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高齢者、薬の飲み過ぎ防げ 生活習慣見直し、併用減

病気をいくつも持つ高齢者には、さまざまな種類の薬が処方される。臓器などの働きが低下した高齢者が、多くの薬を一緒に飲むと、意識障害や低血糖など「薬物有害事象」と呼ばれるトラブルを起こしやすい。今年1月には日本老年薬学会が発足し、医療関係者の間で高齢者の多剤併用を見直す取り組みが広がっている。【堀井恵里子】

 ◇意識障害や低血糖招く

 「お父さん、お国はどこ?」。先月14日、在宅療養支援診療所「たかせクリニック」(東京都大田区)の高瀬義昌医師が、区内の男性(83)宅を初めて訪ねた。雑談しながら、処方薬をチェックする。ぜんそくや骨粗しょう症などの薬が10種類、1日3回飲むものもある。高瀬医師は「薬をちょっと調整した方がいいね。1日1回ぐらいに変えていきたいね」と話しかけ、男性の反応を確かめた。

 高齢者は臓器の機能低下に伴い、代謝や排せつといった生理機能も落ちる。肝臓や腎臓の機能が低下すると薬が代謝、排せつされにくくなり、血液中の薬物の濃度が上がる。つまり、若い世代と同じ量を飲むと「飲み過ぎ」のような状態になる。種類も優先順位を付けて必要性を見直すことや、食事や運動など生活習慣の見直しで減らすことができる。

 昨年度、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)でも議論された。同省の資料によると、75歳以上の患者で10~14種類の薬を処方されたのは20・2%、15種類以上も7・1%に上った。「薬を6種類以上飲む高齢者は薬物有害事象が多い」「有害事象には意識障害、低血糖、肝機能障害が多い」などの研究結果もある。

 高瀬医師は約380人の訪問診療をしており、新しい患者では本人の同意を得ながら薬を見直す。この日の男性は、飲み薬から吸入薬への切り替えもして「2~3カ月で6種類ぐらいに減らせるだろう」と考える。1日に飲む回数も減らしていく。また、予防接種を勧めたり、介護サービスの利用状況を確認したりして、重症化の予防にも気を配る。

 複数の病気を持ち、複数の医療機関にかかると、高齢者が抱える問題の全体像も見えにくくなる。そこで処方状況などをチェックする薬剤師の役割が重要だ。

 日本老年薬学会は、高齢者の病気や体の状況を理解し、薬を減らすことを含めた処方の見直しや服薬支援を担う「認定薬剤師制度」を作った。来年秋には200~300人が最初の認定を受ける見込みだ。

 同学会理事を務める大井一弥・鈴鹿医療科学大教授(病態・治療学)は「高齢者が要介護状態になる原因の4分の1が骨折、転倒、衰弱だ。それらの背景には、薬で便秘や食欲不振になって外出しないことによる筋力低下など、多剤併用もあると考えられる。そのような要介護者を増やさないことを目指していきたい」と話す。

 ◇院内、チームで対応

 病院でも、薬を減らす取り組みが始まった。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は9月、「ポリファーマシー(多剤併用)削減チーム」を作った。医師、薬剤師、看護師のほか栄養士、リハビリにかかわる言語聴覚士といった多職種のメンバーだ。5種類以上を服薬し、同じ薬効の薬の重複投与が2種類以上ある入院患者を対象に、週1回検討する。栄養士は「食物繊維を取ることで下剤を減らせないか」、言語聴覚士は「薬ののみ込みはどうか」などを提案する。

 8月末、脳梗塞(こうそく)の治療後、リハビリのため転院してきた80代の女性は、14種類の薬を1日9回に分けて服薬していた。腎機能の低下が進んでいたため利尿薬を中止し、認知症と判断されていた症状は脳梗塞によるものと分かったため認知症薬をやめた。約3週間で6種類、1日2回まで減らし、多剤併用が原因とみられる抑うつなどの症状も治まったという。入院中は経過観察を続け、この女性は11月上旬に順調に退院した。逆に、血圧の維持ができず、薬を元に戻した例もある。

 退院後は地域の薬局と連携する。近くの薬局向けの説明会を開くほか、どのような理由でどんな薬を減らしたのかという記録を「お薬手帳」に貼り、薬局に引き継いでいる。

 チームの溝神文博薬剤師は「胃の調子が悪いと『薬がほしい』と思う患者もいる。このため、患者にも多剤併用の問題点や薬を減らした理由を説明することが必要だ」と指摘する。

ワクチン接種、午前が良?交感神経活発、免疫アップ

交感神経が活発に働く時間帯は病原体を攻撃する免疫機能が強まり、ワクチンが効果的に働くことをマウスの実験で明らかにしたと、大阪大の鈴木一博 准教授(免疫学)のチームが10月31日付の米科学誌電子版に発表した。

 ワクチンによる感染症の予防効果には個人差があり、「人の場合は交感神経の活動がピークになる午前中に接種すれば、高く安定した効果が期待できる」としている。

 鈴木准教授は「交感神経の活動が高まる時間帯は病原体に遭遇するリスクも高く、免疫機能が強まる仕組みになっているのは理にかなう。神経系と免疫系が相互に作用しながら進化し、生み出された生存戦略ではないか」と話している。(メディファクス)

「3010運動でいつもおいしく食べる」

8020運動は聞いたことがあるけれど・・・

3010運動とはなんだ?


と思って調べてみると、
宴会の時は始めの30分と
終わりの10分は食事を楽しみ、
食べ残しを減らそうという運動なのだそうです。

忘年会シーズンということもあり、
「へぇ」とうなりました。

せっかく食べるなら、完食したいものです。

腸閉塞の男性、医療事故で死亡…蕨市立病院 遺族に2567万円補償

蕨市は24日、腸閉塞(へいそく)で市立病院に入院した市内の無職男性(67)が死亡した医療事故で、男性の遺族に対し補償として2567万円を支払う内容の示談が成立したと発表した。議会の同意を得て支払われる。

 市によると、男性は2014年10月20日午前、おう吐を訴えて入院。深夜におう吐が激しくなり、翌21日午前0時20分に死亡が確認された。直接の死亡原因は吐しゃ物が気道に詰まったことによる窒息死だった。同病院の50代の医師は軽い腸閉塞の可能性があると判断し、翌日に精密検査を行う予定だったという。

 男性の姉ら遺族に対し病院側による説明が行われたが、遺族側は納得できないとして15年11月から病院側に補償を求め、交渉が行われてきた。当初の診断とその後の措置について、全体として不十分な点があったと病院側が認め、和解が成立した。

 同病院の伊藤浩一事務局長(54)は「この医療事故を重く受け止め、同じことが二度と起こらないよう務めたい」と話している。

歯と口の健康アラカルト 4人に1人酸蝕症

疫学調査によると罹患(りかん)率は26・1%、約4人に1人が酸蝕症といわれています。酸によって歯の表面がすり減り、なめらかになったり、歯の色の黄色味が強くなったり、歯のつやがなくなったり、奥歯がクレーター状に穴があいたり、歯の先端がかけたりするのが酸蝕症です。

 昔、メッキ工場やバッテリー工場などであった、酸性ガスの影響で歯の表面が溶けたようになる職業病も酸蝕症の一種です。

 現在考えられる原因には逆流性食道炎や過食症、アルコール依存症による自発的反復性嘔吐(おうと)による胃酸の影響がありますが、この場合、内科受診が必要となります。

 最も多い原因は酸性飲食物の過剰摂取によるものです。酸性飲食物とは炭酸飲料、スポーツドリンク、ヨーグルト、酢、柑橘系果物、梅酒などがあります。健康に良いと考え、日常的に摂取しているものが歯を弱める原因になることもあるので注意が必要です。

 予防法は酸性飲食物摂取後、まず数回お水でうがいをし、口の中の酸を洗い流して下さい。虫歯予防のためにはすぐ歯磨きをする方がいいのですが、酸性飲食物摂取後すぐは、酸によって歯の表面が軟らかくなっているため、唾液で口の中の酸性度が回復するのを待ってから(摂取後約30~60分)歯を磨くようにしてください。

 他にもかみしめ癖や磨きすぎなどが酸の影響と重なり、症状を著明にすることもあります。

 酸蝕症の進行は緩やかなことが多く欠損が大きくなって気付くことが多いので、心当たりのある方は歯科医院でご相談されることをお勧めします。

歯科口腔外科を再開 富士吉田市立病院

富士吉田市立病院は7日、休診していた歯科口腔外科の診療を再開する。当面の間、毎週水曜日を診療日とする。

 同科は、女性歯科医師が診療拒否やパワハラ行為をしたとして市が懲戒免職としたことから、歯科医師が不在となり、11月16日から休診していた。予約済みだった患者は大月市立中央病院や山梨赤十字病院(富士河口湖町)を紹介していた。

 富士吉田市立病院によると、山梨大医学部から週に1回、歯科医師の派遣を受けることが決まり、診療を再開する。同病院の歯科口腔外科は、歯科医院から紹介された患者を受け入れていて、富士吉田歯科医師会などを通じて各医院に診療再開を伝える。休診前に予約済みだった患者については、病院から直接連絡をする。

 病院担当者は「多くの人々に迷惑を掛けた。今後、診療日数を増やす努力をして、信頼を回復したい」と話している。

歯型 進むデータベース化 各地の歯科医会、身元確認に備え

災害時に遺体の身元確認で活用するため、地域の歯科医師会が独自に歯型の「生前データベース(DB)」化を進めている。歯科検診などの際に同意を得て治療記録やレントゲン写真を登録し、万一の場合、遺体の照合用に使う。個人情報保護の課題もあるが、認知症などによる高齢の行方不明者も増加しており、早期の身元確認に役立つことが期待されている。

 歯型は遺体の損傷が激しくても治療痕などの特徴で照合できる場合が多く、地震や津波の際に有効とされる。警察庁によると、東日本大震災(2011年)で警察が調べた岩手、宮城、福島3県の遺体1万5824人のうち、歯型で身元確認できたのは1250人。指紋・掌紋(373人)やDNA型鑑定(173人)を大きく上回る(9月9日現在)。

 ただ、津波で流された歯科医院や診療所も多く、カルテやレントゲン写真が流失。福島県では原発の警戒区域内の医院もあり、身元確認は難航した。こうした経験を踏まえ、患者の歯科記録をDB化して一括管理する動きが各地の歯科医師会に広がっている。

 岡山県歯科医師会は昨年1月から、歯の検診イベントなどで希望者の歯科記録を無料で取っている。差し歯や詰め物などのデータを専用ソフトに入力し、これまでに約8000人が登録した。記録は事務局で管理し、災害時に身元不明遺体と歯の状態が似た人を端末で検索できる。同会の黒住正三副会長は「歯の記録は、万が一の時に遺体と家族を結ぶ絆になる」と話す。

 東京都港区警察歯科医会は12年からDB化に取り組み、遺体の歯のレントゲン写真と照合できるシステムを開発した。歯科医院で患者の同意を得て撮影したデータは約2000人分に達し、歯科医会で保管。警察から依頼があれば照会に応じる。兵庫県警察歯科医会なども勉強会を開いてDB化を検討している。

 一方、日本歯科医師会は今年度から、将来的なDB化を目指し、現在は形式が統一されていない電子カルテの標準化を進めている。 日本歯科医師会の柳川忠広副会長は「標準化できれば、全国の医療機関にあるカルテのDB化も可能になる。データの保存先や個人情報の取り扱いなどの課題もあるが、検討を進めたい」と話す。

ペットの歯周病

私たち人間以外の動物の口腔内でも歯周病は発症します。

現在確認されている最古の歯周病はアメリカ合衆国オクラホマ州で
発見された爬虫類の化石で、歯周病によって歯が抜け、
骨が溶けた症状があることが認められました。
古生代ペルム紀前期、約2億7500万年前のもので、
そんな昔から生物は歯周病と闘ってきました。

哺乳類の多くは異形歯性といい、異なる形の歯を口腔内に持ち
基本的には44本保有しますが、ほとんどの動物は歯が退化し、
それよりも数が少なくなっています。

爬虫類の歯は同じ歯が並ぶ同形歯性で、歯は顎の骨に直接くっつき
骨性結合しています。一定期間使うと骨折を起こし歯が取れ、
また新しい歯が生えます。このような歯を多性歯性といいます。

鳥には歯がなく、両生類は上顎のみに歯を有し、魚はエサによって
歯の形や数に違いがあります。
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/f0z8jfv0nqk8yts1gaJxm

そして犬や猫も人間と同じように、歯の表面のペリクル(被膜)に
細菌・マクロファージ・脂質・唾液タンパク・食物残渣等から出来る
プラークが付着し、唾液中のカルシウム等が取り込まれて石灰化し、
歯石になります。そして歯肉炎や歯周病になり、全身疾患へと影響を
及ばすことになります。

ペットの歯周病の原因は口腔内の傷や口腔内の不衛生の他、
ウエットフード等の柔らかく粘性の高いペットフードを食べること
などが考えられます。
但し、爬虫類は歯周病になる間もなく生え変わってしまいます。

実際、野生動物の歯周病はごく少数と考えられます。
食べるエサが硬いか柔らかいか・・ということに
大きく起因していると思われるところから、
人間もやはり同様に硬いものを食べることが歯周病予防の
方法の一つであることは言うまでもありませんね。

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