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知的障害者の全身麻酔治療:大病院しのぐ手術数 さくらの歯科医師菊地さん、情熱傾け /栃木

知的障害による意思疎通の難しさなどを抱える患者に歯科治療をする場合、全身麻酔が必要になることがある。さくら市氏家の「スペシャルニーズセンター」の歯科医師、菊地公治さん(41)は、小規模クリニックで大病院をしのぐ症例数の全身麻酔下での歯科治療を行っている。背景には、十分とは言えない障害者の歯科治療環境を整えようとの菊地さんの思いがある。【高橋隆輔】

 知的障害のある男性(18)の手術の日。車内で落ち着いているうちに鎮静を施し、院内の手術台に誘導。暴れそうになるのを歯科医師や歯科衛生士ら6人がかりで制し、ようやく麻酔が効くと施術が始まる。一部の診断もそこからで、並行しての処置が続く。歯石除去、神経治療、型取り。通常の歯科治療数回分の処置を集中してこなし、約1時間半後に手術が終了。ようやく室内の緊張が解けた。

 この手術には歯科医3人と歯科衛生士2人が立ち会った。ただ、障害者の歯科治療には特別な加算は認められない。人件費に加えて薬剤や機材も高額なため、単発の手術では採算性は低いのが実態だ。

 菊地さんはかつて大病院の口腔(こうくう)外科に勤務。全身麻酔下での歯科治療にも当たったが、命に関わる手術が相次ぐ大病院では、手術枠の確保でどうしても優先順位が下がった。治療回数が確保できれば残せる歯も、やむを得ず抜いた。障害者歯科の普及の必要性を方々で訴えたが、「死亡リスクがゼロではない全身麻酔を敬遠する雰囲気があった」と2016年に同センターを自ら開設した。

 同センターでは週3日、1日最大3件の全身麻酔下の歯科治療を行っている。その件数は16年が306件、17年は452件で、大病院の数年分にも匹敵。鹿児島市で障害者の全身麻酔手術を行っている「おく小児矯正歯科」の奥猛志院長は「件数も多い上、菊地さんはかなりの部分を一人でこなしている点ですごいと思っている」と舌を巻く。

 件数が多い理由は、スタッフの確保や、薬剤の使用期限などを考えると、一定期間内の症例を増やさなければ採算性が上がらないため。「事業になる新しいモデルが作れれば、『割に合わない』と二の足を踏む人が参入できる」との考えからだ。菊地さんは「診療点数はこちらの事情。彼らは障害者になりたくてなったわけではないので」と話し、挑戦を続けている。

75歳以上、高齢者の半数超 社会保障、生活支援が課題 3月人口推計

総務省が20日公表した3月1日時点の人口推計(概算値)によると、75歳以上の後期高齢者は1770万人で、65~74歳の1764万人を上回り、高齢者全体の半数を超えた。人口推計で75歳以上が65~74歳を上回るのは初めて。75歳を過ぎると寝たきりや認知症など心身が衰えやすくなり、社会保障費の膨張が国と地方の財政を圧迫する中、安定的な医療、介護制度の構築が課題となる。1人暮らしの生活支援といった対策も急務だ。

 3月1日時点の総人口(1億2652万人)に占める75歳以上の割合は14・0%。戦後間もないベビーブーム期に生まれた団塊の世代全員が2025年に後期高齢者になるなど、今後もこの割合は拡大する見込みだ。

 推計によると、75歳以上のうち男性は693万人、女性は1077万人。85歳以上は男性173万人、女性387万人の計559万人だった。

 年代別の総人口に占める割合は、15歳未満が12・3%、15~64歳が59・8%、65歳以上は27・9%だった。

 10年前(08年3月)の人口推計では、65~74歳が1482万人だったのに対し、75歳以上は1297万人だった。医療技術の進歩や体力の向上で寿命が延びていることから、後期高齢者は近年、月5万人前後のペースで増加。日本老年医学会は昨年、高齢者の定義を75歳以上に見直すよう提言している。

 75歳になっても元気な人は多く、政府は2月に決めた高齢社会対策大綱に「年齢に関わりなく希望に応じて働き続けられるよう雇用、就業環境を整備する」と明記した。ただ、心身の衰えや1人暮らしでサポートを必要とする人も増えるため、生活支援や、孤立を防ぐ対策が重要だ。

シェーグレン症候群診療GL2017公開

医療情報サービス(Minds)はこのほど、シェーグレン症候群診療ガイドライン(GL)2017年版を公式サイトで公開した。同GLは、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業自己免疫疾患に関する調査研究班が編集。同GLは、シェーグレン症候群やドライアイ・ドライマウスの専門医だけでなく一般臨床医も対象に、診断や治療に関する38のクリニカル・クエスチョン(CQ)を設定している。

 シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺など外分泌腺にリンパ球が湿潤し、それに伴い腺組織が特異的に障害を受ける自己免疫疾患。主な症状として、ドライマウス(口腔乾燥)やドライアイ(乾燥性角結膜炎)が挙げられる。診断の契機は、ドライマウスなどの乾燥症状の他、倦怠感や関節痛などの全身症状、血球減少などの検査異常、間質性肺炎や神経障害などの腺外病変。シェーグレン症候群が疑われる場合、厚生労働省改訂診断基準(JPN)(1999年)の項目を中心に必要な検査を行い、腺外病変の評価や他の膠原病合併の評価を行う。そして、一次性、二次性、腺型、腺外型の病型診断に基づき治療方針を決定するのが、診療の全体的な流れとなる。

 今回のGLの想定する利用者は、かかりつけ医や膠原病内科医、眼科医、歯科口腔外科医、耳鼻咽喉科医、小児科医、コメディカルなど、シェーグレン症候群の診療に関わる全ての医療従事者。シェーグレン症候群やドライアイ・ドライマウスの専門医だけでなく、一般臨床医も対象としている。

 「第3章 推奨」の項目では、「診断、治療方針の決定に有用な口腔検査は何か」「予後に影響する腺外病変にはどのようなものがあるか」など診断や治療に関する38のCQを設定。なお、「第5章 付録」は、クリニカルクエスチョン設定表や外部評価まとめを別添として記載している。

口腔乾燥症

口腔乾燥症は名前の通り、お口が乾燥する病気です。
ドライマウスともいいます。
口臭がきつくなる、言葉が出にくい、食べ物を飲み込みにくい、など、
なってしまうとかなり辛いものです。

春がやってくると同時に、花粉症もやってきます。
鼻が詰まって口呼吸が多くなることで(特に就寝中)お口が乾いたり、
花粉症の薬が口腔乾燥を起こしてしまう場合もあります。
花粉症による口腔乾燥は時期が過ぎれば、また服薬を辞めれば
状態は改善されますが、それ以外の口腔乾燥症は少し複雑になってきます。

口腔乾燥症の原因は服薬や病気、加齢などいろいろとあります。
そのうちのいくつかを見てみましょう。

・ストレス
ストレスも口腔乾燥症を引き起こす原因の一つです。
リラックス時には副交感神経が優位に立ち、
サラサラ唾液(漿液性唾液)が分泌されます。
逆にストレスにより交感神経が優位に立つと、
漿液性唾液の分泌は抑制されて、ネバネバ唾液(粘液性唾液)が分泌されます。
緊張するとお口の中がネバつく感じがするのはこのためです。

・筋力の低下
サルコペニア(筋肉量の低下による筋力・身体能力低下)は
30歳くらいから始まります。
筋力低下に伴って咀嚼力の低下が起こり、唾液分泌量減少に繋がります。
咀嚼は唾液の分泌を促すため、噛む(咀嚼する)ことが少ない食事も
口腔乾燥症の原因に影響してきます。
また、口唇、口輪筋や頬筋が低下することによって口呼吸になると、
口腔乾燥が強くなることもあります。

口腔乾燥症の対応法としては
・よく噛む
・水分補給やうがいをする
・唾液腺マッサージを行う
・口腔保湿剤を使って口腔内をマッサージ、保湿すね
などが効果的です。
お口の渇きが気になる方は試してみて下さい。

▼日本静脈経腸栄養学会雑誌「唾液と口腔機能の関わり」
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h073i5r0tt1q10jc0nA9X

お口のカビ?!

歯ぐきや舌、上あごなどお口の中の粘膜に
白い苔状のものがみられることがあります。
粘膜などに白い苔状や斑紋状のものがみられる病気はいろいろとありますが、
その一つにカンジダ・アルビカンスというカビ(真菌)によっておこる
口腔カンジダ症があります。

急性型(偽膜性カンジダ症)は白い苔状のものを拭い取ることができます。
慢性型(肥厚性カンジダ症)は拭い取ることが難しく、上皮が厚くなります。
白い苔状のものがみられない、萎縮性や紅斑性カンジダ症は
舌にある乳頭が萎縮したり、粘膜に紅い斑点がみられるのが特徴で、
ヒリヒリとした痛みを伴うことがあります。

カンジダ菌はお口の中の常在菌ですが、服薬の影響や免疫力の低下、
唾液分泌量の減少等で、口腔内フローラのバランスが崩れて
カンジダ菌が増殖すると、口腔カンジダ症が発症します。
不衛生な入れ歯の使用でもカンジダ症になる場合があります。

カンジダ症になってしまったら口腔内を清潔にして、
抗真菌薬でうがいをします。
お薬を飲む必要がある場合もありますので、早めの受診をお勧めします。

▼口腔外科相談室<口腔内のトラブル>
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h073j5r0tt1q10jc0nDig

アスパラガス

グリーンアスパラガスは日光に当たって育ったもの、
ホワイトアスパラガスは軟白栽培されたもので、
育ち方が違うだけです。

アスパラガスの穂先にはアスパラギン酸が多く含まれます。
アスパラギン酸といえば疲労回復ですよね。
年度末の忙しさ、アスパラガスを食べて乗り切りましょう!!

ただし、アスパラギン酸は熱に弱いので、調理の際は加熱しすぎないように
さっと茹でたり炒めたり、で召し上がって下さいね。

健康寿命、ますます長く 男72・14歳、女74・79歳 平均寿命との差も縮小

厚生労働省は9日、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年は男性72・14歳、女性74・79歳だったと公表した。前回調査の13年(男性71・19歳、女性74・21歳)から男性は0・95歳、女性は0・58歳延び、元気に過ごせる期間は、ますます長くなった。

 健康寿命は3年ごとの数値が発表されている。厚労省は「健康で長生きが理想」として、平均寿命との差をできるだけ短くすることを目指している。16年の平均寿命との差は男性8・84歳、女性12・35歳で、縮小傾向が続いている。

 厚労省の担当者は「健康のためには栄養管理や運動習慣が大切との啓発を進めてきており、意識が高まった結果ではないか」と分析している。

 都道府県別で健康寿命が最も長いのは、男性が山梨県の73・21歳、女性は愛知県の76・32歳。最も短いのは男性が秋田県の71・21歳、女性が広島県の73・62歳だった。16年4月の熊本地震の影響で、熊本県分のデータは算出していない。

 都道府県での格差は、男性2・00歳、女性2・70歳で、10年時点(男性2・79歳、女性2・95歳)から小さくなった。

 同省の担当者は「山梨はがん検診の受診率が高く、愛知は健康づくりを推進するための市民ボランティアを養成している」と上位県の取り組みを紹介した。

 厚労省は、13年度からの10年間の健康づくり計画「健康日本21(第2次)」で、健康寿命を延ばすことを目指し、生活習慣病の死亡率低減や、喫煙・飲酒に関する数値目標も設定。専門委員会で進捗(しんちょく)状況を確認しており、16年の健康寿命は9日の会議で報告された。

 ※健康寿命

 一生のうち、寝たきりで介護が必要な状態になるなど、健康上の理由で日常生活が制限されることがない期間。3年ごとの国民生活基礎調査で「不健康」とした人の性別や年齢別の割合、人口や死亡数などから算出している。厚生労働省が2012年に10年時点の数字を公表し、健康増進施策を進める上での指標の一つとしている。

認知症患者、再入院1.5倍~機能低下などで

高齢で認知症を患っていると、退院して間もなく同じ病気やけがで再入院するリスクが約1.5倍に高まるとする調査結果を医療経済研究機構や国立がん研究センターなどのチームが発表、米国老年医学会雑誌電子版に20日掲載された。

 約180万人のデータを分析した国内初の研究で、日常生活の自立度や薬剤の種類から認知症の有無を推定し、認知症を患う27万人と認知症ではない156万人で、退院後30日以内に再入院した割合を比べた。

 股関節の骨折や脳梗塞(こうそく)、肺炎などでの再入院が目立ち、入院による身体機能の低下や退院後の服薬の難しさが原因とみられる。

(YOMIURI ONLINE 2月21日 )

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