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認知症に対してお笑いや童謡による感性刺激の効果を確認

慶応義塾大学と企業の共同研究の結果が発表されました。
認知症の診断を受けている方が、お笑いや童謡のステージ鑑賞によって
通常時に比べて高揚感(ワクワク度)が向上し、
ストレス度が低下することが確認できたそうです。
これは認知症のレベルが高い方、低い方の両方において同じ傾向とのこと。
「笑いや思い出による刺激は脳に効果的であると考えらる」としています。

▼認知症に対してお笑いや童謡による感性刺激の効果を確認
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i01rxqs0kvgep0ocpxsbf

スタッフだけで「お笑いステージは難しい…」かもしれませんが、
プロの芸人がボランティアで施設にきて演芸会をしてくれる
「全日本おむつ団」をご存知ですか。申し込んでみてはいかがでしょうか。

▼プロの芸人があなたの施設に伺います「全日本おむつ団」
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i01ryqs0kvgep0ocpxTy5

100歳以上7万人超え、65歳以上は全体の28%

敬老の日にあわせて総務省から発表される統計です。
100歳以上の方は49年連続で過去最多を更新してきましたが、
7万人を超えたのは初めてです。
ギネスで世界最高記録に認定された福岡市の田中カ子さんは116歳ですが、
100歳以上の7万人のうち、女性が約88%だそうです。
65歳以上の方も過去最多の3588万人、総人口に占める割合は28.4%と
こちらも過去最多です。
さらにもうひとつ、高齢者就業者数(2018年)も過去最多だそうです。

▼統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i01rwqs0kvgep0ocpxXjj

骨に置き換わる人工骨開発 徳島大学病院歯科口腔外科 宮本洋二教授 

超高齢社会が進行する中、歯科領域では、歯周病や虫歯によって歯を失い、あごの骨が次第に痩せて、安定した入れ歯や歯科インプラント(人工歯根)治療のできない患者さんが増えています。このような場合、体の他の部位から自分の骨を移植する自家骨移植が行われてきました。しかし、自家骨を採取するには、人体の健康な部分にメスを入れ、骨を切り取る必要があり、高齢の患者さんへの負担は小さくありません。

 そういった問題の解消法として、人工骨(骨補填(ほてん)材)があります。従来、多く使用されてきた人工骨に「ハイドロキシアパタイト」という材料があります。ハイドロキシアパタイトは生体親和性が良い材料ですが、体の中でほとんど吸収されず長期間にわたって体内に残存し、時には異物となって細菌感染の原因となることもありました。

 そこで、私たちは、もっと人の骨の組成に近く、最終的に本物の骨と置き換わる人工骨を九州大学と開発してきました。その中で、人の骨の主成分である「炭酸アパタイト」を完全人工合成することに成功し、製品化できました。この材料は2018年2月より、歯科医療メーカー「ジーシー」から市販されています。

 炭酸アパタイトは優れた生体親和性を持ち、時間の経過とともに体内で吸収され、自分の骨と置き換わるだけでなく、従来の人工骨よりも骨の新生を促進することも分かっています。

 これまで国内では、歯科インプラントを植え込むための骨を造る手術に使用することが許された人工骨はありませんでした。私たちが開発した炭酸アパタイトは、日本で初めて歯科インプラントへの適用が認められました。炭酸アパタイトは完全人工合成ですから、ウイルスや狂牛病などの感染症のリスクもありません。

 この一連の研究、開発は国から評価を頂き、本年3月、内閣府の第1回日本オープンイノベーション大賞審査員特別賞を受賞することができました。現在は、さらに大きな骨欠損を自家骨移植なしに再生できるように改良を加えるとともに、整形外科分野など医科領域への適応拡大を計画しています。

遺体になぜ金属片? 北海道大、献体の返還で取り違え

北海道大学は30日、同大歯学部で今年3月、解剖実習用の献体として提供された2体の遺体を取り違えて遺族に返していた、と発表した。同大は6月に遺骨をそれぞれの遺族に返して謝罪した。実習を担当した50代の男性教授は7月31日付で依願退職した。

 同大によると、教授は今年2月下旬、解剖実習後に2遺体を取り違えて納棺。遺体を火葬場でそれぞれの遺族に引き渡した際、遺骨に金属片が混じっているのに気付いた一方の遺族から「故人は金属を埋め込む手術はしていないので、取り違えではないか」と訴えがあった。教授は「家族が全ての病気を知っているわけではない」と遺族に言い、そのまま遺骨を引き取らせた。同大は3月15日付で特別調査委員会を設置。双方の治療歴や歯形などから取り違えを認定した。

 遺体とひつぎには識別用の番号がつけられ、技術職員の立ち会いのもとで番号を照合して納棺することになっていたが、教授は職員が不在のまま納棺し、番号の照合を怠ったという。

からだの中の常在菌

お口や腸、皮膚などにはたくさんの菌が存在し、
私たちが摂る食事や、分泌物をエサに増殖しています。
この菌を常在菌とよび、外からの病原菌からからだを守ってくれるなど、
基本的には味方になってくれて、共生しています。

腸内の常在菌には糖を分解して乳酸に変える乳酸菌や、
糖から酢酸や乳酸を作るビフィズス菌などがあります。
これらは腸内で悪玉菌が増えるのを防ぎ、
からだの健康を手助けするといわれていますが、
乳酸菌飲料を飲んでも、多くは胃酸で死んでしまいます。
生きたまま腸まで届く乳酸菌(ラクトバチルス・ガゼイ・シロタ株)は
腸を通過するときに常在菌のエサになるなど役に立ちますが、
定着はしないといわれています。

お口の中にも常在菌が存在し、免疫力が低下していたり
口腔内が不衛生だったりなどでバランスが崩れると
からだに害を与える原因になります。
むし歯や歯周病はもちろん、誤嚥性肺炎・糖尿病・動脈硬化・
心筋梗塞・脳梗塞などの原因になり、
菌がからだ中に広がる菌血症などを引き起こす場合もあります。
また、お口の中の細菌が大腸がんの原因になることもあると考えられています。

普段は味方になってくれる常在菌ですが、それらの菌の均衡を保つことが大切です。
消毒や除菌をし過ぎると均衡を崩したり、病原菌の侵入に繋がりますので、
なにごともやりすぎには気をつけたいものですが、
やはり、清潔を心がけ菌が増殖することを防ぐことが大切です。
お口も歯磨きや舌のお掃除などで、細菌が過剰に増えないよう気をつけましょう。

▼参考:口腔微生物叢と歯のケアが腸内微生物叢に及ぼす影響
 鶴見大学歯学部
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i0qc1ps0kv3z37lcp5Sw6
 ※クリックするとPDFが開きます。

肌にすむ常在菌

ニキビの原因は、思春期に男性ホルモンの作用で
皮脂の分泌が盛んになることや角化異常により、
毛穴の中でアクネ菌が増殖することです。

冒頭にも書きましたが、からだの臭いは皮膚についた細菌が原因で、
ほぼ無臭の汗が臭いを持つようになります。
足は体重を支えるため角質が厚くなり、それが死んだ細胞(垢)になります。
これをエサにして菌が繁殖するため、足の臭いは強くなることが多いのです。

しかし、顔やからだの皮膚を清潔にしようとゴシゴシと石鹸でこすって洗うと、
肌をきれいに保ってくれる常在菌まで洗い流してしまい、
若い角質細胞もはがし取ってしまうので、うるおいのない肌になってしまいます。

夏は汗をかくので肌にすむ常在菌が増え、肌の健康を保ってくれます。
秋になると汗も少なくなりますし、肌の乾燥も気になり始めますよね。
常在菌とうまく共生することも、肌のトラブルを避ける方法です。
洗いすぎに気をつけて、常在菌を味方にしましょう。

▼参考書籍:身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本
 佐巻健男著 明日香出版社
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i0qc2ps0kv3z37lcp5hGD

カフェイン取り過ぎに注意

日本中毒情報センターは、カフェインを含む食品や眠気防止薬の過剰摂取に関する相談件数が増えているとして、注意を呼び掛けた。

 カフェイン含有食品の相談は2010~17年の11年間で計274件。14年までは20件程度だったが16、17年は50件を超す。内訳はコーヒー、紅茶などが208件、海外のサプリメント31件、いわゆるエナジードリンク11件など。眠気防止薬の相談は計168件で、やはり16、17年が多い。

 同センターによると、眠気覚ましをうたった飲料やエナジードリンクなどにはカフェイン含有量が多いものがあり、短期間にたくさん摂取すると、吐き気や動悸(どうき)などの症状で治療が必要になる場合もあるという。

口腔内細菌によるアセトアルデヒド産生に関するメカニズムを解明

東北大学は8月8日、口腔常在細菌のアセトアルデヒド産生に関与する口腔環境因子やその産生メカニズムを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院歯学研究科口腔生化学分野の髙橋信博教授、鷲尾純平講師、同研究科口腔システム補綴学分野の互野亮歯科医師らの研究グループによるもの。研究成果は「Scientific Reports」に掲載されている。

 近年、口腔内細菌がグルコースやエタノールから発がん性を持つとされるアセトアルデヒドを産生することや、そのことが口腔がん発生のリスク因子となることが注目されている。しかし、それらのアセトアルデヒド産生に関わる代謝機構の詳細や、その産生に対する口腔環境因子による影響はわかっていなかった。

 今回、研究グループは、アセトアルデヒド産生能を持つ複数の口腔常在細菌(口腔レンサ球菌、口腔ナイセリア)を用いて、口腔内環境を想定した各条件下にて、エタノールやグルコースを基質としてアセトアルデヒドおよび他代謝産物の産生量を測定した。その結果、エタノールからのアセトアルデヒド産生が高く、さらに、好気環境かつ弱アルカリから中性pHの環境下にて、その産生が増加したことが明らかになった。また、エタノールは好気環境でアルコール脱水素酵素によって酸化されてアセトアルデヒドになり、生じた酸化力はNADHオキシダーゼで処理されることで、効率的に代謝が進むことが推測されたという。

 今回の研究によって、健康的な口腔内細菌叢、口腔環境でも、口腔常在菌が飲酒由来アルコールからアセトアルデヒドを産生し、口腔がんリスクを高める可能性を示唆。口腔内清涼不良とアルコール多飲はこれを増強する可能性がある。「口腔内細菌が関与する口腔がんリスクの評価法や低減法の開発にも寄与することが期待される」と、研究グループは述べている。

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