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手袋交換しないまま中学生50人超を歯科健診 「不安与えて申し訳ない」と謝罪

京都市中京区の中学校で6月に行われた歯科健診で、担当校医の歯科医師が複数の生徒の口腔(くう)内に触れたにもかかわらず、手袋を交換せずに少なくとも50人以上を診査していたことが5日、分かった。日本学校歯科医会は口腔内などの粘膜に触れた場合は感染防止のため、手袋の交換を義務付けており、学校側は生徒に謝罪した。


 学校側の説明によると、6月5日に歯科健診があり、
3年生の3クラス計約70人が受けた。校医は当初、ビニール製の手袋を生徒ごとに交換していたが、1クラス目の途中から手袋を替えずに50人以上を診査し、口腔内に触れることもあったという。

 中学校の校長は「子どもたちの安心安全のために行う健診で不安を与え、大変申し訳ない」と話している。

8020財団 海外への展開に見据えた定款改正 ― 高橋理事長「国内外のオファーに対応」

8020推進財団(高橋英登 理事長)は、第27回評議員会で、海外での8020運動の展開を視野に定款の一部改正が承認され、条文「前項の事業については『日本全国』において行うものとする」に関して、『日本全国』を『国内外』に変更した。

 高橋理事長は、8020運動の成果に言及した上で、「社会構造の変革の真っ只中にある新興国から日本の8020運動を見習わせてほしいとの声がある。国内の活動に限定していた本会の定款を変更し、国内外のオファーに答えていきたい」と話した。

 また、長寿者が増えたことに触れ、「8020運動より一層高い目標を目指したい。90歳で一本も抜けていない人などを表彰し、その人の生活習慣を国民に発信するなど、新たな展開を考えている」と述べた。

【歯科通信】

世界初、「歯周病に有効」と謳える医療機器が登場……Luke&東北大

6月4日、Luke(本社・仙台市、菅野太郎・杉本知久 社長)は、東北大学との共同研究で開発した歯周治療機器「ブルーラジカルPー01」および患者行動変容アプリ「ぺリミル」を紹介する記者会見を開いた。

 「ブルーラジカル P-01」は3%過酸化水素水と405nm青色レーザー照射による 「ラジカル殺菌」 という技術が用いられ、ラジカル殺菌は短時間でのデンタルプラーク内部の殺菌に成功した世界初の技術となる。歯周ポケット内に対して超音波振動 × ラジカル殺菌を行うことで、口内細菌を99.99%殺菌することができる。

 機器は、歯周ポケットの深さが6mm以上の重度歯周病患者を対象に使用するもので、外科処置をせずにスケーリングで、歯周ポケット内の細菌を殺菌・除去する。重度歯周病に対する治験では、従来の治療法より、歯周病菌を減少させて歯周ポケットを浅くする効果が実証された。

 患者の行動変容アプリ「ペリミル」とは、患者が自分自身の口腔内に興味をもつことを習慣化させ、生活習慣病である歯周病の原因(患者自身の怠慢・放置)を絶ち、行動変容を促すことを目的とした患者用アプリ。

 具体的には、「ペリミル」を「ブルーラジカル P-01 」と連携させることで、患者がスマートフォンで自身の治療時間や経過をチェックでき、1歯ごとのリスクや全体の炎症状態などをイラストで確認することができる。
【歯科通信】

口腔機能が低下していると転倒しやすいことが判明

運動能力や骨格筋量の低下は、咀嚼機能の低下と関連があることが報告されているが、オーラフレイルと転倒リスクの関係は分かっていなかった。

 大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター 横山久代 教授らの研究グループは、大阪府民におけるオーラルフレイルと転倒の関係に着目。スマートフォンアプリ「おおさか健活マイレージ アスマイル」の利用者を対象に、2020年と2021年に実施したWebアンケートに2年連続で答えた50歳以上の計7,591名の回答結果を分析した。

 その結果、身体的フレイルであること、また、フレイルについての認知度が低いことに加え、オーラルフレイルであることが、その後1年間の転倒に関係していることが分かった。オーラルフレイルの人は転倒リスクが高いということを周知することで、転倒の予防や介護の取組みの強化につながると考えられる。
【大阪公立大学プレスリリース 2024年5月23日】

事務局の完全週休二日制施行について

 就業規則の改正に伴い、令和6年8月1日より従来の日曜日および国民の祝日に加えて土曜日が事務局の所定休日となりましたので、ご承知おきくださるようお願いいたします(会館は通常どおり開館されています)。


北海道歯科医師会 北海道歯科医師国民健康保険組合 (株)道歯企画

「経済財政運営と改革の基本方針 2024」への 日本歯科医師会の見解

本日閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2024(骨太の方針
2024)」について、以下の通り日本歯科医師会として見解を示す。
本会は、新型コロナウイルス感染症の対策にも寄与する感染の防止対策と
しての口腔健康管理の推進や、口腔の健康を推進し、全身の健康や健康寿命
の延伸につなげ、国民一人ひとりの健康に寄与するため、生涯を通じた歯科
健診法制化を含むさまざまな提言等を行ってきた。また、年始の能登半島地
震における日本災害歯科支援チームの派遣などにより地域の歯科医療の支援
も実施してきたところである。
本会が提言・実行してきた内容は、今回の「骨太の方針 2024」と密接に関
わるものが多く、それらを中心に今後とも具体的な提言をして参りたい。
「骨太の方針 2024」では、歯科に関連が深いものとして、
➢ 防災・減災及び国土強靱化
災害時における事業継続性確保を始めとした官民連携強化のため、サプ
ライチェーンの強靱化、土地利用と一体となった減災対策、船舶活用医療、
医療コンテナ活用、歯科巡回診療や被災地の災害医療システム活用等の推
進による医療の継続性確保、家計向け地震保険への加入促進等に取り組む。
➢ 全世代型社会保障の構築
全身の健康と口腔の健康に関する科学的根拠の活用と国民への適切な情
報提供、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体
的な取組の推進、オーラルフレイル対策・疾病の重症化予防につながる歯
科専門職による口腔健康管理の充実、歯科医療機関・医歯薬連携を始めと
する多職種間の連携、歯科衛生士・歯科技工士等の人材確保の必要性を踏
まえた対応、歯科領域におけるICTの活用の推進、各分野等における歯
科医師の適切な配置の推進により、歯科保健医療提供体制の構築と強化に
取り組むとともに、有効性・安全性が認められた新技術・新材料の保険導
入を推進する。
➢ 公教育の再生・研究活動の推進
非認知能力の育成に向けた幼児期及び幼保小接続期の教育・保育の質的
向上や豊かな感性や創造性を育むための自然等の体験活動・読書活動、キ
ャリア教育・職業教育等を推進するとともに、歯科保健教育や栄養教諭を
日本歯科医師会
Japan Dental Association
Press Release

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中核とした食育を推進する。
としてまとめられ、前年の「骨太の方針 2023」を踏襲しつつ、さらに内容
が拡充され、本会が提言してきた内容が反映された。

やぶ医者大賞:過疎地や離島で活躍「やぶ医者大賞」 島根・佐藤さん、山口・中嶋さん /兵庫

やぶ医者大賞:過疎地や離島で活躍「やぶ医者大賞」 島根・佐藤さん、山口・中嶋さん /兵庫

 ◇遠隔地へオンライン巡回車 山口・中嶋さん

 ◇複数の医師でグループ診療 島根・佐藤さん

 養父市が全国の過疎地や離島で活躍する医師をたたえる「第11回やぶ医者大賞」に、島根県の浜田市国民健康保険波佐(はざ)診療所長の佐藤優子医師(44)と、山口市徳地(とくぢ)診療所長の中嶋裕(ゆたか)医師(47)が選ばれた。【浜本年弘】

 佐藤医師は、島根県西部の山間部、浜田市金城町にある波佐診療所で2014年から勤務。地域医療振興協会を経て家族で移住した。疾病予防や健康維持など患者を多角的に診る「家庭医療専門医」として他の関係機関と共に地域全体をケアしている。近隣のへき地診療所などと独自の連合体も設け、複数の医師によるグループ診療で、医師の過大な負担なく継続可能な医療に取り組む。中高生、医学生ら後進の育成にも尽力している。

 中嶋医師は、山口県のほぼ中央に位置する山口市の徳地地域(人口約5000人)の医療を担うため、医師の高齢化で地域唯一の医院が閉院し、設けられた民営診療所長に21年、着任した。22年からは保健センターなどと一緒になった複合拠点施設に設けられた公設民営の徳地診療所を担い、無医地区への巡回診療も始めている。オンラインによる遠隔診療システムを積んだ巡回診療車を活用。へき地医療の態勢づくりを進めている。

 やぶ医者大賞は、若手医師の育成、地域医療の発展などを目的に、全国の過疎地などで活躍する50歳以下の医師や歯科医を表彰する制度。養父市が文献に基づいて「やぶ医者」の由来を「養父にいた名医」という説を唱え、14年に創設した。

 今回は8道県9人の応募があり、審査委員長の正垣一博・養父市医師会長、西村正樹・公立八鹿病院長ら8人でつくる審査会で22日、決まった。表彰式、講演会は11月16日、養父市立ビバホールで開催予定。

ベースアップ評価料の算定呼びかけ、茂松日医副会長

日本医師会副会長の茂松茂人氏は6月23日の第157回日医代議員会で、2024年度診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料について、現在の届け出は30~50%であると見通し、「取らないとすれば、財務省の思うつぼではないかと思う」と警鐘を鳴らした。評価料を算定しなくても給与を支払っていけると財務省に解釈される懸念からだ。日医は様々な場で評価料に関する研修等を実施していると説明、「次につなげていくということでお願いしたい」と算定を働きかけた。

 「診療所では、ベースアップ評価料の算定が少ない印象。このままでは処遇改善に積極的でない、後ろ向きだと捉えられかねない」と質した東京都代議員の土谷明男氏への答えだ。

 「ベースアップ評価料の手続きが煩雑で、会計事務所に依頼したところ、かなりの金額を請求された」(群馬県代議員の川島崇氏)との代議員の声に対しては、厚生労働省や日医が作成の研修用動画を参考にしてほしいと応えた(厚労省ホームページ、日医のホームページ参照)。茨城県代議員の大場正二氏からの「評価料を活用し、賃上げを行ったものの、次期改定で評価料がなくなる不安」に対しては、茂松副会長は「他職種と比べてもまだ医療関係者の給与水準は低い。少しずつ上げていくことが非常に大事であり、評価料が必要」との考えを述べ、引き続き求めていく構えだ。

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