記事一覧

歯周病原因菌、食道がんと関連 熊本大

歯周病の原因菌の一つ「フソバクテリウム」と食道がんに関連があることが分かったと、熊本大大学院生命科学研究部の馬場秀夫教授(消化器外科)らが発表した。馬場教授は「フソバクテリウムを詳しく研究すると、がん治療薬の開発につながるのではないか」と話している。

 馬場教授によると、フソバクテリウムは人間の口腔[こうくう]内に常在する細菌の一種。最近の研究で、大腸がんから高頻度で検出されることが分かったため、大腸より口腔に近い食道がんとの関連を調べた。

 熊大で手術した325人の食道がん患者から切除したがん組織を調べたところ、23%にあたる74人からフソバクテリウムを検出。がん周囲の正常な組織では、ほとんど検出されなかった。

 食道がんの影響に着目した5年後の患者の生存率は、フソバクテリウム未検出の患者は75%だったが、検出された患者では59%と低かった。

 また、フソバクテリウムを検出したがんを調べたところ、炎症を引き起こすタンパク質の一種「ケモカイン」に関連する遺伝子が働いていることが判明。馬場教授は、フソバクテリウムがケモカインを介して食道がんの進行に関与したとみている。

 馬場教授は「フソバクテリウムと食道がんの因果関係を完全に確かめたわけではないが、関連が分かった。今後の研究に期待したい」と話している。

アルコールと歯周病

喫煙と歯周病が大変関係深いことは前回お話をしましたが、
同じ嗜好品、アルコールと歯周病はどうでしょう?

様々な研究がなされていて、ラットを使った実験では、
水を摂取させたときに比べて、アルコールは歯を支える骨が著しく吸収し、
歯肉の炎症性細胞の数が多くなっていたといった報告があります。
近年、多くの病気の発症と進行に直接影響することが明らかになってきた
活性酸素がアルコール摂取による歯周病の発症と進行に
関与するのではないかと研究され、結果、アルコールを摂取した
ラットの歯肉で活性酸素が多く作られ、抗酸化力が下がっていたことが
分かったそうです。
▼参考資料
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/f0r7u2v0nq54s85j90tqc

しかし現時点でアルコールと歯周病の直接的な関係は
まだ、はっきりとはしていません。
アルコールを過剰に、また継続的に摂取することにより、
口腔環境の悪化に伴い口腔乾燥や衛生状態の低下が見られ、
それらが一番の原因と考えられます。

またアルコールに含まれる乳酸には肉を柔らかくする作用があります。
歯肉も肉ですので、柔らかくなる可能性があります。

アルコール摂取後はうがいをするなどして口の乾燥を防いだり、
口腔内が酸性に傾かないように気を付けましょう。

ノーベル賞

ボブ・ディラン氏への文学賞の授与が話題になっているノーベル賞。日本人
では東京工業大学の大隅良典栄誉教授が「オートファジーの仕組みの解明」に
よって生理学・医学賞に選ばれました。日本人の受賞は3年連続で25人目(米
国籍を含む)。昨年、一昨年が複数名の受賞だっただけに「今年は一人だけ?」
と贅沢な疑問を感じた人も多かったのではないかと思います。

 もうひとつの大きな表彰の話題は、フランスで最も栄誉ある勲章とされるレ
ジオン・ドヌール勲章をコメディアンで映画監督の北野武氏が受章したことです。
 レジオン・ドヌール勲章はナポレオンが1802年に創設したものですので、
1895年創設されたノーベル賞と比べてはるかに長い歴史があります。
 レジオン・ドヌール勲章は外国人でも、元首、首相、政府の構成員、外交官、
実業家、フランスに来訪した芸術家、その他フランスの利益に貢献した人物に
も授与され、日本人はこれまでにおよそ700人が受章したということです。
 例えば、最高位の「グランクロワ」は皇族の方や初代総理大臣の伊藤博文、
2等の「グラントフィシエ」は元総理大臣の中曽根康弘氏やトヨタ自動車名誉会
長で日本経済団体連合会名誉会長の豊田章一郎氏、3等の「コマンドゥール」は
ソニー創業者の盛田昭夫氏や元東京都知事の舛添要一氏、4等の「オフィシエ」
はトヨタ自動車社長の豊田章男氏や今回の北野武氏、5等の「シュヴァリエ」は
建築家の安藤忠雄氏や宇宙飛行士の向井千秋氏が受章しています。
 北野氏は以前にもフランス芸術文化勲章等を受章しており、いかにフランス
で愛されているかが窺えます。

歯科概算医療費、初の2.8兆円台を評価

日本歯科医師会の堀 憲郎 会長は9月29日、厚生労働省が公表した2015年度の概算医療費動向で、歯科概算医療費が前年度比1.35%増となる2.8兆円だったことについて「2.83兆円で初めて2.8兆円を突破した。超高齢社会の歯科界のあるべき姿に関して、エビデンスをもって国民にアピールしてきたことが理解されてきた」と評価した。

 概算医療費の総額は約41.5兆円で、診療種類別で医科入院16.4兆円(前年度比1.9%増)、医科入院外14.2兆円(3.3%増)、歯科2.8兆円(1.4%増)、調剤7. 9兆円(9.4%増)となった。

 堀 会長は会見で、歯科概算医療費が2.8兆円を超えたことに関して「歯科は01年度から10年間、2.5兆円で横ばいと言わざるを得ない時期が統いた」と振り返り、歯科界全体で危機感を持って必要な対策を取ってきたことが今回の数字に表れたと評価した。 (メディファクス)

食道癌予後不良に腸内・口内細菌関与

熊本大学大学院生命科学研究部の馬場秀夫教授の研究グループは、腸内や口腔内に生息する細菌「フソバクテリウム」が、食道がんの予後の不良に関与することを突き止めた。患者のがん組織を調査し、DNAの解析など行い、同細菌が多く存在すると、炎症性たんぱく質に関連する遺伝子群が変動することが分かった。ヨーグルトや乳酸菌飲料などのプロバイオティクスス(腸内に良い影響を与える微生物)や腸内環境を整える機能性素材を摂取し、腸内細菌叢(フローラ)バランスを改善することが予後を良好に保つ一つの対策として可能性が考えられる。

 研究グループは、熊本大学医学部附属病院で手術を受けた食道がん患者325人の承諾を得て、切除されたがん組織と非がん組織(正常組織)からDNAを抽出。遺伝子の定量を調べられるリアルタイムPCR法を用いて組織内のフソバクテリウムを検出したところ、がん組織からは正常組織よりも有意に多くの同細菌のDNAが検出された。がん組織から同細菌が検出された患者は、325人中74人で、約23%を占めていた。

 がん組織から同細菌が検出された患者と検出されなかった患者の2グループに分け、手術後の生存期間を比較。その結果、同細菌が検出された患者グループは、検出されなかった患者グループに対し、有意に生存期間が短かったことが分かった。

 次に、同細菌陽性と陰性の食道がんから抽出したRNAを用いて、遺伝子解析による遺伝子の変動を調査。同細菌陽性患者では、炎症を促すたんぱく質(炎症性サイトカイン)に関連する一連の遺伝子群が変動していることを確認できたとしている。これらデータを詳細解析すると、「CCL20」や「CXCL7」といった白血球の輸送に関するたんぱく質(ケモカイン)の遺伝子の量が増加していることが分かった。

 今回の研究から口腔常在菌である同細菌がケモカインを介して、食道がんの進展に関与している可能性が示唆された。同細菌は腸内フローラにおいて優位な存在ではないが、大腸がん組織から高頻度で検出され、大腸がんの進展に影響を与えている可能性のあることが報告されている。

 口腔に近い食道のがんでも悪影響にかかわるとみられ、同細菌の詳細な解析と役割を解明することで新たな対応法が探究できる。その一つとして考えられるのが腸内フローラの改善。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉細菌を増やすことが予後の状況改善に導く可能性がある。

 昼休は、訪問歯科診療のため不在です。

医師免許がないのにがん患者らに注射などの医療行為をしたとして、医師法違反などの罪に問われた被告の歯科医師(59)に、東京地裁は28日、懲役2年、執行猶予4年、罰金800万円(求刑懲役2年、罰金1100万円)の判決を言い渡した。

 裁判官は「未承認薬を患者に点滴注射して半年間に1300万円もの報酬を得ており、酌量の余地はない」と指摘した。

 判決によると、2013年9月~14年3月、東京都のメディカルクリニックで37回、がん患者ら男女6人に点滴注射をしたほか、コンサルタント料を支出したように装い、法人所得を11年8月期までの2年間に約1億4400万円圧縮、約4300万円を脱税した。

独自の口腔ケアで誤嚥性肺炎を防ぐ精田紀代美さん 「時の人」

安価な道具を使った歯磨きや舌の掃除、指による頬の内側のマッサージ...。簡単な口腔(こうくう)ケアを考案し、7年前から地元の富山県内の高齢者施設で指導。唾液中の細菌などが引き起こす誤嚥(ごえん)性肺炎を激減させた。

 「口腔の機能を維持すれば、誤嚥性肺炎を防げるとは思ってたけど、こんなに効果があるとは。びっくりした」と笑う。

 独自の技法を編み出したのは、施設に依頼され、入居者のケアを自ら手掛けたのがきっかけ。「あたしたちがたまに行くんじゃ間に合わない。施設のスタッフが誰でもできるようにしないと」。専任を置かず、スタッフ全員が行うよう求める。「同じことばかりやってたら、嫌になるから」

 歯科衛生士として長年、県内各地の保健所に勤務。県庁に異動しデスクワークに就いていたとき、バイク事故に遭った長男が「やるべきことをやってないから、死ねんかった」とつぶやくのを聞いた。「あたしもやるべきことやってるか。現場に行かんならん」。退職して「人の口をきれいにする仕事」を始めた。

 簡単な口腔ケアを広めるため、全国各地で講座を開き、資格認定にも乗り出した。漫談風にケアを解説する「爆笑ライブ」の舞台にも立つ。

 精力的な活動のエネルギー源は、歯科衛生士の職能を確立したいとの思いだ。「治療を担う歯科医師の補助ではなく、予防の専門家として認めてほしい。そうなれば質も良くなる」

 富山市で夫と2人暮らしの66歳。ストレス解消策は庭の草むしりという。

旭川日赤第15回症例検討会

ファイル 4430-1.pdf
ファイル 4430-2.pdf

平成28年10月25日(火)添付ファイルにて症例検討会が開催されます。

過去ログ