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75歳以上「老老介護」初の3割超え…同居世帯

高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が広がる中、要介護者と、同居する介護者の年齢がともに75歳以上の割合は、前回調査(2013年)に比べて1・2ポイント増の30・2%になり、初めて3割を超えて過去最高を更新したことが、厚生労働省が2016年に実施した国民生活基礎調査の結果、明らかになった。

 統計を取り始めた01年に比べると11・5ポイント増えており、介護者の高齢化が一層進んで深刻な状況になっている。

 調査は医療や福祉、年金、所得など国民生活の基礎データを全国的に集めて分析するもので、1986年から毎年実施。今回は3年に1度の大規模なもので、介護や世帯、貧困の状況について質問項目や分析対象を増やした。調査対象は質問項目によって異なり、介護は約7000人、世帯は約22万世帯から回答を得た。

サ高住事故、道内147件8人死亡 15年度 転倒、誤飲多く

道内のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の施設内で、2015年度に転倒や誤飲など、少なくとも147件の事故が起こり、8人が死亡していたとの報告が道や札幌市などにあったことが分かった。サ高住は安否確認を義務づけられているが、介護を目的とした施設ではない。しかし、入居者全体の2~3割は中重度の要介護者が入居するミスマッチが起きており、対策が求められそうだ。

 政令市の札幌市、中核市の旭川、函館両市、それ以外の道内市町村を管轄する道に北海道新聞が取材し、直近データがそろう15年度時点の道内382施設からの事故報告を集計した。

 事故は、転倒による骨折や打撲、食べ物を喉に詰まらせる―など。死亡した8人のうち7人は要介護か要支援の認定を受けていた。

 稚内市では、要介護3の入居者が自室で転倒し、後頭部を打って失血死した。職員は午前1時に巡回で寝ているのを確認したが、その後は部屋が施錠され、同6時半まで異常に気付かなかったという。胆振管内白老町では、要支援2の入居者が施設内の浴室で溺死した。夕食に訪れないため、捜しに来た職員が見つけた。

 11年の制度設立当初、サ高住は「要介護度の高くない高齢者の安心住居」という位置付けだった。しかし各自治体や道によると、昨年度の要介護3以上の入居者は、札幌市が15%、旭川市が21%。函館市は食事を提供している施設のみの調査で33%だった。3市を除く道内では、要介護3以上は18%、要介護2以下を含む要介護・要支援者の割合は86%に上った。

医療事故、頻発医師27人、日医が指導・勧告 13~16年度

 日本医師会(日医)が、医療ミスや不適切な医療行為を繰り返していたとして、2013~16年度の4年間で医師27人に再発防止を指導・勧告していたことが、25日分かった。日医会員が医療事故に備えて加入する保険の支払い請求が多いケースについて、治療経過などを調べて判定した。民事裁判などでも被害者が異なるミスの繰り返しが表面化することは少なく、実態の一端が初めて浮かんだ。【熊谷豪】

 ミスを繰り返す医師は「リピーター」と呼ばれ、重大な医療事故が相次いだ1999年ごろからたびたび問題視されてきた。昨年12月には、愛媛県内の産婦人科医院で05年以降に死亡3件を含む6件の重大事故が起きていたことが発覚し、県が立ち入り検査した。

 だが、リピーター医師を見つけ出す国の仕組みはなく、15年10月に始まった「予期せぬ死亡」を第三者機関に届け出る医療事故調査制度でも、把握できない。

 国内の医師約31万人のうち、約12万人は日医と保険会社が共同で運営する「医師賠償責任保険」に加入している。医療事故で患者や家族への支払い義務が生じた際の保険で、日医は会員医師から請求があれば治療内容や結果を調べ、査定している。

 日医は13年8月から、この仕組みを医師の倫理と資質の向上に活用。弁護士らで作る指導・改善委員会が、医師側に問題がある事故重複例をリピーターと判定している。日医によると15年度までに19人が該当し、25日に開かれた定例代議員会で16年度は8人と報告された。氏名やミスの内容は明らかにしていない。

 対象となった医師は、地元の医師会から、重い順に▽指導▽改善勧告▽厳重注意――のいずれかを受ける。東京都医師会はこれまでに3件の指導をし、幹部が事故の経緯を聞き取った上で、危険性の高い手術を今後行わないと誓約する書面を提出させるなどしたという。

 リピーター医師を巡っては、日本産婦人科医会が04年から独自の事故報告制度を設け、事故を重ねる会員医師らへの指導や研修を課している。

九州スポーツ医歯学研究所 一般社団法人に認定 アスリートの口腔管理推進

マウスガード(MG)の装着でかみ合わせを調整して、体幹やバランス感覚の改善の効果を調べる「九州スポーツ医歯学研究所」(近藤剛史代表理事)が設立3年目を迎え、一般社団法人に認定された。今後は、アスリートや指導者に口腔(こうくう)管理の重要性を広めて、スポーツ歯科についての認定制度などを活用した普及啓発が課題となる。

 研究所は2015年に九州で初めて開設した。各種スポーツ大会の会場で相談ブースを設置してアスリートへの情報提供、大学での講義や研究会での症例研究などでスポーツ歯学の普及や底上げをしている。

 この2年間でサポートする選手も増えており、リオデジャネイロオリンピックのテコンドー日本代表の浜田真由選手や同パラリンピック陸上日本代表の中西麻耶選手の他、野球やモータースポーツ、格闘技など幅広い種目となっている。

 近藤代表理事は「スポーツ歯科チームはアスリートが最大限の力を発揮できるように側面的に支援するのが目的」と強調する。今後の課題として、若い選手へのスポーツ歯科の普及を挙げ、「世界で活躍する選手を育てるには、若い時から口腔管理の意識を持つことが重要。ジュニア世代の指導者に理解を深めてもらう活動をしていきたい」と話した。

 MGは歯を覆うように装着する。競技中のけがの予防の他、かみ合わせを調整して下顎の位置を安定させることでパフォーマンスの向上にもつながるとされる。アスリート用MGは競技の特性やかみ合わせに応じて専門の歯科医院で作るのが望ましい。バランス感覚の改善は、日常生活の動作改善や転倒防止に役立ち、高齢者の介護予防への応用も期待されている。

唾液腺腫瘍患者の生存率に人種差なし

唾液腺腫瘍患者を対象に、併存疾患、人種、社会経済的因子の生存転帰への影響を後ろ向きコホート研究で検証。カプランマイヤー生存曲線およびCox比例ハザードモデルで解析したところ、学歴が高校卒業以下の居住者が多い地区での居住、男性、診断時の高年齢、チャールソン併存疾患指数高値が、5年および10年生存率の有意な低下因子だった(順にP<0.05、0.05、0.001、0.05)。人種は生存の影響因子として特定されなかった。

「健康県」は長野がトップ…15年の県別死亡率

 厚生労働省は14日、人口10万人当たりの年間死亡者数を示す2015年の「年齢調整死亡率」を発表した。

 国民の健康水準の指標として5年ごとに集計されており、男性は10年の前回調査より58ポイント減って486人、女性も同20ポイント減の255人で、いずれも過去最低を更新した。

 年齢調整死亡率は、年齢構成の異なる都道府県間で、住民の死亡状況を比較できるように調整した数値で、健康福祉行政に活用されている。女性の方が平均寿命が長いことなどから、男性の死亡率の方が高い。

 死因別では、がん、心疾患、脳血管疾患の3大死因の死亡率が、男女ともに前回を下回った。

 都道府県別で見ると、全国最低は長野県で男性は434・1人、女性は227・7人。全国最高は青森県で、男性は585・6人、女性は288・4人だった。長野の全国最低は、男性が6回連続、女性が2回連続。一方、青森は前回も男女の死亡率が全国最高で、同省は、「塩辛い食べ物が多い食習慣などが影響しているのではないか」としている。

肺がん死亡率 道内男女が全国1位 高い喫煙率影響か

厚生労働省は14日、2015年の「都道府県別年齢調整死亡率」を発表した。北海道は肺がんによる死亡率で男女とも都道府県別の1位となり、いずれも2位だった10年の前回調査より悪化した。喫煙率の高い道民の生活習慣が影響したとみられる。

 年齢調整死亡率は、地域間や年次間の死亡状況を正確に比較するため、都道府県によってばらつきのある年齢構成を補正した上で、人口10万人当たり何人が死亡したかを算出する。厚労省が国勢調査に合わせて1960年から5年ごとに実施している。

 道内の肺がんによる死亡は男性が前回比2・3人減の47・8人、女性が同0・3人増の14・4人だった。13年の厚労省の国民生活基礎調査によると、道内の喫煙率は27・6%で都道府県別で全国トップ。中でも女性の喫煙率は17・8%で、全国平均より7ポイント以上高い。厚労省は「喫煙が肺がんの死亡率の高さの一因となっている」(人口動態・保健社会統計室)と分析している。

手洗いの効果、水温で違いは?

手洗いをするとき、細菌を殺すために火傷しそうな熱い湯を使う必要はなく、手指の衛生には水温よりも十分な時間をかけることの方が重要だと分かった。この結果は、食品を扱う施設に対して手洗いに38℃の水を使うように推奨する米国食品医薬品局(FDA)のガイドラインとは相反するもの。

 研究を実施した米ラトガース大学(ニュージャージー)のDonald Schaffner氏らは、「快適に手を洗えるようにすることは必要だが、有効性に関する限りでは、水温は問題でないことが示された。冷水を使用すれば温水よりも光熱費を節約できる」と話している。

 今回の研究では、ボランティア20人を対象に6カ月で数回の試験を実施。対象者の手を高濃度の無害な細菌で汚染させた後、15℃、25℃、38℃の水で手を洗ってもらった。

 その結果、有害な細菌などを取り除く効果は冷水でも温水と同程度だった。水温よりも、十分な時間をかけて石鹸で手洗いすることの方が重要であり、10秒以上手を洗えば著明に細菌を除去できることが分かった。石鹸の使用量は結果に影響しなかった。ただし、同氏らは「細菌を除去するのに最適な石鹸の量や種類を正確に決定するためには追加研究が必要」としている。

 Schaffner氏は、「この知見は食品サービス業界に対するFDAのガイドラインに変更を迫るものだ。温度要件を定めるのではなく、快適な水温にすべきだとするだけでよい。不必要に水を熱するのはエネルギーの無駄となる」と述べている。

 研究結果は、「Journal of Food Protection」6月号に掲載された。

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