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災害時の口腔ケア

今年は地震や台風・豪雨といった災害が続いており、
避難所生活を余儀なくされる方もたくさんいらっしゃいます。
そんなときこそ口腔ケアが大切だということは
ご存知の方も多いと思いますが、実際、物資が不足していたり、
水不足だったりと思うようにできないことも多々あります。

災害時に優先的に口腔ケアが必要なのは次の方々です。
・高齢者、嚥下障害者
・乳幼児、小児
・糖尿病等の合併症のリスクを伴う方
口腔内が不衛生になるとむし歯や歯周病などの口腔疾患だけではなく
誤嚥性肺炎や呼吸器疾患のリスクも高くなるため、
体力や免疫力が低下している方は、特に口腔ケアが必要です。

歯ブラシが使用できるのであれば、歯磨き粉をあまり多く
つけすぎないよう、使う量に気を付けて歯磨きをしましょう。
充分にすすぎができず、お口の中に歯磨き粉が残ってしまうと、
口腔乾燥を助長して、細菌が増える原因になってしまいます。

歯ブラシが使用できない場合は、ガーゼや濡れタオルなどで
歯の表面を丁寧に拭き取るようにしましょう。
洗口液が手に入れば、洗口液をつけたガーゼやタオルで
拭き取ると更に衛生的に保つ効果が期待できます。
入れ歯をご使用の場合も、食後は丁寧に拭いて汚れを取りましょう。

唾液には自分のお口をきれいにする自浄作用があります。
充分な歯磨きができない場合でも、口腔体操や唾液腺マッサージを行って
唾液を出すようにすると、口腔乾燥を防ぐことができ、
お口の中の細菌が増えるのを防ぐ効果も期待できます。

なお、うがいをする時にお口いっぱいに水を入れてブクブクするより、
少量の水でぶくぶくする方が、きれいにすることができます。
同量の水なら、回数を多くうがいすることをお勧めします。

▼参考:災害時の口腔ケア
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0fjibt0xt8q1z6i8qFQn

口腔ケアとインフルエンザの関係

夏の間、息をひそめていたインフルエンザですが、
はやくも流行の兆しがあるようです。
インフルエンザの予防に口腔ケアが効果的だと聞いたことがありますか?

口腔内細菌は、プロテアーゼとノイロミニダーゼという酵素を出します。
インフルエンザウイルスは最初から感染力があるわけではなく、
プロテアーゼがウイルスに感染力を与え、
ノイロミニダーゼがウイルスが自由に動くよう助けるのです。

口腔ケアにより口腔内細菌を減らすと、インフルエンザの予防になるのは
こういったことが理由になります。

インフルエンザはやはり、怖い病気です。
しっかりと予防するためにも、早い時期から
口腔ケアによる予防を、ぜひ取り入れてみてください。

▼参考:インフルエンザウイルス感染と細菌性プロテアーゼ
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0fjjbt0xt8q1z6i8qFgd

歯周病は隠れた糖尿病のサイン

歯科医から2型糖尿病の疑いがあると言われたら驚くかもしれない。しかし、歯周病は隠れた糖尿病の徴候である可能性が、新しい研究で示された。

 この研究によると、重度な歯周病をもつ人の5人に1人は2型糖尿病をもち、しかも患者はそのことに気づいていなかった。この知見は、歯科クリニックが糖尿病前症や2型糖尿病のスクリーニングに適している可能性を示唆している。

 「口腔内の健康状態が悪化すること、なかでも歯周病の存在は糖尿病などの疾患の徴候になりうる。糖尿病前症や2型糖尿病を早期に発見し治療することは、その後の合併症予防において重要な課題だ」と、研究著者であるオランダAcademic Center Dentistry Amsterdam(ACTA)歯周病学のWijnand Teeuw氏は述べている。

 世界中で増加が著しい糖尿病患者は、2010年には世界で2億8500万人と推定され、2030年には5億5200万人に達するとみられている。しかし、糖尿病患者の3人に1人は自分が糖尿病であることに気づいていないとされる。

 米国糖尿病協会(ADA)によると、糖尿病を治療せずに放置すると、視力障害や深刻な腎臓病、心臓障害、感染症などさまざまな合併症を引き起こす。同氏は、歯周病は歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨をむしばむ感染症で、糖尿病の合併症と考えられることも多いと指摘している。

 今回の研究は、アムステルダムの歯科医院に来院した313人を対象としたもの。参加者のうち126人が軽度~中等度の歯周病を、78人が重度の歯周病をもち、残りの109人には歯周病は認められなかった。参加者全員のHbA1c値を測定し、糖尿病前症や2型糖尿病の有無を判定した。

 その結果、2型糖尿病の診断歴がない人では、重度の歯周病をもつ人の47%が糖尿病前症で、18.1%が2型糖尿病であることがわかった。軽度~中等度の歯周病をもつ人では46%が糖尿病前症で、9.9%が2型糖尿病であったほか、歯周病をもたない人でも37%が糖尿病前症、8.5%が2型糖尿病であることが判明した。

 歯周病専門医でADAのスポークスパーソンを務めるSally Cram氏は、自身の臨床経験でも多くの患者が糖尿病の存在に気づいていないことを実感しているとしつつ、「治療しても歯周病が治らない患者には糖尿病の検査を勧めるべきだ」と述べている。同氏によると、血糖コントロールが不良な糖尿病患者でも歯周病を治療すると糖尿病も改善するケースがみられるという。

 米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、感染症によく罹ったり、治るのに時間がかかるのは糖尿病の重要な徴候であるとし、「糖尿病と歯周病の関係は両方向で、どちらか一方が改善すれば、もう一方も改善する」と説明している。なお、同氏は、この研究は因果関係を証明するものではないと付け加えている。

 また、Cram氏は、歯科トラブルのほとんどは歯周病であるが、歯を1日2回磨き、フロスを1回使い、定期的に歯科医の診察を受ければ予防できると、歯周病予防の大切さを強調している。

「痛っ」と声出す旧モデルから進化、「ごっくん」動作できる内視鏡研修用ロボ

医療ロボットベンチャーのミコトテクノロジー(鳥取県米子市)と鳥取大は、気管支や胃・十二指腸を本物そっくりに再現した内視鏡研修用ロボットの改良型を開発した。

 鼻やのどの奥に内視鏡が当たると、「痛っ」「オエッ」と声を出す昨年のモデルから反応が進化。「唾をのみ込んで」と呼びかけると、食道の入り口を広げる「ごっくん」という動作もできるようになった。

 ロボットは平均的な女性と同じ大きさで、皮膚や内臓はシリコーンゴム製。臓器はCT(コンピューター断層撮影法)画像を基に3Dプリンターで作製した。胃にポリープ、十二指腸には潰瘍も作った。

 価格は据え置きで1体980万円(税抜き参考価格)。類似製品がなく、評判を呼んでおり、前回モデルは16台売れたという。

歯の芽②

乳歯は母親の胎内にいる時にすでにもとになるものが出来上がり、
これを「歯の芽」(歯胚:しはい)といいます。
歯胚は妊娠6~7週目程から出来始め、
10週目くらいには上下に20本の乳歯の元が出来上がります。
その後、4ケ月頃から石灰化(カルシウムの沈着)が起こり、
硬い歯が出来上がっていきます。
この時期に数本の大人の歯(永久歯)の元も出来上がり、
残りは産まれてから作られます。

歯は一生ものであり、からだの健康や見た目にも大きな影響を与えます。
歯はカルシウムだけで出来ているわけではなく、
タンパク質やビタミンなどの栄養素も必要になります。
頑丈な「歯の芽」を作るためには、母親がバランスのいい食事により
必要な栄養素をしっかりと摂るということが大切です。
妊娠がわかる頃には「歯の芽」は出来始めますので、
日頃から食事の栄養バランスに気を付ける必要がありそうですね。

▼参考:歯とお口の発生と育ち方
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h09smys0wt58jbk7rgR8c

歯の芽

赤ちゃんの歯(乳歯)は生後6ヶ月前後から生え始めます。
個人差があるため、早い子では産まれた時にすでに歯が生えている、
1歳を過ぎても歯が生えない…といったこともみられます。

産まれた時にすでに歯が生えている場合、
母乳授乳時に噛まれてしまうなどといったことがありますので、
小児歯科受診をお薦めします。
また、1歳3ヶ月頃を過ぎても歯が生えてこない場合も
欠損歯(もともと歯がない)場合も考えられますので、
歯科医師に相談するようにしましょう。

後期高齢者医療に「給付率自動調整」導入の考え方

医療給付費や経済・人口の動向に応じて一定のルールに基づき給付率(自己負担)を調整するという「給付率自動調整」の仕組みの導入を財政制度等審議会が提言、骨太方針2018でもその考え方を踏まえた検討を進める方向とされた。「給付率7割の維持」の国会決議に反すると反対する意見がある中、財政審では、自己負担2割への引き上げ後の後期高齢者医療に導入し、負担率1割・2割・3割の対象者のあり方を自動的に調整する方式とする考えがあることが明らかになった。「給付率7割」の原則に影響しない仕組みとなる。「給付率自動調整」を、医療保険制度全体でなく、後期高齢者医療制度でという考え方は、医療費の増加自体が、後期高齢者医療の対象である75歳以上の年齢層の増加によるものとなっていることが背景にある。

認知症の人とサポーターをつなげる仕組み構築

認知症の人と認知症サポーターをつなげる仕組みを構築する―。厚生労働省の2019年度予算の概算要求では、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の推進に関する取り組みを拡充する方向性を示している。「認知症研究の推進」の項目の予算も増やし、効果的な診断・治療法の確立に向けた研究を進める方針だ。

仕組み整える都道府県などに費用を補助

 新オレンジプランの推進を含めた「認知症施策の総合的な取組」の項目については、前年度当初予算比約7億円増の約22億円を求めている。新オレンジプランに基づき、これまで進めてきた認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の活動支援、若年性認知症の人への支援、地域での見守り体制の構築を引き続き進めていく。

 また、認知症の人と認知症サポーターなどの地域の人材をつなげる「オレンジリンク」(仮称)を構築する。認知症の人に対し、早期から心理・生活面の支援を行う狙いがある。

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