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オーラルフレイル

20本以上の歯を残すことを目標とした「8020運動」を、みなさんはご存じでしょうか。これは1989年に始まった国民運動です。当初はこの目標を達成した人は1割にも満たない状況でしたが、約30年後の2017年の調査では約5割以上の人が達成しています。歯を残すこができるようになった今、残った歯をどう使うか、つまり「口の機能」が注目され、その重要性を広めるために提案された概念が「オーラルフレイル」です。
 オーラルフレイルは、直訳すると「口の機能の虚弱」です。口に関するささいな衰えを放置したり、適切に対応しないままにしたりすると、口の機能の低下、食べる機能の障害、さらには心身の機能低下までつながる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念です。
 こうしたオーラルフレイルの進行は、誰もが避けられない自然な衰え(老化)と違い、仲間との交流の減少などが原因で自身の口の健康への関心が薄れてしまうことなどと複合して生じる「不自然な衰え」です。早い段階かた適切に対応すれば回復できますが、放置すると老化に加え、さまざまな要因が口の機能低下などを悪化させてしまいます。
 多くの人は、加齢とともに低下する運動機能、栄養状態、生活能力を「齢のせい」とあきらめ、自ら活動範囲を狭めたり、噛みにくいものを避けたりしがちです。口まわりの”ささいな衰え”から始まる現象は、自覚しないまま悪循環に陥り、やがて食欲低下や低栄養にまで至ってしまいます。こうした問題を人ごとでなく”自分ごと”として、意識的に対処することが最も重要なポイントと言えます。

口腔体操食べる動作改善

札幌市は10区に分かれていて、区民の健康づくりのため独自の体操を考案した区もあり、この欄でも「エコロコ!やまベェ誰でも体操」(西区)や「こりめ脳活体操」(豊平区)などをご紹介してきました。今回は市が制作した「サッポロスマイル体操」をご紹介します。
 この体操ができたのは昨年10月。高齢者が住み慣れた地域で、生きがいや役割を持って主体的に介護予防に取り組む一助にと、北海道リハビリテーション専門職協会(HARP)の監修と市内の介護予防センターの協力のもと、約1年がかりで完成しました。
 体操は「バランス&ストレッチ」など四つのバージョンがあります。このうち口や舌などを動かす「口腔バージョン」を説明しましょう。運動は腹式呼吸を含めて全部で7種類。楽曲に合わせて「パ・タ・カ・ラ」と発音する動作や、下顎を指で押したり頬をさすったりする「唾液腺マッサージ」などから構成され、時間は約4分です。
 食べ物を食べたり飲み込んだりする動作などを改善する体操で、HARPの方々が歯科衛生士の助言を得て作ったそうです。
                                   北海道新聞(夕刊) 2020

「頭が真っ白になった」 五輪後に歯科医目指す金井 「揺れるアスリート」

陸上男子110メートル障害の金井大旺(かない・たいおう)(ミズノ)は東京五輪で競技生活に区切りをつけ、歯科医師を目指すことを決めている。しかし、集大成の舞台は新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期。「頭が真っ白になった」と言う。不安を抱えながら、自宅で鍛錬を続ける。

 北海道函館市の実家は歯科医院。中学生の頃には早くも後を継ぎたいとの思いが芽生えたという。北海道有数の進学校の函館ラサール高へ進んだ。陸上に本格的に取り組むのは高校までと考えていた。

 競技を続ける決断をしたのは、5位に終わった3年時の全国高校総体(インターハイ)だった。「全然力を出し切れなかった。ここでやめたら悔いが残る」。高校には専門的な指導者がいなかったこともあり、自らの可能性も感じていた。

 全国高校総体は自身の競技人生を大きく左右した大会だった。だからこそ今年の中止には胸を痛めている。「高校生の時はインターハイが全てだった。みんなそう言いながら高め合ってきたので、僕が想像しているよりも、数倍、数十倍つらい思いをしている」。高校生の心中を思いやった上で「自分の選択した道を貫いてほしい」とメッセージを送る。

 法大3年だった2016年の日本選手権で3位に入り、東京五輪を狙う決意を固め、18年には当時の日本記録の13秒36で同選手権を初制覇した。だが昨季は初出場の世界選手権で予選敗退。踏み切り位置が近くなって歯車が狂い、不本意な1年となった。冬場は修正に取り組み、2月には室内大会の60メートル障害で日本新をマーク。今夏へ手応えを感じていた。

【山形】外来患者「減った」、4月の県内 医師90%、歯科医師97%

県内の医師、歯科医師が加入する県保険医協会(国井兵太郎理事長、会員数854人)は18日、新型コロナウイルス感染の影響を調査した緊急アンケートの結果を公表した。昨年4月比で医師の90%、歯科医師の97%が外来患者は減少したと答え、発熱患者やPCR検査への対応にも苦慮している姿が浮かび上がった。

 外来患者の減少幅が50%以上とする医師は23%、歯科医師が33%おり「院内での新型コロナ感染を恐れ、受診抑制傾向がある」「収束してからと家族単位で断られる」などの声が寄せられた。患者減は保険診療収入減にも直結。歯科医師からは「収入50%減でスタッフの給与が出せない」との切実な訴えもあった。

 医師の発熱患者に対する対応(複数回答)は「院外」が60%、「来院自粛をお願い」が28%、「動線を分離」26%、「診療時間を変更」13%と続く。「車中診察にしたいが車がなかったり、電話をしないで直接受け付けに来る患者がいたり、なかなか徹底できない」「PCR検査がクリニックでできないことを理解していない患者が多く、クレームの対応と説明に手間がかかっている」。自由記述欄には医師の苦悩がつづられている。

 PCR検査を依頼した経験を持つ医師は27%。検査の必要性を指摘したにもかかわらず、保健所や指定医療機関から検査を拒否された経験がある医師が18%いた。「濃厚接触者でないと、ドクターからの依頼であってもなかなかPCRの検査をしてもらえないケースがある」「受診相談センターへの電話がつながりにくい」との苦情があった。

 緊急アンケートは全国保険医団体連合会の調査の一環。ファクスを登録している医師482人、歯科医師223人にアンケートを送付し、医師189人(回答率39%)、歯科医師68人(同30%)から回答を得た。同協会は国や自治体に対する要望活動などに活用することにしている。

整形外科医が消毒、歯科医が問診も - 若林健二・医科歯科大病院長補佐に聞く

重症者を中心に計50人以上の入院患者を受け入れてきた東京医科歯科大学医学部附属病院では、診療科・職種を問わずに総力を挙げて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との闘いに臨んでいる。


ICUでのCOVID-19治療風景(東京医科歯科大学医学部附属病院提供)
 集中治療部として、COVID-19への対応を考えたとき、全科横断での体制構築は不可欠でした。呼吸不全の患者の場合、通常は呼吸器内科や救急科で処置を施し、その後は集中治療部が診るという流れですが、それだけでは絶対に人手は足りません。

 中等症は呼吸器内科中心に、重症は救急科中心にチームを作り、集中治療部はシステム構築を担っています。基本的に単科では無理なので、各チームに応援の医師が投入されています。内科系の多くは中等症に、循環器内科や外科系は重症に充てています。

 麻酔科は24時間体制で挿管と脱管の全ての責任を負っています。

――医師総出でCOVID-19診療に当たっているのですね。

 全ての医師が診療に当たっているというわけでもありません。非常時なので、職種という概念も捨てる必要があります。

 例えば整形外科医。手術が減るので手が空くけど、呼吸不全の診療が得意とは言えません。そこでバックヤードチームを作り、逆タスク・シフトを行っています。

――逆タスク・シフトですか。

 はい。実はCOVID-19患者が出た後の部屋の掃除などは、通常の外部の業者がやってくれないのです。となると、看護師が掃除することになります。でも今、一番のボトルネックは看護師の数になっています。そこで、整形外科医が感染制御部の指導を受けて、部屋の掃除や消毒をしています。

 さらに、病院の入り口には歯科医が立っていて、来院者に対して、発熱などの症状があったら教えるよう呼びかけ、場合によっては問診もします。サーモグラフィーもチェックしています。 皆さん、快く協力してくれています。

自粛緩和、道も独自基準 新規感染1日10人以下/感染経路不明、1日3人以下/入院患者250人以下

鈴木直道知事は13日の記者会見で、外出自粛や休業要請などを緩和、解除する事実上の独自基準として、(1)1日あたりの新規感染者数10人以下(2)1日あたりの感染経路不明の新規感染者数3人以下(3)入院者数250人以下―の3本柱の「目指す姿」を掲げた。北海道の広さを踏まえて管内別基準も示した。いずれも、国の緊急事態宣言解除の基準とは別に、道の対応の指標として打ち出した。

 全道の基準のうち、(1)(2)の新規感染者数については直近1週間の平均で判断。知事は(3)の入院者数について「5月末までに目指す姿」として紹介し、「感染の第3波、第4波に備えると、150人以下としたい」と説明した。入院者には、宿泊療養施設を利用する軽症者は含めない。

 5月6日~12日の道内実績については、感染経路不明の新規感染者数以外は基準未満だと指摘した。

 管内別の緩和基準には「1日あたりの新規感染者数は10人以下」「感染経路不明の新規感染者数は1日あたり3人以下」とし、全道の解除基準と同一の数値を示した。再要請の基準には「新規感染者2桁の日が連続」「このうち多数が感染経路不明」など3指標を定めた。

睡眠不足の影響

自分の睡眠時間が足りているかどうか、考えたことがありますか?
・運転中、信号待ちなどでよく眠くなることがある
・昼食後や乗り物に乗っているとき、ウトウト眠くなる
・布団に入るとすぐに寝てしまう
例えば、上記のようなことがあれば、睡眠不足が考えられます。

布団に入ってすぐに寝てしまう場合、
入眠ではなく気絶だと聞いたことがあり、とてもびっくりしました。
睡眠不足になると、先に書いたアルツハイマー型認知症誘発の可能性だけではなく、
免疫力の低下、ホルモンバランスの崩れ、食欲増進による肥満のリスクアップなど、
さまざまな影響が出ます。
また気力、体力、思考能力の低下などにも繋がり、
脳細胞の自己破壊を起こしてしまいます。

寝不足だからと週末に寝過ぎてしまうと、人工的な時差ぼけの状態が起き、
体調を崩す原因になってしまいますので、せいぜい2~3時間増に留めましょう。
早寝は心の病気のリスクを下げ、昼寝は長寿の秘訣ともいわれます。

睡眠時無呼吸症候群や歯ぎしりなども、大切な睡眠の妨げになります。
気になる場合は専門外来や歯科医院を受診することをお薦めします。
自宅ではゆったりとした食事、団らんや入浴などでスローダウンし、
より良い睡眠に繋げるようにしましょう。

▼参考:睡眠と生活習慣病との深い関係(厚生労働省)
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j0lktrq05xj6cnsw7clOE

唾液でPCR検査可能に 採取簡単、実施件数増加も 5月にもマニュアル変更へ

 唾液を検体に使って新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査法を厚生労働省が早ければ5月中に認める方針であることが11日、分かった。現在主流となっている鼻の奥の粘液を綿棒で取る方法よりも安全で簡単に検体を採取でき、検査数を増やせる可能性がある。国立感染症研究所が作っている検体採取のマニュアルを近く変更する。

 鼻の奥の粘液を取る方法は、せきやくしゃみが出やすいため、検体を採取する人が感染するリスクが高い。このため感染防止策を徹底して検体採取を行わなければならず、検査体制拡充の足かせとなっている。日本医師会(日医)も唾液によるPCR検査の実用化を求めていた。

 政府関係者によると、唾液を使う場合、医師が舌を綿棒で拭ったり、検査を受ける人自身が唾液を容器に出して医療機関に持って行ったりする方法が検討されている。

 唾液を検体として使えるかどうかは、国内外で研究が進められている。北海道大の豊嶋崇徳(てしま・たかのり)教授(血液内科学)は4月下旬以降、従来の手法でPCR検査を実施して陽性と確認された約10人に対し、唾液を検体としてPCR検査を実施したところ、9割以上で陽性になったという。

 豊嶋教授は「新型コロナは、インフルエンザに比べて唾液にウイルスが多く存在するのが特徴。味覚障害を訴える感染者が多いのもそのためと考えられ、唾液を検査に使うのは有効だ」と話す。従来と異なるのは検体採取の方法だけで「唾液は採取が簡単。PCR検査における障害の一つを取り除ける」と強調する。

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