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乳児の窒息、上咽頭の観察が盲点

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は6月11日、「Injury Alert(傷害速報)」として、木製おもちゃ、水風船、ブドウによる乳児の窒息4症例を報告した。うち2例は脳死に相当する状態となり、1例は死亡している。これらの症例に対し、同委員会は疫学や原因の考察、再発防止の対策などを示し、注意を呼び掛けている。

 今回の症例は、医療機関での対応に重要な示唆を与えている。木製おもちゃ(中心部の直径が3.5cm)の誤嚥症例では、単純X線撮影や気管挿管時に異物が確認できなかった。第4病日に脳の状態を評価するために実施した頭部MRIで、上咽頭に異物があると分かった。木製おもちゃはX線を透過する。委員会は「大きな異物であっても、上咽頭に陥入すれば存在に気付きにくいことがあり得る」と指摘。

 ブドウの誤嚥症例では、気道の完全閉塞が解除された後で陰圧性肺水腫を起こした。閉塞時の呼気で胸腔内に強い陰圧がかかり、静脈環流が増え、肺胞内への漏出液が増えることが原因と考えられている。委員会は「陰圧性肺水腫の頻度は多くないが、1日程度は経過を観察する必要がある」と解説している。

 誤嚥事故発生の防止策としては、小児が誤嚥しやすい物への注意を挙げている。直径39mm以下であれば容易に乳児の口内に入る。食品ではブドウやミニトマトなど、球形で、ある程度の硬さがあり、外表が滑らかなものはリスクが高いため、4分の1以下の大きさに切って与える必要がある。食品以外ではビニール袋や風船での窒息がよく知られているが、特にゴム風船での死亡例が高い。水風船は先端が紡錘状で、気管支に陥入しやすい。小児の気管支径と近似するサイズの商品もある。委員会は、おもちゃの表面に苦み成分を塗布するなどの製品の検討を求めている。

 さらに委員会は、搬送前の対応として、消防本部が1998年に発表した810例のデータを紹介。事故現場にいる人(バイスタンダー)が異物除去を実施した場合、非実施と比較して生存率のオッズ比は3.0で、異物除去が死亡を減少させていた。除去の成功率は6割程度。委員会は、国民に対する一次救命処置の教育に、ハイムリッヒ法や背部叩打法の導入を検討すべきと提言している。

舌根部と下咽頭部の嚥下時圧力は非対称

 健常者12例を対象に、嚥下時に舌根部と下咽頭部で発生する前後左右の圧力パターンを3D高解像度マノメトリーで観察した。反復測定分散分析の結果、舌根部と下咽頭部では圧力が非対称に発生することが確認された。主に圧力の向きが有意に影響することが平均最大圧力発生時点および圧力積分値で確認され(いずれもP<0.001)、後方からの圧力が最も高かった。

飲酒反応「入れ歯安定剤が原因」 医師が無罪主張 静岡地裁

道交法違反(酒気帯び運転)などの罪に問われた医師(47)の論告求刑公判が14日、静岡地裁(肥田薫裁判官)で開かれた。呼気検査でアルコールが検出されたのは入れ歯安定剤が原因か―が主な争点。検察側は懲役1年を求刑し、弁護側は無罪を主張した。被告は2015年、浜松市と静岡市で2回酒気帯び運転で摘発された。弁護側の説明では、いずれも前夜に飲酒し、早朝に入れ歯を装着。車で出勤時に警察官の職務質問を受け、2回とも呼気から基準値を超えるアルコールが検出された。

 これまでの公判で検察側、弁護側双方が実験を行い、いずれも被告が普段使う安定剤で入れ歯装着後に検査をすると、酒を飲まなくても安定剤のアルコール成分が原因で0・25~0・4ミリグラムの数値が出た。

 ただ、検察側実験では装着後20分以内に数値がほぼゼロになった。被告の摘発時の検査は2回とも装着後20分以上経過していたため、検察側は論告で「安定剤は無関係」と指摘した。

 弁護側は「検察側実験で使われた安定剤の量は少なすぎる」などと反論し、時間が経過しても高い数値が出るはずだと訴えた。
2017年3月16日 (木)配信静岡新聞

食べ物で窒息死の子103人 2014年までの5年間 消費者庁が注意喚起

14歳以下の子どもが食べ物を気管に詰まらせ、窒息して死亡した事故が、2014年までの5年間で103人にのぼったことが、消費者庁の分析でわかった。0歳児が49人で全体の半数を占めており、同庁は15日に注意喚起を行った。

 同庁が、自治体が作成する「人口動態調査死亡票」をもとに、窒息死した子どもの死因を分析した。

 詰まらせた食べ物は、マシュマロやゼリー、団子など菓子類が11人と最多だった。ブドウやパンに加え、から揚げやナッツ、そうめんもあった。不明は72人。0歳を含め年齢別の原因については明らかにしなかった。

 日本小児科学会などに寄せられた情報によると、2歳児が直径3センチ大のブドウを丸ごと食べた際、泡を吹いて意識を失った。0歳児が離乳食を詰まらせ、一時意識不明になった事故もあった。3歳児が口を大きく開けたときの大きさは39ミリで、これより小さなものは乳幼児が詰まらせる恐れがあるとされている。豆やミニトマトなど丸くて表面がツルッとしたものは特に注意が必要だ。

 同庁は予防策として、小さく切って食べやすい大きさにする▽ピーナツなどのナッツ類は3歳ごろまで食べさせない▽遊びながら、歩きながらは食べさせない、を呼びかけている。
2017年3月16日 (木)配信朝日新聞

お口が開かない方のケアは?

はお口が少ししか開かない方の場合。
顎関節症等ではないようですが、とにかく少ししか開かないとのこと。
実際に患者様を拝見していないので状態が分からない為
開口させる方法より隙間からでも磨くことの出来る
タフトブラシ(1本ブラシ)をお使いいただくと普通の歯ブラシより
磨きやすいことをご説明しました。
慣れない場合は、ブラシ部分が小さいのできれいにするのに
時間がかかってしまうデメリットがありますが、
ヘッドが小さい分、隙間からでもブラシを入れることが出来ます。
歯科衛生士にはなじみのあるタフトブラシですが、介護の現場では
使われていない所が多く、まだまだ馴染みは薄いようです。

どうしてもケアが困難な方については患者様、介護者様
双方のために訪問の歯科衛生士にお任せくださいとお伝えしていますが、
現場の看護師さん介護士さんの熱意はすごいですね。

CAD/CAM冠って?

CAD/CAM冠はハイブリットセラミックと言われる
審美的材料のブロックをミリングマシンという機械によって
削り出して成形します。歯の形をスキャンしたデータを
コンピューターに入力し成形する為、均一の品質で補綴物を
作成することが可能になりました。
そして26年度の診療報酬改訂により小臼歯部のみにCAD/CAM冠が
保険導入されました。
しかし、このCAD/CAM冠には幾つかの施設基準や材料の定義の他に
健康保険の対象となるには下記のような条件があります。

(1)小臼歯のみが対象
(2)連結冠やブリッジは対象外
(3)一部被覆冠やインレーは対象外(フルジャケット冠のみ対象)
(4)2年以内に同一歯にて保険内補綴物を作成装着していないこと
(5)間接法(印象→模型)にて製作されたもの

など、患者様にお話しするために必要な知識がいるようです。
また、金属アレルギーの患者様は平成28年4月1日より大臼歯も
保険適応対象になりました。(医師の紹介状が必要になります)

CAD/CAM冠のデメリットにはする減りやすく割れやすいので
咬合状態によっては使用不可などがありますが、

(1)従来の硬質レジンジャケット冠に比べ強度に優れる
(2)硬すぎないので対合歯を傷めにくい
(3)保険適用で小臼歯に白い材料が使える
などのメリットもあり、口腔疾患と同時に意識の高まりを感じる
審美性としてのニーズにも応え得ることが大きなメリットだと感じます。
臼歯=銀歯という方程式はなくなりつつあります。
今後も歯科技工に大注目していきたいと思います。

https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g0a6ipr06s6uxw078olN9

口臭と口腔ケア

口臭の原因はさまざまですが、大半は口腔内に原因があります。
口腔内細菌がタンパク質を分解したときに起こるものや、虫歯や歯周病、
食べ物や内臓疾患、精神的なものなど解消するのが簡単なものから
時間がかかるものと対処法もさまざまになります。
口腔内の原因の中では約6割が舌苔が口臭源になります。
この口臭は揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン)で、
歯周病原菌はこのメチルメルカプタンを大量に発生しますので、
強烈な口臭になります。
ニンニクには「アリシン」と呼ばれる成分が含まれ口臭の原因になります。
また、アリル化合物やセレニウム化合物などの
ガスが腸を介して肺から排出されることによります。
アリシンは身体中に吸収される前にポリフェノールと反応させることで
口臭対策に効果があります。

口臭が最も強いのは朝食前です。昼食前も夕食前も強くなりますが、
朝食を抜く人、結構多いのではないでしょうか。朝食を抜く人は
口臭が非常に強くなる可能性が高いので、口臭が気になる方は
飲み物だけではなく、きちんと「噛む」食事を摂ることが予防に繋がります。

砂糖入りのチューイングガムは口臭原因物質を90%以上減少させる作用があり、
シュガーレスチューイングガムは原因物質の減少はなく香料で臭いを隠すことが
主です。ただし唾液の分泌を期待するシュガーレスガムは効果的とされます。
唾液分泌の低下による口腔乾燥にはガムを噛むことは効果が期待されますが、
十分に唾液分泌がある場合、ガムを噛んでも効果は期待できません。

口臭の原因物質、硫化水素は青酸ガスに次ぐ毒ガスで濃度250ppmで1時間以内に
人間は死に至ります。普通の口臭濃度0.3ppmでも気分が悪くなると言われますが
空気に薄められ口臭で気分が悪くなることはまれですが、人体に害はあります。
歯肉を溶かす強い作用もあり歯周病の原因にもなります。
口臭予防原因が何であるかを解明すること必要であるとともに、
舌清掃や唾液分泌促進などの的確な口腔ケアが重要になってきます。

むし歯とむし歯治療

口腔内はおよそpH6.7くらいの中性に保たれており、
7を超えるとアルカリ性、下回ると酸性になります。
そしてpH5.5になると歯が溶け始め、
中性に戻るのには通常40分程度かかってしまいます。

糖を含んだ飲食物を摂取すると
ストレプトコッカスミュータンス菌等が酸を産生し、
口腔内pHが下がり歯質脱灰を起こします。
pH5.5以下が長時間続くと歯牙に穴が開き、むし歯になります。
歯質脱灰を起こしても唾液等により再石灰化が行われ、
口腔内も中性になると、
むし歯になるリスクを下げることに繋がります。

むし歯の原因として
1.ブラッシング不良
2.間食や糖分の多い飲食物の摂取
3.歯質が弱い
4.唾液が少ない
5.唾液の力が弱い
6.むし歯菌が多い
7.補綴物不適合
などが考えられます。

5の唾液の力が弱いというのは、
酸性に傾いた口腔内を中性に戻す緩衝作用が強いか弱いということであり、
生まれ持ったもので変えることは出来ません。
ただ、検査により自分の唾液力を調べることは可能で、
もし弱ければ唾液の分泌量を多くすることで補うようにします。

2の飲食物中の糖分についてですが、長時間糖分を摂取し続けると
唾液が口腔内を中和するのが間に合わなくなり
むし歯になりやすくなるため
ダラダラと食事や間食をするのを改める必要があります。

食生活、生活習慣に気を付けることで防ぐことが出来るむし歯。
しかし、実際にはむし歯のない人の方が少ないのが現状です。
むし歯の原因は細菌です。放置するのは非常に危険です。
正しいブラッシングとそのタイミングに気を付けて
予防することが大切です。

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