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省エネ性能を競うランキング「Green500」の最新版が発表されました。

 ドイツ・フランクフルト市で開かれたスーパーコンピューターに関する国際
会議で省エネ性能を競うランキング「Green500」の最新版が発表され、1位から
4位までを日本勢が独占しました。
 1位は東京工業大学の新型スパコン「TSUBAME3.0」で処理速度は1ワット当た
り14.11ギガフロップス(フロップスは1秒間で何回浮動小数点の演算ができる
かという性能指標)。2位はヤフーの「kukai」(開発はPEZYグループのExascaler)
で、1ワット当たり14.045ギガフロップス。いずれも、前回米NVIDIAの「DGX
SATURNV」が達成した1ワット当たり9.46ギガフロップスの約1.5倍に相当する
ものです。
 3位にはNECが手掛けた産業技術総合研究所 人工知能研究センターの「AIST
Artificial Intelligence Cloud(AAIC)」、4位には理化学研究所の革新知能
統合研究センター(AIP)に富士通が納入した「RAIDEN GPUシステム」が続きま
した。
 「TSUBAME3.0」は、外気に近い温度の冷却水を使って直接冷却するなどして
高い省エネ性を実現したのが特徴。「kukai」は、一般的な空冷ではなく、電気
を通さない特殊な液体に、直接ハードウエアを漬け込む「液浸」手法を採用し
て冷却効率を向上させています。
 なお、同時に発表されたスーパーコンピューターの演算性能ランキング「TOP
500」の上位は、米国、スイス、中国が占め、「TSUBAME3.0」は61位、「kukai」
は465位でしたが、地球環境の保護が重視される時代だけに、早さよりも省エネ
性能の高さで日本の存在感を世界に示しました。

がん患者に最適な薬見極め- 北海道、遺伝子検査容易に-

北海道がんセンター(札幌市白石区)は14日、患者のがん細胞の遺伝子を解析し、最適な治療薬を見極める最先端の「網羅的がん遺伝子検査」を始めると発表した。15日から予約を受け付け、7月4日に開設する「がん遺伝子外来」で患者を受け入れる。

同センターによると、京都大病院(京都市左京区)などが同様の検査をしているが、手術や抗がん剤服用、放射線治療などを終えた後でないと検査を受けられないケースがあったという。同センターでは医療機関でがんと診断されていれば検査でき、この方式を他の医療機関に広めたい考え。 (メディファクスより)

終末期、緩和ケア重視 積極治療から転換、学会で相次ぐ

終末期や老衰の患者への積極的な治療を控えることに言及した指針や提言を、亡くなる人が多い肺炎や心不全の専門学会が相次いで発表している。患者本人の意思や生活の質(QOL)を重視する考えの浸透や、高齢化が背景にある。ただ、助かる見込みがないかどうかの判断は高齢者では難しいことが多く、助かる人に必要な治療がされないことへの懸念も聞かれる。

 日本呼吸器学会は4月に肺炎の新たな診療指針を発表した。老衰状態の患者などには、肺炎治療の基本となる抗菌薬(抗生物質)を積極的に使うよりも、苦しみを取る緩和医療を優先する選択肢を新たに加えた。

 肺炎はがん、心不全を含む心疾患に次いで日本人の死因の第3位。基本的に抗菌薬で治るが、老衰やがんなどの病気が末期で、誤嚥(ごえん)性肺炎になりやすい状態の人は、腎障害などの副作用が高い頻度で現れたり、再発を繰り返したりする。

 指針では、介護を必要とする高齢者などの場合、誤嚥性肺炎を繰り返すリスクや、持病が末期ではないかをまず判断し、該当すれば「個人の意思やQOLを考慮した治療・ケア」を選ぶことにした。指針の作成委員長の河野茂・長崎大副学長は「抗菌薬で治らない状態の人にも最大限に治療するのが従来の考えだが、かえって患者を苦しませる恐れがあった」と話す。

 日本心不全学会も昨秋まとめた提言で、75歳以上の慢性心不全を「がんと同様に死に至る悪性病態」と強調。終末期には入院して強心剤を使い続ける治療を見直し、患者の意思決定の支援や緩和ケアを中心とする指針を盛り込んだ。

口腔ケアセミナーイン札幌

ビーンスターク主催のセミナーが7月2日開催されます。
①口腔ケアの基本知識と実際  岡田先生
②誤嚥を予防するポジショニングと食事・口腔ケア 迫田先生
日時:7月2日
会場:共催ホール

米国での誤嚥性肺炎による入院は減少傾向

 2002~2012年の間に米国での誤嚥性肺炎による入院数が低下したことが、「Annals of the American Thoracic Society」6月1日号に掲載の研究で報告された。

 この研究は、米ヤコビ医療センター(ニューヨーク市)のChao-Ping Wu氏らが、2002~2012年の米国内における誤嚥性肺炎の傾向を報告したもの。同氏らは全米入院患者標本データベースを用い、誤嚥性肺炎のため入院した患者406,798例のデータを対象とし、発生数、院内死亡率、入院期間、および総入院費用の傾向を調査した。

 患者の20.7%は65歳未満、79.3%は65歳以上であった。1万人あたりの誤嚥性肺炎の全発生数は、2002年の8.2例から2012年には7.1例へと低下し、院内死亡率は18.6%から9.8%へと低下した。65歳以上の患者での1万人あたりの発生数は40.7例から30.9例へ、院内死亡率は20.7%から11.3%へと低下した。総入院費用の中央値は、65歳未満、65歳以上の両群ともで上昇した。65歳以上であること、非教育病院での治療は、院内死亡の独立した予測因子であった。

 「高齢化する米国人集団において、地域社会で誤嚥性肺炎の予防戦略を実施する必要がある」と、著者らは結論している。

旭川地区在宅ケアを育む会 学術講演会

ファイル 4599-1.pdf

6月28日上記講演会が開催されます。是非ご参加ください。

北海道障害者歯科臨床研究会からのお知らせ

ファイル 4598-1.pdf

朝日大学 玄教授の講演が7月1日に開催されます。詳細は、参照を参考にしてください。

歯周病菌のAD様病態誘発原因酵素発見

九州大学は6月22日、歯周病原因菌のジンジバリス菌(Pg菌)の菌体成分リポ多糖(LPS)を全身に慢性投与することにより誘発されるアルツハイマー様病態の原因酵素がリソソーム酵素「カテプシンB」であることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院歯学研究院の武洲准教授と中西博教授らの研究グループによるもの。研究成果は「Brain, Behavior, Immunity」に掲載されている。

 近年、重度歯周病の罹患と認知機能低下との相関性が報告され、アルツハイマー病患者の脳内でPg菌LPSが検出されていた。このため、Pg菌が脳炎症を引き起こし、認知症の悪化を招くと考えられているが、詳細なメカニズムはわかっていない。

 研究グループは、若年・中年の野性型マウスと、炎症反応に関与することが知られているカテプシンBの欠損マウスを用い、全身投与したPg菌LPSが学習行動や脳炎症に及ぼす影響を解析した。その結果、Pg菌LPSを全身に慢性投与した中年マウスでは、ミクログリア活性化による脳炎症、アミロイドβ(Aβ)のニューロンにおける産生・蓄積ならびに学習・記憶能力低下などアルツハイマー様病態を発症することが判明。若齢マウスでは、このようなアルツハイマー様病態を示さなかったという。さらに、遺伝子欠損マウスを用い、カテプシンBがPg菌LPSの全身への慢性投与により誘発されるアルツハイマー様病態に関与する原因酵素であることも明らかになったという。

 今回の研究により、カテプシンBは、歯周病から脳への炎症シグナル伝達に関与していることが明らかとなった。歯周病の予防治療に加え、カテプシンB特異的阻害剤は歯周病によるアルツハイマー病の発症と症状悪化を阻む可能性があり、経口投与可能なカテプシンB特異的阻害剤の開発が期待される、と研究グループは述べている。

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