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歯の喪失がアルツハイマー病の原因であるタンパク質に影響を与えることが明らかに

代表的な認知症であるアルツハイマー病の原因の一つとして、タウというタンパク質の塊が脳内に蓄積することが知られている。また、高齢者では歯がどのくらい残っているかなど、口腔内の環境が認知症と関わりがあることも示されているが、その詳細は不明だった。

 東京歯科大らの研究チームは、歯が抜けて根元の神経が損傷されると、脳の深部の脳幹という所にある神経のおおもとが死んでしまうことに着目した。その理由は、加齢に伴って脳幹からタウ(タンパク質)の塊が蓄積し始めることだった。陽電子放出断層撮影法(PET)という画像検査により、アルツハイマー病患者のタウ蓄積を調べたところ、残っている歯の本数が少ない人ほど脳幹のタウ蓄積が多いことが判明した。さらに脳幹のタウ蓄積が多い人ほど、記憶の出し入れに関わる海馬という脳領域のタウ蓄積も多いことが明らかになり、歯を失うことがアルツハイマー病のタウ蓄積を加速して、発症や進行に関わる可能性が示さた。

 研究の結論として、口腔内をケアして歯の喪失を防ぐことは、アルツハイマー病の発症や進行を食い止めることにつながる証拠を、病態の観点から得ることができた。 本成果は2023年11月21日付で、ジャーナル誌『Journal of Alzheimer’s Disease』に研究論文として掲載された。
【歯科通信】

肥満予防薬「アライ」、実力は

今月8日、「内臓脂肪・腹囲減少薬」をうたった「アライ」が大正製薬(東京都豊島区)から発売された。医師の処方箋不要で、薬局・薬店で買える一般用医薬品だが「要指導医薬品」に該当し、薬剤師から説明を受けることが条件だ。消費者の関心も高い新薬の実力を探った。

 ●脂質分解吸収を阻害

 アライは膵臓(すいぞう)から分泌され小腸で脂質を分解し吸収を助ける消化酵素、リパーゼを阻害する薬剤だ。アライの有効成分である「オルリスタット」によってリパーゼの働きが阻害されると、食べ物に含まれる脂肪分が体内に吸収されず、便として排せつされる。同社は「食べた脂肪の約25%が排せつされると期待できる」と説明する。服用方法は食事中または食後1時間以内に1カプセルを1日3回。価格は6日分が税込み2530円、30日分が同8800円。

 内臓脂肪の減量が重要なのは、蓄積すると糖尿病や脂質異常症、高血圧などの多くの生活習慣病になりやすいためだ。日本肥満学会の横手幸太郎理事長(千葉大学長)は「内臓脂肪の脂肪細胞が増えると、血糖値や血圧に作用する生理活性物質のバランスが崩れ、生活習慣病の発症につながる」と説明する。このため同学会は、肥満や肥満症の人に対して「体重の3%以上の減量」を呼び掛けている。

 同学会の定義によると、肥満と肥満症は主に体格指数(BMI)と健康障害の有無で分けられる。体格指数は、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値で、25以上が肥満に該当する。肥満症は、肥満に加え糖尿病や高血圧など11の健康障害(疾患)が一つ以上ある場合だ。BMI35以上の場合は健康障害がなくても「高度肥満症の可能性あり」、BMI35以上で健康障害があれば「高度肥満症」として治療対象となる。アライの対象はBMI35未満かつ健康障害がない人で、肥満症の「予防薬」にあたる。

 アライは2007年に米国で一般用医薬品として承認された。大正製薬は08年に海外の製薬会社と導入契約を結び、開発に16年をかけた。19年に承認申請した後の審査も23年まで約4年という異例の長期に及んだ。同社は「『腹囲減少』という新規の薬効や適正使用できるかという点などの説明に時間を要した」と話す。

 ●販売に厳しい条件

 「やせ薬」としての安易な使用が懸念されるため、販売条件は厳しく決められた。購入者は薬剤師と対面し、腹囲(男性85センチ以上、女性90センチ以上)や生活習慣改善への取り組み状況の確認を受ける。更に服用中も体重や腹囲の記録が求められる。同社は使用者が簡単に生活習慣を記録できるよう、スマートフォン向けアプリを開発。また適正販売のため、薬剤師もアライ専用の研修プログラム修了者のみが販売に従事できる体制とした。出荷先も条件を了承した薬局・ドラッグストアに限定し、同社から直接販売する。

 ●「漏れ」は起こる

 服用の際に注意が必要なのが、薬の働きに伴う特有の症状だ。脂肪分をそのまま排せつするため、便や油の漏れが起こるという。臨床試験を通じて報告された消化器系の副作用は440例中180例で全体の約4割。具体的な症状としては、油の漏れのほか、便や油を伴う放屁(ほうひ)や油性排せつ物、脂肪便、便失禁などが挙がった。

 これらの症状に対し、同社は「脂肪分の多い食事を控える」「下着に便漏れパッドやナプキンをつけておく」「替えの下着を準備しておく」「服用開始は終日自宅で過ごせる休日にする」「おならが出そうな時はすぐにトイレに行く」「外出時はトイレの場所を把握しておく」といった対策を呼び掛けている。

一人角打ち

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歯科医師会のグループ懇親会の前に一人で角打ち
 立ち飲み屋さんで1杯の日本酒です。

歯周病検診が年1回無料 全身の病気リスクに影響、岐阜・美濃加茂市が県内初実施

岐阜県美濃加茂市は4月から、18歳から74歳までの市民を対象に、希望者が年1回の歯周病検診を無料で受けられる「市民皆歯科健診」を県内で初めて開始した。全国でも珍しい取り組みで、市は告知ポスターを作成、加茂歯科医師会に加盟する歯科医院に掲示して取り組みの広がりを期待する。

 全身の病気リスクに影響する歯周病の患者が若年層でも増えていることを受け、市では2020年度から、歯周病検診を20歳から70歳まで5歳刻みの年齢を対象に無償化する独自の取り組みを行っており今回さらに充実させた。

 法定健診は1歳6カ月と3歳、保育所や認定子ども園に通う幼児(4~6歳)、小中高校に登校する児童生徒(7~17歳)を対象に年1回無償で実施する。市独自で実施する「2歳児歯みがき教室」で歯科健診も行っていることから、未就園児や不登校の児童生徒を除き、1歳6カ月から74歳までの間、希望者は年1回の歯科健診を無料で受ける体制を整えた。

 切れ目のない歯科健診体制を整えて早期治療を促し、健康寿命延伸につなげるのが狙い。18歳から74歳までの市民は約3万9800人で、市は本年度1004万円の予算を組んだ。

 市によると、歯周病検診の受診率は、2020年度に前年比2・72ポイント増の6・69%で、ここ数年約6%台を維持する。河村二郎会長は「歯を治療する時代から予防する時代に変化してきた。早期発見・早期治療で重症化を予防し、健康寿命の延伸につなげるため、受診率アップを目指したい」と話した。

学校側へ「プライバシー配慮を」 健診で川崎市教委 国の通知受けチェックリストに新項目

川崎市教育委員会は本年度から、年度初めの内科健診実施前のチェックリストに、児童生徒のプライバシーや心情への配慮に関する項目を新たに設けた。文部科学省の通知を受けた対応で、各校で順番を待っている間に体操服やタオルで体を隠せるようにしているかや、検査や診察時に周囲から体が見えないように囲いやカーテンを用意しているかなどを確認するよう促している。

 文科省が1月に各都道府県や政令市の教育委員会などに出した通知では、正確な検査・診察の実施と、児童生徒のプライバシーや心情への配慮が重要だとして、環境整備の考え方を示している。

マクロライド系抗菌薬が骨の再生・回復に寄与。歯周病や骨粗鬆症の治療薬開発促進に期待。  

新潟大学と北里大学は、米国ペンシルバニア大学、独ドレスデン工科大学との国際共同研究を実施し、マクロライド系抗菌薬と同薬から合成した非抗菌性誘導体EM-523が、骨の再生・回復に働くことを、老齢動物モデル実験で明らかにした。
 研究の結果、マクロライド系抗菌薬および誘導薬EM-523は、骨再生に重要DEL-1を誘導することが判明。さらに、これら薬剤の長期投与により、老化マウスで歯槽骨と長管骨の再生促進が認められ、老化による骨粗鬆症を改善させることが明らかになった。

だ液によるがんリスク検査サリバチェッカーが第18回ニッポン新事業創出大賞特別賞を受賞。

サリバチェッカーは、だ液中の代謝物の濃度を高精度に分析し、がんの異常値を示す物質の濃度をAIなどで解析することで、現在のがん罹患リスクを評価するというもの。だ液を採取し、同社に送るだけで検査が可能なため、患者に負担をかけることなく複数のがんリスクをチェックすることが可能だ。 
 セルフメディケーションの重要性が叫ばれる中、定期的な診療に併せて提案が出来ると、導入医療機関は1800を超えている。

歯科衛生士は14万5,183人で2,423人増加。歯科技工士は3万2,942人で1,884人減少。

厚生労働省が公表した「衛生行政報告例の概況」によると、2022年末時点の就業歯科衛生士数は14万5183人で、前回調査の2020年末時点よりも2423人増加した。就業場所別では、診療所が最も多い13万806人、診療所以外は1万4337人。
 一方、2022年末時点で就業歯科技工士は3万2942人となり、前回調査から1664人減少。年齢別にみても、65歳以上が16.9%を占めており、若者の歯科技工士離れを物語る結果となっている。

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