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たん吸引不十分ケア児死亡 岩手医大病院で医療事故

岩手医大病院(岩手県矢巾町)は30日、重い障害で体をほとんど動かせない10代男性が小児病棟に入院中の昨年10月、たんの吸引が不十分だったため窒息し、低酸素血症で死亡する医療事故が起きたと発表した。付き添いの母親が不在時に発生し、病院は吸引などの介助が日常的に必要な「医療的ケア児」に対する理解不足などが背景にあったと説明した。

 外部有識者を含む医療事故調査委員会の報告書によると、男性は昨年10月16日、発熱のため入院。同18日、母親はケアの内容や注意点を書いたメモを病院スタッフに渡して一時帰宅した。翌19日に男性の酸素飽和度が下がったため、看護師が酸素投与を増やし、口や鼻からたんを吸引したが、呼吸のため喉に開けた「永久気管孔」からは吸引していなかった。この看護師が別の患者を処置しているうちに男性は心肺停止となり同日死亡した。

 調査委は、病院に対して医療ケアに関する教育や、付き添い家族との情報共有が不足していたと指摘し、改善を求めた。

障害者、マイナ保険証苦慮 取得に困難、周囲は懸念 健常者想定の機器で負担増

保険証廃止を12月2日に控え、デジタル対応を求められた障害者から憤りの声が上がっている。健常者を想定した機器への対応は困難で、前提となるマイナンバーカード取得にも苦慮する。政府は「誰一人取り残されない」デジタル化を掲げるが、手厚い対応は期待できず、患者から法曹界まで幅広く反発。障害者の家族や医療機関も負担増を懸念している。

 ▽覚えられず

 「保険証を残す、この一点しかない」。6月16日、障害者や医療関係者らの29団体でつくる「『保険証をのこして』ネットワークふくおか」が福岡市で集会を開いた。

 約140人の参加者を前に「軽度外傷性脳損傷患者・家族会」の山下(やました)いづみ代表は、高次脳機能障害がある患者は「記憶障害でIDやパスワードを覚えられない」と指摘。マイナンバーカードの利用は困難で、現行保険証の存続を訴えた。

 同様の集会は神奈川や京都、沖縄など他府県でも行われている。また、昨年11月には日弁連が意見書を総務省やデジタル庁などに提出。同12月には全国保険医団体連合会が抗議声明を出した。

 ▽作らない

 脳性まひで車いすを利用する埼玉県熊谷市の山崎和子(やまざき・かずこ)さん(68)は数年前、マイナカード申請の際、車いすのヘッドレストが写り込んだ顔写真は不適切として、証明写真用の椅子に座り、再撮影するよう求められた。

 しかし、脳性まひで首から下は自由に動かせないため、普通の椅子では姿勢を維持できず、倒れてしまう。何度説明しても聞き入れられず「障害者差別だ。私は作らない」と決めた。

 障害者団体などでつくる「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」(東京)によると、マイナ保険証の利用に対しても、脳性まひなどで体が勝手に動いてしまう不随意運動のため「首が震えて顔認証機能が使えない」「視覚障害で暗証番号を入力できない」などと、不満を訴える声が多数寄せられている。

溶連菌で妊産婦5人死亡 劇症型、昨夏以降

 突発的に発症し、致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」にかかって死亡した妊産婦が、2023年7月~24年3月に5人いたことが、日本産婦人科医会の調査で27日までに分かった。今年は全体の感染者数も過去最多を更新。妊婦が感染すると早産や死産にもつながるため、医会はマスク着用や手洗いなど基本的な対策を呼びかけている。

 溶血性レンサ球菌(溶連菌)は感染すると発熱やのどの痛みなどを引き起こし、まれに急速に進行し劇症型となる。医会によると、10年1月~20年3月は妊産婦の死亡者が計22人だったが、新型コロナウイルス禍の20年4月~23年6月は死者0人だった。翌月以降増え始め、9カ月で5人となった。新型コロナの感染状況が落ち着き、対策が緩和した影響とみられる。

 国立感染症研究所によると、劇症型溶連菌の今年の感染者数は7月14日までに1217人が報告。過去最多だった昨年の941人を既に上回っている。劇症型になるメカニズムはよく分かっていない。通常は手足などの傷口から感染するケースが目立つが、妊産婦の場合、鼻やのどからの感染例が多いという。

人食いバクテリア:致死率3割以上 人食いバクテリア 患者急増、過去最多 半年で昨年上回る 基本的な感染防止対策を

人食いバクテリア:致死率3割以上 人食いバクテリア 患者急増、過去最多 半年で昨年上回る 基本的な感染防止対策を /京都

 致死率が3割以上と極めて高く、「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」の患者数が今年、府内で過去にないペースで増えている。府によると、1~6月の患者者は22人で、過去最多だった2022年の16人を半年で上回った。府が注意を呼び掛けている。【久保聡】

 ◇府内1~6月22人

 府感染症情報センターによると、通常はレンサ球菌に感染しても無症状の人が多く、大半は咽頭(いんとう)炎や皮膚の感染症にとどまる。だが、まれに、細菌が存在しない血液や筋肉、脳脊髄(せきずい)液などにレンサ球菌が入るなどし、急激に症状が進行。重篤な疾患となることがあり、これがSTSSと呼ばれる。

 初期症状は喉の痛みや発熱、手足の痛みや腫れ、全身倦怠(けんたい)感、血圧低下など。病状の進行が非常に急激で、発病後数十時間以内に手足の壊死(えし)や多臓器不全を起こし、ショック状態から亡くなる人も少なくない。

 同センターによると、過去の6月末時点でのSTSSの府内の患者数は、23年6人▽22年8人▽21年7人▽20年7人――など。1年間の患者数は23年が14人、22年が最多の16人だったが、今年は6月末までで22人に上り、既に過去最多となっている。さらに7月も既に4人の患者が報告されている。

 STSSは中高年以上の患者が多く、府内の過去10年の患者は40代以上で全体の約95%を占める。ただ、24年は6月末までの22人のうち、20人は40代以上だが、10代が1人、10歳未満が1人いる。10代以下の患者の報告は珍しい。

日本宇宙歯学研究会:宇宙歯学初総会 「楽しい研究に」 愛知学院大で /愛知

宇宙環境が口腔(こうくう)内に及ぼす影響などを研究する「日本宇宙歯学研究会」の初の総会が名古屋市千種区の愛知学院大楠元キャンパスであった。

 研究会では、宇宙での長期滞在者や、民間人の宇宙旅行者が現れる中、宇宙空間が口腔細菌に及ぼす影響や、低重力が口腔周辺の筋肉に与える影響などを各地の歯科大などが参加して共同で進める。

 総会には全国の歯科大学関係者らが会場とオンラインで集合。同大大学院歯学研究科長で研究会代表理事の前田初彦教授が、「わくわく楽しい研究にしたい」と意気込んだ。今後の研究について「各大学の特色を持った研究をしてほしい。宇宙での生活をより快適にするだけでなく、地球上の歯科医療技術も革新したい」と述べた。

 総会後、JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士健康管理グループの樋口勝嗣主任医長が講演した。国際宇宙ステーションで歯科問題が発生した場合、クルーだけで対応できるよう訓練を受けているという。今後の月・火星探査ミッションは長期にわたるとして、「歯科の予防措置を長期に講じる技術が必要だ」と話した。

新型コロナ感染者、9週連続増 夏休み前に県が警戒 新変異株「KP.3」確認 /福岡

A群溶連菌の咽頭炎、手足口病も

 県内で新型コロナウイルスの新変異株「KP・3」が確認されるなど感染者が9週連続で増加している。県や県医師会は、外出や人との交流の機会が増える夏休みを念頭に注意を呼びかけている。

 県は18日、8~14日のコロナの新規感染者数は定点医療機関当たり今年最多の14・92人となり、前週比で1・32倍になったと発表した。県によると、4月下旬にKP・3が1件確認されて以降、徐々にその割合が増えているという。

 17日に定例記者会見をした県医師会も県内のコロナの状況について「大きな流行が始まろうとしている」と指摘。同会によると、コロナ疑いでの外来受診が増える中、発熱を事前連絡せずに来院したり、マスクをしない患者がいたりするため、現場が困惑するケースが出ているという。

 瀬戸裕司専務理事は会見で「受診控えなどもみられるため、具合が悪い時は自己判断せずに受診してほしい」と話した。

 一方、県によると、A群溶連菌の咽頭(いんとう)炎、手足口病も警報レベルが続くなど感染者数が高止まりしているという。県保健医療介護部の佐野正医監は「夏休みは大人数で集まったり、海外旅行に行ったりする機会が増える。手洗いや手指消毒、適切なマスク着用などを心がけてほしい」と呼びかけた。

歯科用レジンセメントの取り残しが歯周組織の炎症を引き起こす機序を解明。

セラミック治療の接着剤として使われる歯科用セメントの取り残しが歯周組織の炎症を引き起こすことがしばしば問題になっている。今回、東北大学大学院歯学研究科次世代歯科材料工学講座の近藤威助教および江草宏教授らの研究グループが、取り残したセメントが歯周組織の炎症を引き起こすメカニズムを解明した。

歯周炎治療で心房細動の再発を抑制。医科歯科連携診療の重要性が高まる。

罹患すると、脳梗塞、心不全、認知症の発症リスクが上昇し、健康寿命は著しく損なわれる心房細動。診療においては、高血圧、糖尿病、肥満、飲酒などの修正可能な危険因子を同定し、多職種が連携して是正することが重要だが、現在のところ、歯周炎はその危険因子に位置付けられていない。
 しかし今回、広島大学の医科歯科連携チームが、心房細動に対するカテーテル治療を受ける患者を対象とした研究で、歯周炎の定量化指標である歯周炎症面積が術後の心房細動の再発に関連すること明らかにした。

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