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3Dプリンターで入れ歯 産総研が技術開発

つくば市の産業技術総合研究所などは、3Dプリンターを使って入れ歯を製造する技術を開発した。これまでの工法に比べ、精密で耐久性が上がり、製造期間は三分の一以下になる。費用も下がる可能性が大きいといい、保険適用を目指す。

 産総研によると、患者の口の中の形状をスキャナーなどで読み取り、入れ歯を設計。粉末状のコバルトクロム合金をレーザーで溶かし、何層にも重ねながら、3Dプリンターで入れ歯をつくる。新技術では工程が減るため、製造に二週間ほどかかっていたのが1、2日になり、材料コストも半分以下になるとみている。手作業による誤差がなく、より精密になり破損しにくいという。

 すでに医療機器として国の承認が得られ、今後は保険適用を目指す。アレルギー患者への配慮で、チタン粉末を使った入れ歯の開発も進める。

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http://img.bme.jp/img/14/2286/161.jpg

歯周病の進行が呼吸機能の急速低下に関わる可能性

 九州大学は9月20日、歯周病の進行が呼吸機能の急速低下に関わることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授が主任を務める久山町研究の一環として、同大歯学研究院口腔予防医学分野の竹内研時助教と山下喜久教授らが、同医学研究院呼吸器内科学分野の松元幸一郎准教授らと共同で行ったもの。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、近年世界的に増加傾向で、世界の死因の第4位を占める。COPDはたばこの煙を主とする有害物質を長期吸入し、成人期以降に呼吸機能の経年低下速度が急速化することで発症すると考えられている。

 今回、研究グループは喫煙以外の要因を検討するため「歯周病」に着目。福岡県久山町の40歳以上成人1,650名の追跡調査データを分析し、呼吸機能検査による一秒量の急速低下との関連を検討した。その結果、喫煙などの影響を加味した上でも、歯周病の進行が最も軽度な集団に比べ、最も重度な集団は3年以内に一秒量の急速低下が起きる割合が1.4倍高く、歯周病が進行している人ほど呼吸機能の経年低下速度が急速化しやすいことがわかった。これにより、自宅や歯科医院での口の健康管理が、歯周病予防だけでなく、肺の健康を守るためにも重要である可能性が示されたとしている。

 研究グループは「歯周病は、歯磨きなどのセルフケアや歯石除去などの歯科医院でのプロフェッショナルケアを組み合わせることで予防・管理することができる。肺の健康を守るために、口の健康をしっかりと守っていくことが今後重要になると考えられる」と述べている。

災害時の口腔ケア

今年は地震や台風・豪雨といった災害が続いており、
避難所生活を余儀なくされる方もたくさんいらっしゃいます。
そんなときこそ口腔ケアが大切だということは
ご存知の方も多いと思いますが、実際、物資が不足していたり、
水不足だったりと思うようにできないことも多々あります。

災害時に優先的に口腔ケアが必要なのは次の方々です。
・高齢者、嚥下障害者
・乳幼児、小児
・糖尿病等の合併症のリスクを伴う方
口腔内が不衛生になるとむし歯や歯周病などの口腔疾患だけではなく
誤嚥性肺炎や呼吸器疾患のリスクも高くなるため、
体力や免疫力が低下している方は、特に口腔ケアが必要です。

歯ブラシが使用できるのであれば、歯磨き粉をあまり多く
つけすぎないよう、使う量に気を付けて歯磨きをしましょう。
充分にすすぎができず、お口の中に歯磨き粉が残ってしまうと、
口腔乾燥を助長して、細菌が増える原因になってしまいます。

歯ブラシが使用できない場合は、ガーゼや濡れタオルなどで
歯の表面を丁寧に拭き取るようにしましょう。
洗口液が手に入れば、洗口液をつけたガーゼやタオルで
拭き取ると更に衛生的に保つ効果が期待できます。
入れ歯をご使用の場合も、食後は丁寧に拭いて汚れを取りましょう。

唾液には自分のお口をきれいにする自浄作用があります。
充分な歯磨きができない場合でも、口腔体操や唾液腺マッサージを行って
唾液を出すようにすると、口腔乾燥を防ぐことができ、
お口の中の細菌が増えるのを防ぐ効果も期待できます。

なお、うがいをする時にお口いっぱいに水を入れてブクブクするより、
少量の水でぶくぶくする方が、きれいにすることができます。
同量の水なら、回数を多くうがいすることをお勧めします。

▼参考:災害時の口腔ケア
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0fjibt0xt8q1z6i8qFQn

口腔ケアとインフルエンザの関係

夏の間、息をひそめていたインフルエンザですが、
はやくも流行の兆しがあるようです。
インフルエンザの予防に口腔ケアが効果的だと聞いたことがありますか?

口腔内細菌は、プロテアーゼとノイロミニダーゼという酵素を出します。
インフルエンザウイルスは最初から感染力があるわけではなく、
プロテアーゼがウイルスに感染力を与え、
ノイロミニダーゼがウイルスが自由に動くよう助けるのです。

口腔ケアにより口腔内細菌を減らすと、インフルエンザの予防になるのは
こういったことが理由になります。

インフルエンザはやはり、怖い病気です。
しっかりと予防するためにも、早い時期から
口腔ケアによる予防を、ぜひ取り入れてみてください。

▼参考:インフルエンザウイルス感染と細菌性プロテアーゼ
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0fjjbt0xt8q1z6i8qFgd

歯周病は隠れた糖尿病のサイン

歯科医から2型糖尿病の疑いがあると言われたら驚くかもしれない。しかし、歯周病は隠れた糖尿病の徴候である可能性が、新しい研究で示された。

 この研究によると、重度な歯周病をもつ人の5人に1人は2型糖尿病をもち、しかも患者はそのことに気づいていなかった。この知見は、歯科クリニックが糖尿病前症や2型糖尿病のスクリーニングに適している可能性を示唆している。

 「口腔内の健康状態が悪化すること、なかでも歯周病の存在は糖尿病などの疾患の徴候になりうる。糖尿病前症や2型糖尿病を早期に発見し治療することは、その後の合併症予防において重要な課題だ」と、研究著者であるオランダAcademic Center Dentistry Amsterdam(ACTA)歯周病学のWijnand Teeuw氏は述べている。

 世界中で増加が著しい糖尿病患者は、2010年には世界で2億8500万人と推定され、2030年には5億5200万人に達するとみられている。しかし、糖尿病患者の3人に1人は自分が糖尿病であることに気づいていないとされる。

 米国糖尿病協会(ADA)によると、糖尿病を治療せずに放置すると、視力障害や深刻な腎臓病、心臓障害、感染症などさまざまな合併症を引き起こす。同氏は、歯周病は歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨をむしばむ感染症で、糖尿病の合併症と考えられることも多いと指摘している。

 今回の研究は、アムステルダムの歯科医院に来院した313人を対象としたもの。参加者のうち126人が軽度~中等度の歯周病を、78人が重度の歯周病をもち、残りの109人には歯周病は認められなかった。参加者全員のHbA1c値を測定し、糖尿病前症や2型糖尿病の有無を判定した。

 その結果、2型糖尿病の診断歴がない人では、重度の歯周病をもつ人の47%が糖尿病前症で、18.1%が2型糖尿病であることがわかった。軽度~中等度の歯周病をもつ人では46%が糖尿病前症で、9.9%が2型糖尿病であったほか、歯周病をもたない人でも37%が糖尿病前症、8.5%が2型糖尿病であることが判明した。

 歯周病専門医でADAのスポークスパーソンを務めるSally Cram氏は、自身の臨床経験でも多くの患者が糖尿病の存在に気づいていないことを実感しているとしつつ、「治療しても歯周病が治らない患者には糖尿病の検査を勧めるべきだ」と述べている。同氏によると、血糖コントロールが不良な糖尿病患者でも歯周病を治療すると糖尿病も改善するケースがみられるという。

 米モンテフィオーレ医療センター(ニューヨーク市)臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は、感染症によく罹ったり、治るのに時間がかかるのは糖尿病の重要な徴候であるとし、「糖尿病と歯周病の関係は両方向で、どちらか一方が改善すれば、もう一方も改善する」と説明している。なお、同氏は、この研究は因果関係を証明するものではないと付け加えている。

 また、Cram氏は、歯科トラブルのほとんどは歯周病であるが、歯を1日2回磨き、フロスを1回使い、定期的に歯科医の診察を受ければ予防できると、歯周病予防の大切さを強調している。

「痛っ」と声出す旧モデルから進化、「ごっくん」動作できる内視鏡研修用ロボ

医療ロボットベンチャーのミコトテクノロジー(鳥取県米子市)と鳥取大は、気管支や胃・十二指腸を本物そっくりに再現した内視鏡研修用ロボットの改良型を開発した。

 鼻やのどの奥に内視鏡が当たると、「痛っ」「オエッ」と声を出す昨年のモデルから反応が進化。「唾をのみ込んで」と呼びかけると、食道の入り口を広げる「ごっくん」という動作もできるようになった。

 ロボットは平均的な女性と同じ大きさで、皮膚や内臓はシリコーンゴム製。臓器はCT(コンピューター断層撮影法)画像を基に3Dプリンターで作製した。胃にポリープ、十二指腸には潰瘍も作った。

 価格は据え置きで1体980万円(税抜き参考価格)。類似製品がなく、評判を呼んでおり、前回モデルは16台売れたという。

歯の芽②

乳歯は母親の胎内にいる時にすでにもとになるものが出来上がり、
これを「歯の芽」(歯胚:しはい)といいます。
歯胚は妊娠6~7週目程から出来始め、
10週目くらいには上下に20本の乳歯の元が出来上がります。
その後、4ケ月頃から石灰化(カルシウムの沈着)が起こり、
硬い歯が出来上がっていきます。
この時期に数本の大人の歯(永久歯)の元も出来上がり、
残りは産まれてから作られます。

歯は一生ものであり、からだの健康や見た目にも大きな影響を与えます。
歯はカルシウムだけで出来ているわけではなく、
タンパク質やビタミンなどの栄養素も必要になります。
頑丈な「歯の芽」を作るためには、母親がバランスのいい食事により
必要な栄養素をしっかりと摂るということが大切です。
妊娠がわかる頃には「歯の芽」は出来始めますので、
日頃から食事の栄養バランスに気を付ける必要がありそうですね。

▼参考:歯とお口の発生と育ち方
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h09smys0wt58jbk7rgR8c

歯の芽

赤ちゃんの歯(乳歯)は生後6ヶ月前後から生え始めます。
個人差があるため、早い子では産まれた時にすでに歯が生えている、
1歳を過ぎても歯が生えない…といったこともみられます。

産まれた時にすでに歯が生えている場合、
母乳授乳時に噛まれてしまうなどといったことがありますので、
小児歯科受診をお薦めします。
また、1歳3ヶ月頃を過ぎても歯が生えてこない場合も
欠損歯(もともと歯がない)場合も考えられますので、
歯科医師に相談するようにしましょう。

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