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紙おむつ異食、遺族と和解 都立病院で認知症女性死亡

東京都立病院で認知症の女性=当時(76)=が、紙おむつを口にして死亡したのは病院の責任だとして、長女が都に約2500万円の損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁(矢尾和子(やお・かずこ)裁判長)で8日までに和解が成立した。都が責任を認めて解決金を支払うなどの内容。和解は2月17日付。

 訴えによると、女性はアルツハイマー型認知症で2007年から世田谷区の病院に入院。たびたび紙おむつを口にし、10年3月に気道が詰まって低酸素脳症となり、15年1月死亡した。

 8日に記者会見した長女は「適切なケアがあれば母は穏やかに人生を歩めたはずだ。医療機関は改善に努めてほしい」と訴えた。都は「患者の個人情報に関わるのでコメントできない」とした。

乳児の生歯と発熱は無関係【米国小児科学会

米国小児科学会(AAP)は2月18日、乳歯の萌出で発熱は起こらないことを明らかにした研究を紹介した。同日、Pediatrics誌の3月号(2月18日刊行)に掲載された。

 生歯期に伴う症状として一般的に発熱などが現れると考えられていたが、同研究では生歯期の症状を特定するために、10研究のメタ解析で検証した。

 その結果、乳歯の萌出時にはイライラする、歯茎の炎症、よだれを垂らす、といった症状が高頻度に認められたが、体温は僅かな上昇が見られた程度で、発熱と認められるケースはほとんどないことが分かった。また、生歯期の症状は、通常生後6-16カ月の前歯や切歯が生えるころをピークに、年齢とともに減少することも確認された。

 研究者らは、小児で38℃を超えるような発熱が認められた場合は、生歯による発熱という思い込みから、治療が必要な感染症などの疾患を見逃す危険性があると注意を促している。

入れ歯で寿命が延び縮み? 歯と口の健康アラカルト

2011年の調査で、80歳で20本以上の歯が残っている「8020」の達成者は38・3%となりました。05年にあった前回調査の24・1%から大きく伸び、大変喜ばしいことです。では残る歯が増えることで、取り外しができる部分入れ歯や総入れ歯(以下入れ歯)を使う人は減っているのでしょうか? 推計によれば、入れ歯を使用する人の割合は減ってきているのですが、高齢者人口増により入れ歯を使う人の総数はまだしばらく増えていくようです。

 そもそも入れ歯は何故必要なのでしょうか? それは多くの歯が無くなると、奥歯なら「噛(か)みにくい」、前歯なら「見た目が悪い」「しゃべりづらい」などの不便さが生じるためです。失われた機能や形を回復し、残りの歯を守る意味でも歯を補う必要があり、保険治療では入れ歯が選択される場合が多いのです。

 では、不便がなければ入れ歯は必要ないのでしょうか? 現在世界中で歯の数と寿命との関係について研究が行われています。その結果、研究により差はあるものの、歯があるほど寿命が延びることが分かってきました。さらに別の研究では、歯が少なくても入れ歯で補うことで寿命を延ばす効果があることがわかりました。入れ歯ってすごいですね。

 しかし、入れ歯が逆効果になることもあります。実際にあった話ですが、介護施設から最近入所された方の歯が動くので診てほしいと依頼がありました。お口の中を見ると、何カ月も外されていない、汚れたままの部分入れ歯が隣の歯と共にグラグラと動いていました。着けたままの入れ歯が汚れをため込み、隣の歯も痛めつけていたのです。

 社会の高齢化が進むと、入院や認知症など様々な理由で自分の入れ歯を管理できない人が増えていきます。汚れた入れ歯を着けたままでいると、誤嚥性(ごえんせい)肺炎になる危険性も高まります。ご家族を介護されている方や、病院、介護関係者には注意して頂きたいものです。(府歯科医師会学術部)

「 ジェンダーギャップ指数 」

スイスのジュネーブに本部がある「世界経済フォーラム(WEF)」は2006
年から毎年、各国の男女間格差を示す「ジェンダーギャップ指数」を発表して
います。昨年の報告は145カ国を対象とし、ランキング1位は7年連続でアイス
ランド。以下、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧の国が上位を
占めます。日本は101位とかなり低位置におり、過去4年間も98位、101位、105
位、104位と低迷が続いています。
 アジアのトップは、女性の管理職の比率が半分に近いフィリピンで7位。G7
(主要7カ国)は、ドイツ11位、フランス15位、イギリス18位、アメリカ28位、
カナダ30位、イタリア41位と、日本以外はすべて50位以内に入っています。

 同指数は女性の地位を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野14項目の
統計データから算出しています。男女それぞれのデータを比較し、0以上のスコ
アで表します。0は男女の格差が最も大きく、スコアが大きくなるほど格差は縮
まり、1は男女格差がない状態、1を超えると女性優位を示します。

 アイスランドの分野別のスコア、順位は、経済= 0.836、5位、教育= 1.000、
1位、健康=0.970、105位、政治= 0.719、1位で、総合スコアは0.881です。
特に政治分野では、1980年、選挙で選ばれた世界初の女性大統領のビグジス・
フィンボガドチル氏が96年に退任するまで4期16年間も務めたこと、女性の首
相が複数誕生していること、国会議員の女性の比率が41%、内閣官僚の女性の
比率が44%と高いことなどが評価されています。

 一方、日本は、経済= 0.611、106位、教育= 0.988、84位、健康= 0.979、
42位、政治= 0.103、104位、総合は0.670、101位という評価です。経済、政
治のスコア、順位が低く、低迷の原因になっています。
 「経済」の個別分野では、「管理職・幹部社員比率」が0.10、116位、「政治」
の個別分野では「国会議員比率」が0.10、116位と特に低くなっています。
 「教育」の個別分野では「識字率」「中等教育(中学校・高校)就学率」が
ともに1.00、1位で男女差がない状態です。ただ、「高等教育(大学など)就
学率」は0.90ながら106位と低位になっています。大学の進学率は男性55%、
女性47%ですが、多くの国では男性より女性が高いため、日本の相対的な評価
を下げる原因になっています。これにより、教育分野全体では84位に留まって
います。
 「健康」の個別分野には「健康年齢」がありますが、男性71.11歳、女性75.
56歳の世界1位の健康寿命(米ワシントン大学などの研究発表)の国だけのこ
とはあり、1.06、1位と善戦をしています。


 昨年の8月に成立した「女性活躍推進法」が、今年の4月から開始となります。
これは、女性が職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活
躍できる環境を整備するためのもので、従業員301人以上の大企業は、(1)自
社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、(2)その課題を解決するのにふさ
わしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、(3)自
社の女性の活躍に関する情報の公表を行わなければならなくなります。女性社
員や女性の登用機会の少ない企業にとってはかなりハードルが高い等の課題が
ありますが、女性の社会的地位、日本の国際的な評価にどのような変化が現れ
るか、注目が集まります。

日本の「健康寿命」世界1位男性:71.11歳  女性:75.56歳

世界188か国の2013年の健康寿命を調べると、日本が1位だったとする調査結果を米ワシントン大などの研究チームが英医学誌『ランセット』で発表した。

同チームによると、日本の健康寿命は男性が
71.11歳、女性が75.56歳で男女とも1位だった。
この年の日本人の平均寿命は男性が初めて80歳を超え、女性は86歳だった。健康寿命の男女平均で2位は72.1歳のシンガポール。以下アンドラ、アイスランド、キプロスが続いた。また1990年のデータも算出し、世界では90年~2013年に平均寿命が65歳台から71歳半ばまで延び、健康寿命も57歳から62歳台に延びた。

背景としてエイズウイルス(HIV)やマラリアなどの感染症対策が進んだことを挙げている。

「煮る」「蒸す」で発がん性抑制

くらしナビ・ライフスタイル:「煮る」「蒸す」で発がん性抑制

 ジャガイモなどの野菜や米などの穀類を高温で調理すると発がん性物質の「アクリルアミド」が発生する。内閣府食品安全委員会は健康への影響について「懸念なしとは言えない」との評価結果案をまとめ、意見を募集中だ。農林水産省は既に全国でアクリルアミドの減らし方の講習会を開き、家庭で実践するよう呼び掛けている。

 ●「アクリルアミド」

 アクリルアミドは、炭水化物であるブドウ糖、果糖などの「糖類」と、アミノ酸の一種の「アスパラギン」が、120度以上の高温で加熱されると反応して生じる。炭水化物の多い食品でできやすく、米や小麦などの穀類をはじめ、モヤシ、レンコン、キャベツなどの野菜の料理でも生じる。加工品ではコーヒー、緑茶、パン、ポテトスナック、カレールーなど多くの食品に含まれる。

 調理法別では、「揚げる」「焼く」「炒める」で発生しやすい。一方、「煮る」「蒸す」「ゆでる」は120度以上にならないため、ほとんど発生しない。電子レンジは食品中の水分の加熱で温めるので、「煮る」「蒸す」などと同じように発生しにくい。

 ●保存は8度以上で

 アクリルアミドを減らす基本的な方法は大きく2種類。まずは「貯蔵段階で増やさないこと」、もう一つは「調理時に高温で加熱する時間を短くすること」だ。

 たとえば、ジャガイモは長時間冷蔵すると糖類が増える。常温で保存したジャガイモと冷蔵したジャガイモをそれぞれ200度で10分間炒めた調理実験では、冷蔵した方が約2倍の発生量だった。

 また、イモ類や野菜を調理前に約10分間、水にさらしておくと同じ高温調理でもアクリルアミドの発生量は少なくなる。

 こうしたさまざまな調理実験から、農水省食品安全政策課は「生のジャガイモを保存するなら、冷蔵庫ではなく、8度以上で保存するのがよい。水にさらすと食材の表面からアスパラギンや糖類が洗い流される」と説明する。

 調理時の焦げ具合も、アクリルアミドの発生量を知る目安となる。黒い焦げ目が目立つほど発生量は多い。このため、火力は弱め、加熱時間は短めにするのがよい。また複数の食材を炒める場合は、かき混ぜながら炒めると少なくなることも分かっている。

 ●食事内容改善から

 ただ、野菜はビタミンやミネラルなど大切な栄養素の補給源になり、野菜の摂取はがんなど生活習慣病の予防にもなる。佐藤洋・食品安全委員会委員長は「アクリルアミドの摂取をゼロにすることは不可能だ。特定の食品、特定調理法に偏ることなく、いろいろな食材を食べるのがよい」とアドバイスする。

 さらに、食材の加熱は病原菌を殺して食中毒の防止になるほか、適度な焦げ目はおいしさにつながるメリットもある。あまり神経質になる必要はなく、農水省食品安全政策課は「炒めものや揚げ物を食べることが多い人は、まずはバランスの良い食事を実践した上で、できる範囲内でアクリルアミドが増えない調理法を心がけたい」と話す。【小島正美】

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 ◇アクリルアミド

 ダムやトンネル建設の接着剤など工業用原料として使われている。2002年にスウェーデン政府が「食品の高温調理によって発生する」と公表し、注目された。食品安全委員会によると日本人の平均摂取量は体重1キログラムあたり1日0.24マイクログラム(マイクロは100万分の1の単位)で、欧州連合加盟国(0.4~1.9マイクログラム)より少ない。どのような食品から摂取しているかの内訳では、約6割は高温調理したモヤシ、レンコン、ジャガイモなどの野菜から。残り約4割はコーヒー、菓子類、パン類など。

 食品安全委員会が「懸念なしとは言えない」と評価したのは、日本人のアクリルアミドの平均摂取量が、動物実験でネズミがアクリルアミドを食べてがんが10%増えた量と比較的近かったため。

歯型情報、電子ペンでスピード入力…広島大などシステム開発

 事件や事故、災害の際に遺体の身元確認に使われる「歯型照合」に必要な情報について、電子ペンで迅速にデータ入力できるシステムを広島大や神奈川歯科大が開発し、23日、広島市内で報道陣に公開した。

 従来、災害現場などで紙に記入した歯の情報を清書して鑑定書を作り、歯科医から取り寄せた治療記録とつきあわせるが、鑑定書作成や照合がしやすくなり、身元確認に必要な時間が短縮できるとしている。

 広島大の貞森拓磨助教(救急集中治療医学)らが開発。東日本大震災で多数の身元確認をする際、データ整理に時間を要したと聞いたことがきっかけという。

 上下の歯が描かれた専用用紙に電子ペンで「残存」「穴埋め」「義歯」など歯の状態を記入すると、タブレット型端末にデータが送られ、図や情報が電子データとして保存される。

 遺体の歯の情報と、治療記録をともに電子データ化して照合ができる、東北大開発のソフトと組み合わせた利用も想定している。

 76人が犠牲になった2014年の広島市の土砂災害の際、試験的に運用したところ、1人の鑑定書作成に約1時間かかっていたのが半分に短縮できたという。
 今後、広島県歯科医師会が検視の際に活用する。

脂肪分解、促進たんぱく質…メタボ治療に期待

自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の富永真琴教授(57)らの研究グループは、脂肪を分解して熱を発生させる働きを高めるたんぱく質「TRPV2チャネル」を見つけたと発表した。

 メタボリックシンドロームの治療などへの応用が期待できるという。

 脂肪の燃焼は「褐色脂肪細胞」内で、たんぱく質の一種「UCP1」によって行われるが、研究グループは、これとは別のたんぱく質「TRPV2チャネル」が燃焼効果を高めていることを解明したとしている。

 マウスを使った実験では、「TRPV2チャネル」を持たないマウスはエネルギーの消費が少なく、肥満になりやすかった。

 富永教授は「TRPV2チャネルの働きをコントロールすることで脂肪の燃焼を活性化できれば、メタボリックシンドロームの治療や肥満の改善にもつながる」と話している。

 研究成果は、ヨーロッパ分子生物学会誌「EMBOリポート」3月1日号に掲載される。

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