歴作成や適正使用への配慮が必要だと指摘。(1)店頭販売できる薬とできない薬の明確な区別(2)患者氏名や連絡先の確認・記録(3)基礎疾患、アレルギー、副作用歴の聴取(4)文書による情報提供(5)必要に応じた受診勧奨(6)金品の要求にその場で安易に応じないこと──を会員に求めている。