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咀嚼にともなう脳血流増加の神経メカニズムを解明、高齢者の認知症予防に

 東京都健康長寿医療センター研究所は12月25日、咀嚼によって大脳のマイネルト神経が活性化され、大脳皮質の血流量が著しく増加するという新たなメカニズムを明らかにしたと発表した。これは同センターの堀田晴美研究部長らの研究グループによるもの。成果は脳循環代謝の国際ジャーナル「Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism」に掲載されている。

 咀嚼は、摂食・消化を助けるだけでなく、覚醒作用や認知機能の向上など、脳の働きにも有益な作用があるといわれている。これまで咀嚼中に大脳の血流量が増加することはわかっていたがその仕組みは不明だった。研究グループは、大脳皮質の血流量調節において、大脳のマイネルト神経細胞が関わっていること、さらに歩行するとこの神経細胞が活性化され、脳血流が増えることをこれまでに示してきた。この神経は認知機能に重要で、アルツハイマー型認知症ではこの神経細胞が変性・脱落してしまうことが知られている。これをふまえ、研究グループは「咀嚼は歩行と同様にリズム運動の一つで、咀嚼でもマイネルト神経細胞が活性化されて脳の血流量を増やすのではないか」と予想し、研究を行った。

 はじめに、麻酔ラットで咀嚼を起こす大脳皮質の咀嚼野を電気刺激して、脳の血流量とマイネルト神経細胞の活動との関係を調べた。麻酔ラットの大脳皮質咀嚼野に電極を埋め込み電気刺激を加えると、大脳皮質の前頭葉や頭頂葉で50%近くも血流量が増加した。このとき、マイネルト神経細胞の活動が著しく増加すること、マイネルト神経細胞が活動できなくする処置を施すと、咀嚼野の刺激による脳血流増加反応が小さくなってしてしまうこともわかった。

 この反応は咀嚼筋の収縮によって脳が刺激されたことによるものなのかを調べるため、筋が収縮しなくなる薬を投与してから咀嚼野の刺激をした。すると、筋は動かないにもかかわらず、脳血流は薬の投与前と同じように増加していたことがわかった。

 これらの結果から、大脳皮質咀嚼野がはたらくとき、つまり自分の意志で咀嚼しようとするとき、認知機能に重要なマイネルト神経細胞が活性化し、大脳皮質の広範な領域で血流量が増加すること、しかもこの反応には、咀嚼筋がどのように動くかは関係していないことが新たにわかった。咀嚼をイメージするだけで、実際に咀嚼するのと同じように、脳が活性化されうると考えられる。「この結果は、イメージトレーニングを生かした、高齢者の認知症予防の新しい方法の開発につながると期待される」と、研究グループは述べている。

アシストスーツの発達

筋力を補助し、重いものを簡単に持ち上げられるようになる「アシストスー
ツ」の市場が拡大しています。
 アシストスーツの開発は20年ほど前から進められてきていますが、実用化が
進んだのはここ数年です。重量物を移動させる繰り返し作業や長時間中腰姿勢
を維持する作業を支援するため、物流業界や航空業界、介護現場などで使われ
始めました。例えば、全日本空輸とJALグランドサービスは空港での手荷物
の運搬・積み込み作業に導入しており、いち早くアシストスーツを導入した訪
問介護サービスの運営企業では離職率が低下し、労働環境改善を意識している
企業としてイメージアップにつながったと言われています。
 今年は、アシストスーツが家庭にも入ってくることが予想されており、その
契機となりそうなのが東京理科大学発のベンチャー企業イノフィスが昨年11月
に発売した「マッスルスーツ Every」です。本製品は、背中の部分に内蔵して
いる人工筋肉に手動のポンプで空気を入れ、背負ってベルトを締めて固定する
だけで最大25.5kgfのアシスト力が得られます。一昨年発売した「マッスルスー
ツ Edge」の価格が約50万円なのに対し、「Every」は樹脂一体成型フレームを
採用した他、部品点数を約3割削減して大幅な低価格化を進めることで、10万
円台前半という破格の安さになっています。雪かきや畑仕事、在宅介護など、
女性や高齢者など力に自信のない人が家庭で力作業を必要とする場面は数多く
あり、「Every」はまさにその要求に対応していると言えます。

 人間の能力を拡張する技術は「筋力」にとどまりません。ベンチャー企業の
オトングラスが開発した「OTON GLASS」は、視覚障がいによって文字を読むこ
とが困難な方のためのメガネ型の機器で、読みたい文字のほうを向いてボタン
を押すとカメラが文字を撮影し、音声として読み上げてくれます。慶應大学大
学院の研究チームが開発した「ロボットしっぽ」は老化が進んで平衡感覚が弱
まった人のバランス力を回復してくれます。超高齢社会の日本では、このよう
な人に優しい革新的な研究に対する期待が高まります。

電動車いす普及支援を検討

経済産業省からの提言です。高齢者向けの安全な移動手段として
電動自転車や電動車いすの普及を促すために、政府が支援すべきだしています。
電動車いすは「運転免許証が不要」「歩行者扱いになる」のですが、ご存じでしたか?
このような情報を周知すべきとして、自動車の運転免許証を返納した高齢者に
電動車いす購入支援や、自治体が高齢者向けに貸し出す場合を想定した補助金制度などを
検討しています。

フレイルの認知度は2割弱!意味を正しく理解している人フレイルの認知度は2割弱!意味を正しく理解している人は1割!は1割!

2019年6月、不二製油グループ本社株式会社は、全国の50代~70代男女600名に「食をはじめとする生活実態とフレイルに関する調査」をインターネットで実施した。

 フレイルの認知度に関しては、「言葉も意味も知っている」人は6.8%、「言葉は知っているが意味は知らない」人は11.2%、「知らない」人は82.0%という結果になった。

 一方、フレイルを“虚弱状態”と正しく認識できている人は12.7%で、その中では70代男性が最も多く、50代男性に比べて2.1倍の認識を持っていることがわかった。

 2020年4月「日本人の食事摂取基準」にフレイル予防が追加されるなか、フレイルの認知がまだまだ広がっていない実態が浮き彫りになった。

(歯科通信より)

歯科技工士不足がいよいよ危機的状況に。長時間労働、低賃金で離職率の高さも問題。

全国歯科技工士教育協議会によると、歯科技工士養成学校への入学者数は2000年の2922人から2017年には927人と激減。その結果、歯科技工士養成施設自体も2000年の77校から2017年には52校と、3割以上も減少している。さらに、養成学校を卒業して就職しても、その約7割が離職してしまうような状況だ。

遺伝子パネル検査の保険適用でがんゲノム医療が本格始動

がん細胞の遺伝子を調べ、患者ごとに最適な治療法探る「がんゲノム医療」が本格的に動き出した。6月には、がんゲノム医療のための遺伝子パネル検査が保険適用となり、従来よりも安価に受けられるようになった。遺伝子パネル検査は、100種類以上のがん細胞の遺伝子を調べ、どの遺伝子に変異があるかどうかを解析するもの。がんの再発や信仰で標準的な治療が受けられない患者や、小児や希少がんなどの一部の患者が対象となる。

掃除機は「GLでは推奨されていない」

掃除機を使う方法はどうなのでしょうか。

 きちんとしたデータはまだ持っていないのですが、自験例の中で掃除機を使用した例が数例ありました。掃除機の場合は6、7割成功している感触です。腹部突き上げ法や背部叩打法の成功率はだいたい3、4割くらいと思われるので、個人的には陽圧(外から押す)より陰圧(掃除機や吸引器)の方が良さそうと考えています。

――腹部突き上げ法は亀背の方や肥満の方だと難しいケースもありそうですが、掃除機を使うリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。

 歯を折ってしまったり、掃除機のノズルが長いので喉の奥に上手く入らなかったりといったことがあります。あとは、咽頭の後部を突いてしまって、大きな血腫ができたという症例報告もあります。なので、やはりリスクはありますね。

――少なくとも、気管挿管を普段から行っている救急医にとっては妥当な方法だが、現時点で一般化は難しいということでしょうか。

 そうですね。自施設のドクターカーで、事故現場の家にあった掃除機を救急医が使って気道異物を解除できた例も経験しています。ただし、現時点で掃除機を使った吸引はガイドラインで推奨されている方法ではないので、病院や介護施設以外の一般の家庭のような場では最初の方法としては推奨できないと思います。ただ、老老介護の家庭なども増えているので、適切な応急処置の手順や方法の開発は必要と考えています。

窒息の応急処置、GLの扱いは

食事などによる窒息事故の応急処置として、腹部突き上げ(ハイムリック)法や背部叩打法などが一般に推奨されていますが、救命救急医の視点からはどの方法が良いのでしょうか。

 最も良く知られている指針である米国心臓協会(AHA)の「CPR & ECC Guidelines」では、腹部突き上げ法、背部叩打法、胸部突き上げ法を推奨しています。ただ、具体的に何回やってどういう順番で行うかは書かれていません。米国赤十字では「five and five」といって、背部叩打を5回やって気道閉塞が解除できなければ、腹部突き上げを5回、それぞれ繰り返す方法を推奨しています( conscious choking - American Red Cross )。AHAのガイドラインも5年ごとに改訂されているのですが、窒息の項目はかなり扱いが小さく、新しいエビデンスの追加がない状態が続いています。BLS(一次救命処置講習)コースでも扱われますが、やはり心肺蘇生がメインなので、窒息事故の対応法は最後に少し教えるという程度のようです。

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