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旭川派遣の自衛隊、21日撤収へ 道と市が方針決定

新型コロナウイルスの感染が拡大した北海道旭川市で、患者の治療支援にあたっている陸上自衛隊が、近く撤収することになった。同市では複数の医療機関などで大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、一般の医療にも影響が出ているため、北海道の鈴木直道知事が8日、自衛隊の災害派遣を要請。陸自の看護師ら計10人が9日から、市内の医療機関など2施設に2週間程度の日程で派遣されている。

 20日午前、旭川市の西川将人市長と鈴木直道知事が電話会談し、週明け21日までとなっている当面の派遣の期限延長を求めない方向で合意した。陸自の看護師らは21日に撤収することになる。

 旭川市では、大規模なクラスターが発生した吉田病院と、重症障害児者施設の北海道療育園にそれぞれ5人、計10人の陸自の看護師らが9日から支援に入っている。

「コロナまき散らす」発言で釈明文書 旭川医大学長

新型コロナウイルスの感染拡大が続く北海道旭川市で、旭川医科大学の吉田晃敏学長がコロナ対応の医療体制を巡り不適切な発言をしたと「文春オンライン」が16日報じた。大学側は17日、発言があったことは認め、「関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけした」としたうえで「(音声の)切り取られ方が本学、特に吉田学長の意図とかけ離れたものと言わざるを得ない」などとするコメントを出した。

 文春オンラインによると、吉田学長はクラスター(感染者集団)が発生した市内の吉田病院について、11月17日にあった学内の会議で「コロナを完全になくすためには、あの病院(吉田病院)が完全になくなるしかない、ということ」「この旭川市に吉田病院があるということ自体が、ぐじゅぐじゅ、ぐじゅぐじゅとコロナをまき散らして」などと発言したとされる。文春オンラインは吉田学長のものとされる音声データも公開した。

 これを受け、旭川医大は17日に吉田学長名でコメントを公表。「音声は大学運営会議でのものと認められます」と認めたうえで、「『なくなるしかない』といった私の発言は、吉田病院の閉鎖等を望むことを意味するものではありません」「なくなるしかないのは、吉田病院ではなく、吉田病院の新型コロナウイルス感染症です」などとし、「不適切な発言であったと深く反省しています」とした。

 「まき散らす」という発言については、吉田病院からコロナ患者を受け入れた他の病院で「院長自らが『医療崩壊』という激しい言葉で現状を語る事態に陥っていることを説明した際に使われた表現」などと説明している。

 文部科学省国立大学法人支援課は朝日新聞の取材に対し、「大学に対し、学長の発言の事実確認を進めており、結果を踏まえて対応を検討する」としている。

 吉田病院では11月初めにクラスターが発生し、入院患者や職員の間で感染が拡大。今月17日時点で計207人が感染する大規模クラスターとなっている。鈴木直道知事の災害派遣支援の要請を受け、今月9日には自衛隊の看護官ら5人が治療の支援に入った。

新型コロナ 基幹病院でクラスター 旭川、妊婦30人2度「転院」 崩壊、人ごとじゃない

北海道旭川市の二つの病院で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が、同市周辺の地域医療に深刻な影を落としている。東京や札幌など大都市圏と異なり、地方都市は医療体制が貧弱で、クラスターの発生が医療崩壊に一気に結びつく危険がある。

 クラスターの発生で、北海道旭川市の医療体制は逼迫(ひっぱく)状態が続く。看護体制の強化などを目的に、自衛隊が派遣されるなど深刻な事態となっている。

 同市の基幹病院である旭川赤十字病院では7日、入院患者1人の陽性が確認された。感染したのはその2日前に院内で出産したばかりの30代女性だった。

 感染が広がっている懸念もあり、病院側は院内での分娩(ぶんべん)を当面の間中止することを決定。分娩を控えていた40人はほかの病院で対応してもらうことになった。

 しかし、40人のうち30人は、すでにクラスターが発生した旭川厚生病院から移ってきたばかりの妊婦たちだった。2度にわたる病院変更は、出産を控えた女性たちに精神的にも体力的にも大きな負担を強いた。

 さらに、濃厚接触者などになった麻酔医3人が自宅待機となり、全身麻酔を伴う手術のローテーションが回らなくなった。緊急度が低い手術を取りやめ、手術を予定していた複数の患者を一時退院させたという。

 旭川赤十字病院の牧野憲一院長は「すでに通常の医療が行えなくなっている。スタッフはぎりぎりの状態で、非常に逼迫している」と疲労感をにじませる。「ほかの主要病院で新たにクラスターが発生したら、市内の医療体制はもうもたない」

 人口約33万人の旭川市は道北の中核都市。市内の1週間(12月2~8日)の人口10万人当たりの感染者数は59・7人で、大阪市(36・2人)や札幌市(38・5人)を上回る。

 旭川市では複数の病院で感染が広がったケースが多いため、「受診控え」と言える状況も起きている。

 同市の大西病院によると、道内で感染者が急増し始めた10月ごろから受診数が減り、手術の先延ばし希望も相次いだ。11月以降はさらに減っているという。

 「『感染が怖くて受診できない』との相談が寄せられている」と話すのは北海道難病連(本部・札幌市)の増田靖子代表理事だ。難病患者はわずかな体調の変化が命に関わる恐れもあり、受診控えが増えることを増田代表理事は憂慮する。「コロナ患者が増えると、結果として他の患者への対応が手薄になる点を忘れないでほしい」と強調する。

 旭川市の医療体制が逼迫したのは、中核医療機関「旭川厚生病院」と民間総合病院「吉田病院」で発生した大規模クラスターがきっかけだった。

 旭川厚生病院では12月10日時点で患者ら258人が感染して25人が死亡。吉田病院では201人が感染し31人が亡くなった。

 北海道医師会の長瀬清会長は「すでに医療体制の崩壊に近い。旭川市の病院はその周辺地域の患者も診ている。これは旭川だけの問題ではない」と危機感を募らせる。

【兵庫】同じ端末のキーボード共有、クラスター原因か…ボタンに「高さ」あるタイプ

兵庫県姫路市は6日、市内などに住む10歳未満~70歳代の20人が新型コロナウイルスに感染し、1人が死亡したと発表した。20人のうち5人は、医療法人公仁会「姫路中央病院」(飾磨区三宅)の医療従事者で、市によると、この病院での感染者は、7日に発表予定のものも含めて少なくとも42人に上る見込み。市は同病院でクラスター(感染集団)が発生したと認定した。

 市によると、同病院で2日に感染が確認された60歳代の男性医師について濃厚接触者を検査した結果、周辺で働く医療スタッフ5人が感染していることがわかった。医師と同じ端末のキーボードや控室を共用していたことなどが原因とみられる。

 さらに家族の付き添いで医師と接触した姫路市の男性職員1人の感染も判明した。医師は、病院への入院患者を通じて感染したとみられる。

 これまでの調査で、同病院ではスタッフ17人、患者17人の感染も確認されており、市は7日に発表する予定にしている。いずれも軽症または無症状という。

 同病院は、外来診療の一時休止と新規入院の受け入れの一時中止を決めた。

 市保健所によると、医師が使用していた端末のキーボードは、複数のスタッフで共用していたが、一つ一つのボタンに高さがあり、入力時には深く打ち込むタイプのもので、十分な消毒が難しかった。

 キーボードに飛まつなどを通じて付着したウイルスはすぐには死滅しないとされ、厚生労働省は、ドアノブや電話などとともに特に注意して対策を取るよう呼びかけている。

 市保健所は「感染を防ぐには、消毒しやすいように、ボタンの高さが低いキーボードに切り替えるのも有効」と説明している。

食道がんの発症、歯周病菌が影響か…患者の口から高い割合で検出

歯周病菌など一部の口内細菌が、食道がんの発症に関わる可能性があるとの研究結果を、東京医科歯科大学などのグループが国際医学誌で発表した。食道がん患者の口内から、特定の歯周病菌が高い割合で確認されたのは初めてという。

 がんと細菌の関わりについては、胃や食道などの消化管のがん組織から、一部の口内細菌が見つかったとの報告がある。研究グループは、同大学病院の消化器外科に入院する食道がん患者61人と、がん以外の患者62人から、それぞれの唾液と奥歯の歯垢しこうを採取。歯周病菌など7種類の口内細菌の有無や量を調べた。

 その結果、食道がん患者の4分の1にあたる16人の歯垢から、若い歯周病患者に見つかりやすい「A・アクチノミセテムコミタンス菌」が検出された。がん以外の患者で見つかったのは1人だけだった。また、食道がん患者の唾液からは、この細菌と、歯茎の炎症や腫れの原因となる口内細菌の検出量が多かった。

 食道がんのリスクを高める要因として、飲酒や喫煙などの生活習慣が知られている。研究グループの池田裕一助教は「今回見つかった細菌が、食道がんの発症にどう関わるのか、メカニズムを調べたい」と話す。

 花田信弘・鶴見大教授(口腔衛生学)の話「日本国内の歯周病患者にはあまり多くない菌だが、それが食道がん患者から高い割合で見つかった結果は興味深い」

後期高齢者の負担割合で慎重な議論求める

 「後期高齢者の窓口負担割合の在り方等」の議論において、日本歯科医師会常務理事の林 正純 委員は、財政論ありきの給付と負担の見直しの議論は、国民の将来への不安が募ると指摘し、若い世代も含めた国民全ての安心と納得が得られる医療と介護のあり方を示す議論が重要と述べた。

 今回負担割合が2割に上がるため、受診控えが懸念されることからも、慎重な検討が必要と述べた。さらに、民間企業が実施したアンケートでもコロナ感染拡大を受けて受診控えを示す回答が67%に上り、この事からも疾病の重症化や健康被害をもたらすことが危惧されると指摘し、コロナ禍において一層の慎重な議論を求めた。

(日本歯科医師会 プレスリリース)

コロナ対応の支援制度

日本医療機能評価機構が医療従事者を対象とした「新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度」を創設した。

 新型コロナウイルス感染症の罹患により労災認定され、休業4日経過した場合に一時金20万円、死亡した場合に500万円を支給する。11月18日、日本歯科医師会の都道府県歯会専務理事連絡協議会で柳川忠廣 副会長が報告した。補償期間は1年間で、年間保険料は歯科医師と歯科衛生士・歯科技工士は500円、歯科助手や事務職などは1,000円。

(歯科通信)
詳細: http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/novel_corona/shien/pamphlet.pdf

口腔がん早期発見 AIの研究加速-阪大らが社会実装目指す

AIモデルの社会実装により、口腔がんを含む口腔粘膜疾患の早期発見に活用しようとする動きが加速している。大阪大学大学院歯学研究科の平岡慎一郎 助教らが進めてきた研究に、リアルタイム画像処理に特化したGPUを専門とするNVIDIAが加わり、AIモデルの精度の向上や診断の高速化などを目指す。

 平岡助教は「口腔粘膜疾患の領域で、このような高精度のAIモデルは前例がなく、社会実装により、世界中の口腔粘膜疾患の早期発見、早期診断への貢献が期待できる」と述べている。

(日本歯科新聞社)

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