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「傷に唾」の証左判明?!

「そのくらいの傷なら唾を塗っておけば治る」は本当だった?!ヒトの唾液に多く含まれるペプチドであるヒスタチン1やヒトの唾液をニワトリやヒトの培養細胞に添加すると、内皮細胞の接着や遊走、血管新生を促進するとの実験結果が報告された。米国実験生物学会連合がFASEB Journalの掲載論文を紹介した。

 口腔内の創傷の治癒が他の部位に比べ、早いことが知られており、唾液が創傷治癒メカニズムの一部を担うと推定されてきたが、詳しい機序は分かっていない。

 研究グループは今回、ニワトリやヒトの培養細胞を用いた実験で、唾液に含まれるヒスタチン1や唾液が内皮細胞の接着や血管新生の促進など創傷治癒に関わる作用を持つことを証明した。FASEB Journal編集長は「この検討により創傷治療がさらに進化するかもしれない」と評価。「動物や子供が傷を舐める行為に潜む意義を思い出させてくれた」と述べている。

「8020健康長寿社会」実現

平成28年歯科疾患実態調査(平成28年10~11月実施)の結果(概要)が6月2日(金)、厚労省より公表され、8020を達成した者の割合は前回調査の40.2%から11.0ポイント増の51.2%と、初めて50%を超えた(75~84歳の8020達成者の割合から推計)。

「歯科保健医療充実に取り組むべき」

日歯は5月25日(木)、第18回理事会終了後に定例記者会見を歯科医師会館で開催し、第8回経済財政諮問会議(5/23)において民間議員から「歯科保健医療の充実を図るべき」との提言されたことを報告した。その後、政府は6月9日(金)、来年度の予算編成に向けた「経済財政運営と改革の基本方針2017(骨太方針)」を閣議決定し、社会保障分野に「生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」との文言が明記された。
                        日歯広報 2017.6.15 1687号

失ってから後悔したものの1位は「歯」。歯並びと残存歯数の関係も明らかに

『アライン・テクノロジー・ジャパン』が60代以上男女400名を対象に行ったアンケート調査によると、シニア世代が自身のデンタルケアを省みた際に後悔をしている人が多いことがわかった。自身の体にちて、「変化してほしくなかったこと」や「失って後悔していること」を聞いたところ、歯と回答した人が61,3%。髪や体型をおさえて最も多い結果に。その理由として、「歯を失って食べ物がおいしくなくなったから」、「歯茎に物が挟まるようになった」、「硬いものが食べにくくなった」、「滑舌が悪くなった」などの回答が挙がった。加齢による歯の衰えを感じた年齢については、平均で57.1歳という結果に。また、現在残っている歯の本数について聞いたところ、歯並びが良い方だと回答した人の平均が21.9本、悪い方だと回答した人の平均が19.6本と、歯並びが良い人の方が歯の残存数が2本以上も多かった。 

薬用歯みがきのフッ化物配合濃度の上昇、1000ppmから1500ppmへの拡大が決定。

厚労省の歯科疾患実態調査によると、1987年より25年間、1987年より25年間、20~40代の成人1人あたりのむし歯の本数は減少している一方、むし歯を1本でも経験してことがある人の割合は以前として95%を超えたまま推移している。むし歯予防に最も有効な方法の一つとしてフッ素の活用がある。フッ素には、歯垢の細菌の活動を抑え酸が作られるのを抑制したり、溶けたエナメル質を修復する、歯質を強化するなど、むし歯を防ぐ様々な効果がある。予防歯科先進国のスウェーデンをはじめとした欧米では、歯みがきなどに配合するフッ素の配合濃度を国際基準である1500ppmを採用しているが、日本ではこれまで1000ppmが上限とされていた。そんな中、厚労省がフッ化物配合の薬用歯みがき類について、国際基準と同様、1500ppmを上限として商品を医薬部外品として承認した。

「食方箋」をテーマにした新発想。世界初の医学会が監修したレストラン。

 心身の健康のベースとなり、病気予防の第一歩ともいわれるほど正しい食事が重要だ。最近ますます日々の食事の重要性が高まっている。そんな中、5月29日、東京・神谷町に国際オーソモレキュラー医学会が監修するレストラン『医学会キッチンオーソモレキュラー』がオープンした。学会に所属し活動する約700名の日本の医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士たちの中から季節ごとに約10名が各々の研究に基づき、健康寿命長寿、ダイエット、アンチエイチングなどの効果を訴求したメニューのレシピを作成。クリニックでは伝えきれない食を通しての健康へのアプローチをする。また、食材に対する正しい理解と活用方法を学ぶ場として、効率の良い食べ方、調理方法なども提案。さらに、様々な注目食材も紹介する。
 今後は、「健康長寿を目指す」、「アンチエイチング」、「仕事のパフォーマンスを上げる食事」など、テーマごとにドクターによるセミナーと食事会を企画しており、科学的根拠に基づいた中立的な食の情報提供を行っていくという。医師たちが提案する新たな外食スタイルに注目したい。

ちょっと気になる!≪八重歯って?≫

お口からニョキッと見える八重歯。
吸血鬼の牙のようですが、チャームポイントとして人気もあり、
数年前から「付け八重歯」をする方も増えているようです。

八重歯は上の歯の前から3番目の歯、いわゆる「犬歯」が
歯列からはみ出して生えてしまった状態を指すのが一般的です。
原因はいろいろありますが、遺伝もそのひとつ。
直接的というよりは、顎や歯の大きさの遺伝により、
乳歯から生え変わる時期に永久歯が収まりきらずに
はみ出しまって、八重歯になります。

犬歯は生える順番が遅いので、八重歯になりやすく、
下の歯と噛み合わないため擦れることがなく、
牙のように尖ったままになります。

磨き残しが多くなりがちな八重歯は、
むし歯、歯周病、口臭のリスクが高くなります。
検診の際にはよくチェックしてもらいましょう。

ちなみ・・八重歯はもともと弥重歯と書いていたという説もあります。
「弥」には“ますます”や“いよいよ”など、
後ろの言葉を強調する言葉のようですが、
そのうちに今の八重という字になったようです。
重なる歯で八重歯・・ぴったりと合っているような気がします。

男性より女性の方が口臭に敏感。口臭ケアに熱心なのも女性。

『株式会社プラネット』が行った口臭ケアの意識調査によると、自分の口臭が気になる人は74%、「異性の口臭」が気になる人は79.2%、「同性の口臭」が気になる人は80.6%おり、7割から8割という高い比率で口臭が気になる人がいることがわかった。さらに年代別にみると、20代で他人の口臭が気になる人が最も少なく、男性では40、50代をピークに山なりを描くように推移している。
 これに対し女性は、30代以降で年代による顕著な変動は見られない。男性は加齢につれて自分や他人の口臭も気にならなくなるようだが、女性は年齢に関わらず他人の口臭を気にする人が多いと言えそうだ。また、どんな口臭ケアをしているかを聞いたところ、1位は「歯を磨く」で71.5%、2位は「口の中を水でゆすぐ」で51.3%と基本のケアをしている人が多いよう。男女の違いに注目すると、女性は男性に比べ「デンタルフロスや歯間ブラシで歯を清掃する」が10%を超え、男性は女性に比べ「コーヒーを飲む」や「楊枝で歯間を清掃する」という、ややその場しのぎのような方法が多かった。男性より女性の方が口臭に対して敏感なことを反映した結果と言えそうだ。

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