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人工甘味料は血糖値に影響しない可能性

人工甘味料は砂糖の代替として飲料や菓子などの食品に広く用いられているが、人工甘味料を摂取しても血糖値には影響を及ぼさないことが、29件のランダム化比較試験(RCT)を対象に行ったメタ解析で示された。ただし、研究を行った米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校食品栄養科学部のAlexander Nichol氏は「この結果から、血糖値が気になる場合でも人工甘味料の摂取は安全だと言えるが、人工甘味料入りの飲料や食品を好きなだけ食べてよいという意味ではない」と強調している。研究の詳細は「European Journal of Clinical Nutrition」5月15日オンライン版に掲載された。

 砂糖の替わりに人工甘味料(非栄養甘味料とも呼ばれる)を用いると、甘みを減らすことなく食品や飲料のカロリーを抑えられることから、人工甘味料は肥満や心臓病、特に糖尿病のリスクを低減させると期待されている。米国では、その使用量は急激に増えており、1999~2000年から2009~2012年にかけて子どもでは約3倍に、成人でも約1.5倍に増加した。現在では、子どもの4人に1人、成人の5人に2人が人工甘味料を習慣的に摂取しているとの推計もある。

 米国では8種類の人工甘味料が認可されており、これらには今回のRCTで検討対象とされたサッカリンとアスパルテーム、ステビオール配糖体、スクラロースが含まれる。また、「無糖(sugar-free)」と表示された食品の一部には、糖アルコールと呼ばれる甘味料(ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イソマルトース、水素化デンプン加水分解物)が含まれているという。

 今回の研究で、Nichol氏らは、対象者が人工甘味料を他の食品やカロリーを含む飲料なしで単独で摂取したRCT論文を抽出。計741人が参加した29件のRCTを対象にメタ解析を実施し、4種類の人工甘味料(アスパルテーム、サッカリン、ステビオール配糖体、スクラロース)が血糖値に及ぼす影響について調べた。対象者のほとんどは健康な人で、2型糖尿病患者は69人、健康状態が不明だった人は150人だった。

 その結果、人工甘味料を摂取しても血糖値にはベースライン時から上昇はみられず、人工甘味料は血糖値には影響しないことが分かった。また、4種類の人工甘味料の間で血糖値への影響に差はみられなかった。

 論文共著者の一人で同校食品栄養科学部のMaxwell Holle氏は「過去の研究の多くでは、他の食品と一緒に摂取した場合の人工甘味料の影響のみが検討されていた。今回の結果は、人工甘味料を単独で摂取した場合を検討しており、信頼性が高いと言えるだろう」と述べている。

 専門家の一人で米コロンビア大学のMaudene Nelson氏は、「無糖」表示については誤解が多いと指摘する。「たとえ砂糖が含まれていなくても、食品や飲料そのものには炭水化物や脂質、たんぱく質が含まれており、摂取すれば血糖値に影響する。また、カロリーもあるので体重にも影響を及ぼすことに気を配る必要がある」と話している。また、今回の解析には含まれなかった糖アルコールについて、「(糖アルコールを)摂取し過ぎると腹部膨満感や下痢の原因になることにも注意する必要がある」と同氏は付け加えている。

歯と口の健康アラカルト:高齢者のむし歯

高齢者に多いむし歯を「根面(こんめん)う蝕(しょく)」(歯の根っこの面にできるむし歯)といいます。歯は歯茎より上の歯冠(エナメル質が覆う)と歯茎の中に埋まっている歯根でできています。加齢により歯茎が痩せ、高齢者になると若い時は歯茎に埋もれている歯根が出てきます。歯根は歯冠の7分の1の硬さにすぎません。つまり歯根の表面はとても軟らかいため、むし歯になりやすいのです。その歯根の表面にできやすいむし歯が根面う蝕です。

 根面う蝕は歯の中にある神経に近い位置から始まり、軟らかいため、進行が速く神経に達しやすくなります。神経がむし歯のばい菌に侵されると、ひどい痛みが出るだけでなく、むし歯が急速に進み治療が難しくなります。また、歯根の表面全周に進行しやすいことから、歯が折れて根だけになり、抜かないといけなくなるケースも少なくありません。

 若い時に比べて歯茎が痩せ、歯と歯の隙間(すきま)が広くなり、汚れがたまりやすくなることもその原因の一つです。高齢者になると唾液の量が減る傾向にあります。唾液はむし歯予防には重要な役割をします。食べかすを洗い流し、また、むし歯になりかけた表面を再石灰化させ、むし歯になりにくくする力があるので、唾液の量、質は大変重要なポイントになります。唾液の減少は加齢によるものですが、薬の副作用や全身的な病気でも起こります。

 根面う蝕はどうしたら予防できるのでしょう。誤った歯磨きにより歯周病が進み、歯茎が下がります。圧力がかかり過ぎた歯磨きも歯茎を傷つけ、押し下げることとなります。適当な硬さと大きさの歯ブラシや歯間ブラシを使い、お口の中を常に清潔に保ってください。

 フッ素入りの歯磨き剤やうがい薬の使用も効果が期待できます。唾液の量を増やすマッサージや運動もあります。不規則な生活や過労、過度のストレスにも気をつけてください。治療後の歯でも新たに根面う蝕になることが多いので、歯科医院での定期健診や各自に合ったお口の清掃指導を受けることをおすすめいたします。

マダニ対策、山林で肌露出避けて 道北初、旭川で媒介性脳炎 道立衛生研が注意喚起

旭川市内の40代女性が5月中旬、ウイルスを持つマダニにかまれて「ダニ媒介性脳炎」を発症、入院したことを受け、道立衛生研究所(札幌)は感染予防の徹底を呼び掛けている。同脳炎の発症は道内5例目で、道北では初めて。発症すると死亡する恐れもあるだけに、担当者は「山林に入る際は肌の露出を避けて」と話している。

 旭川市保健所によると、女性は5月中旬、山菜採りのため訪れた道北の山林でマダニに右肩をかまれ、発熱などの症状を訴えて入院。現在も治療中で、髄膜炎や意識障害の症状が出たという。

ちょっと気になる!≪咽喉頭異常感症≫

喉に不快感がある、喉の奥に異物感がある、
食べ物が飲み込みにくいと感じる、つっかえることがある…
などの症状があるのにもかかわらず、検査の結果は喉に異常が見られない。
このうよな時に考えられるのが「咽喉頭異常感症」です。

摂食嚥下障害は機能的な障害が考えられますが、
咽喉頭異常感症には機能的な障害等は見られません。

咽喉頭異常感症の原因として逆流性食道炎やアレルギー性鼻炎などが
挙げられる場合もあります。
しかし、そういった疾患もなく症状が現れる場合には
心因性(ストレスなど)が挙げられます。
30代~50代の女性に多く見られ、自律神経失調症や更年期障害などと
関係しているとも考えられます。
気持ちを和らげるためのカウンセリングや漢方の治療なども
効果があるといわれます。

常日頃からたくさん頑張っている方は、たまには肩の力を抜いて、
消極的または積極的ストレス発散をなさってみてはいかがでしょうか。

▼参考:咽喉頭異常感への対応(大越俊夫)
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h07kn6s0vtdrfu9x3wZgQ

12歳虫歯、10年で半減 沖縄県内1.7本 文科省調べ 教医連携、ワースト脱却へ

全国の12歳児を対象に毎年実施される永久歯列の虫歯調査で、2017年度の沖縄県の1人当たりの虫歯罹患(りかん)本数は1・7本で、06年度の3・5本から半減したことが4日、分かった。沖縄はこれまで全国ワーストを独走してきたが、近年は毎年0・2本減を記録するなど、改善率が他府県と比べ著しい。県歯科医師会の玉城斉理事は「教育と医療の各機関の連携強化が結実した」と述べ、改善傾向が維持できれば、年内または来年度にも初めて最下位を脱却できる可能性を示唆した。

 調査は文部科学省の学校保健統計調査の一環で、全国平均は0・82本だった。北海道(1・5本)、鹿児島(1・4本)が沖縄に続いた。全国で虫歯が最も少なかったのは、新潟と愛知の0・4本だった。

 玉城理事は、県内児童の虫歯率が高い傾向にある背景に(1)保護者の口腔(こうくう)環境整備への意識の低さ(2)低所得を理由とする未治療―などを挙げた。ただ、近年は学校教育の中でも積極的に虫歯予防について考える機会を設けているほか、医療機関の周知活動が奏功し「飛躍的に状況は改善されている」と評価する。

 公益財団法人ライオン歯科衛生研究所によると、全国小学生歯みがき大会の参加率は全国平均が18・8%。那覇市は58・3%で全国の政令都市または県庁所在地で最高だった。同研究所の吉松治郎保健研究部課長も歯科教育の充実・強化により沖縄の状況は着実に改善していると評価。「身体の健やかな成長には健康で丈夫な歯が欠かせない」と述べ、さらなる歯科教育の充実に期待を寄せた。

癒合歯 (ゆごうし)

癒合歯って聞いたことがありますか?
隣り合った歯がくっついて、1本の歯のようになったものです。
永久歯より乳歯によく見られ、また、下の前歯付近に多く見られます。

癒合歯そのものは癒着部の溝がむし歯になりやすい傾向にありますが、
それ以外には特に心配することはありません。
ただし、癒合歯が永久歯に与える影響は決して小さくはありません。

乳歯の2歯が癒合している場合、その後生えてくる永久歯の2歯の内1歯が
先天欠如を起こしている場合が少なくありません。
また、2歯が融合しているため、永久歯の欠如がない場合でも
生える場所が少なくなるため、歯並びが悪くなる傾向も多く見られます。
顔の真ん中の線と歯の左右の真ん中がずれてしまうこともあります。

癒合歯を見つけたら、歯科医院に相談する方がいいかもしれません。
年齢が小さいうちは難しいかもしれませんが、
レントゲンを撮って永久歯の状態を確認しておく方がよいと思います。

歯並びは口腔疾患を起こしやすくする原因にもなりますし、
お食事(栄養摂取)にも影響してきます。
それだけではなく、見た目や体の歪みなどにも影響を及ぼしますので、
早めに専門家に相談されることをお勧めします。

▼参考:乳歯の癒合歯が後継永久歯に与える影響(新谷誠康)
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h07km6s0vtdrfu9x3wT57

歯科医療充実など「骨太2017の内容継続を」自民・議連で日歯要望

自民党の国民歯科問題議員連盟(尾辻秀久 会長)の総会が5月23日に開かれ、政府の「骨太の方針2018」策定に向けて、日本歯科医師会の堀 憲郎 会長が意見を表明した。

 堀 会長は、同2017に「生涯を通じた歯科健診の充実」「歯科保健医療の充実」といった方向性が盛り込まれたことを踏まえ、同2018でも、その方向性と記載内容を継続するよう求めた。

 併せて、国民の健康寿命延伸と医療の財政側面に貢献するため▽「介護予防とフレイル予防の一体化」の中で「歯科」や「口腔」の関わりを示す ▽入院のみならず、医科外来からのフレイル予防などのニーズが把握されることから、そこに「医科歯科連携推進」の方向性を示すことも要望した。

 堀 会長は「施設等における口腔機能管理を徹底すれば、誤嚥性肺炎にかかる医療費のうち年間950億円程度を抑制できる可能性がある」とのデータなど、具体的な数値も提示した。

(メディファクスより)

世界最大規模調査で睡眠障害と糖尿病・高血圧との関連性を解明 - 京大

京都大学は5月9日、滋賀県長浜市と共同で睡眠呼吸障害、客観的な短時間睡眠、肥満の相互の関連性と、それらが高血圧、糖尿病に与える関連について、性差と閉経前後もふまえた7,000人以上という世界最大規模の調査で横断的に解明したと発表した。この研究は、同大医学研究科のグループによるもので研究成果は「SLEEP」に掲載されている。

 研究の結果、睡眠時無呼吸は肥満ばかりでなく、客観的に測定した短時間睡眠と関連することがわかった。また、睡眠呼吸障害は男女とも高血圧に関連しており、その重症度が高くなるにつれて関連度が高くなった。

 糖尿病に関しては、女性においてのみ関連しており、特に、閉経前の女性においては、中等症以上の睡眠呼吸障害があると糖尿病は28倍と、著明に多くなった。なお、肥満は男女ともに高血圧、糖尿病と関連していたが、客観的に測定した短時間睡眠は高血圧、糖尿病いずれにも関連が認められなかった。

 さらに、高血圧や糖尿病に対する肥満の関与は、睡眠呼吸障害により約20%間接的に媒介されており、性差が認められた。

(医療NEWS 5月11日より)

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