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口腔内の傷はなぜ治癒が早いのか。その生体メカニズムを解明。

口腔に生じた傷は皮膚よりも治癒が早く、傷痕が残りにくいと言われている。これまでそのメカニズムは解明されていなかったが、九州大学大学院歯学研究院の城戸瑞穂准教授、自然科学研究機構生理学研究所の富永真琴らの研究グループの発表によってその一端が明らかとなった。研究グループは、カルシウム透過性の高い温度感受性イオンチャンネルであるTRPV3に着目。口腔粘膜の表面には上皮細胞が層をなしている。その上皮細胞は体温の36度前後の温かさに反応するが、その温度の受容をTRPV3が担っていることを確認。さらに、皮膚の培養角化細胞よりも口腔の上皮細胞の方がTRPV3の発現が強いことから、TRPV3が口腔の傷の治癒に関わっているのではないかと考えた。

矯正、インプラント、審美の自由診療が特定商取引法の対象となる可能性あり。

特定商取引法とは、訪問販売や通信販売など消費者とトラブルを生じやすい取引を対象に、事業者が守るべきルールを定め、不公正な勧誘を取り締まることにより、消費者の利益を守る法律だ。近年では、エステや語学教室などの高額の契約に対し、事情が変わったことによる中途解約で消費者が不利にならないように定めたり、クレジットによる悪質な契約を無効にしたりといった改正がなされている。今回、特定商取引法の対象になる可能性があるのは、矯正治療やインプラント、審美歯科。この背景には、それぞれ、説明不足や術後経過などによるトラブルが多数報告されていることがある。特定商取引法の対象となれば、契約時に重要項目を記した書面の交付の義務付けや中途解約が認められるようだ。

女子大生、人工呼吸で回復 沖縄、溺れて一時意識不明

13日午前10時20分ごろ、沖縄県竹富町・西表島にある星の砂海岸で、シュノーケリングをしていた東京都の私立女子大生(18)が溺れた。一時意識不明に陥ったが、一緒にいた友人や教員らが心臓マッサージや人工呼吸をした結果、意識を取り戻した。県警八重山署によると、命に別条はないという。

 大学生は宿泊研修で沖縄を訪問。教員や友人ら25人でシュノーケリングをしていて、海岸近くの水深1~2メートルで溺れた。監視員はいなかった。

奥歯ない高齢者「動脈硬化のリスク2倍に」

奥歯を全て失った高齢者は、全部ある高齢者に比べて動脈硬化になるリスクが約2倍に高まることが、厚生労働省研究班(研究代表者=前田芳信・大阪大歯学部付属病院長)の調査でわかった。

 研究班は「奥歯がない人は、かみにくい緑黄色野菜などの摂取量が減るためではないか」としている。

 研究班は、大阪大や東京都健康長寿医療センターなどの研究者らで構成。高齢者の歯と健康との関係を明らかにするため、2010年から各地の70歳~100歳以上の2300人を追跡調査している。

 今回、兵庫県内の70歳代の男女約500人について上下左右に4本ずつ計16本の奥歯の状態と動脈硬化との関係を調べた。奥歯が全部ある265人で動脈硬化が見つかった割合は約4割だったのに対し、全て失った121人では約6割だった。喫煙や歯周病などの要因を除外した上で比較したところ、奥歯がない人は、ある人に比べて1・87倍、動脈硬化になりやすいとの結果が出た。

ダイエット、減らすなら炭水化物より脂肪? 米の研究

同じカロリーの食事なら、炭水化物より脂肪を減らした方がダイエット効果が高い――こんな研究結果を米国立保健研究所(NIH)などの研究チームが13日、発表した。ご飯やパンなどの炭水化物を減らすと体脂肪の燃焼率は高まるが、低脂肪の食事のほうが体脂肪そのものの減少量は7割近く増えた。流行中の「低炭水化物ダイエット」にも一石を投じそうだ。

 米専門誌セル・メタボリズム電子版に論文が掲載された。肥満と診断された成人男女19人(平均年齢35・4歳、平均体重106キロ)が計2回、2週間ずつ専用施設に滞在。炭水化物か脂肪のどちらかを減らしてカロリーを3割抑えた制限食を提供し、一定の運動を毎日続けてもらった。2回目の滞在では制限食の種類を変え、効果の違いを比べた。

 その結果、体脂肪の減少量は、炭水化物を減らした場合で1日に53グラム相当、脂肪を減らした場合で89グラム相当。約1・7倍の開きがあり、ダイエット効果に差があることが裏付けられた。

 ただ、研究チームは、あくまで短期的な実験に基づくもので「長期間続けた場合にはあてはまらない」としている。炭水化物を減らすと体内の脂肪が消費される割合が増えるため、半年以上続ければ似たような効果になるとの試算もある。実際のダイエットでは「食事制限のしやすさや長続きできるかどうかが重要な要素になる」とも述べた。

「やぶ医者」大賞を募集 へき地医療に貢献する若手医師が対象

兵庫県養父市は、「やぶ医者」の語源が「養父にいた名医」だったとの説にちなみ、昨年創設した「やぶ医者大賞」への応募を受け付けている。へき地医療に貢献する若手医師が対象で、受賞者2人に奨励金50万円などを贈る。

 へき地医療に携わる魅力の発信や若手医師の育成が目的。応募資格は、へき地の診療所か公立の病院に5年以上勤務する医師か歯科医師で、今年4月1日時点で50歳未満。自治体や医師会などから推薦を受ける必要がある。応募者は本年度から3年間、審査対象になる。

 養父医師会の井上正司会長や京都大大学院の中尾一和教授、兵庫医科大の小谷穣治教授らが審査員を務める。受賞者は11月28日、養父市で開かれる表彰式に出席し、講演する。

 同市のホームページにある申込用紙で8月31日までに同市へ郵送する。同市保険医療課TEL079・662・3165

ハードチーズにむし歯予防の効果あり。口内の酸性化を防ぎエナメル質を保護。

 アメリカの研究機関『Academy of General Dentistry』は、12歳から15歳の子どもを3つのグループに分け、各グループの歯の表面に付着している歯垢のPH値を測定。それぞれのグループにチェダーチーズ、無糖ヨーグルト、牛乳を食べさせた。その後、口をゆすぎ、歯の表面に付着している歯垢のPH値を10分後、20分後、30分後と測定。その結果、ヨーグルトと牛乳を摂取した子どもはPH値に変化がなかったが、チーズを食べた子どもは食後のPH値が高くなった。この研究機関によると、チーズはPH値を調整する唾液の分泌を促進するため、アルカリ性が強まるのではないかとのこと。
 また、チーズの含まれるリン酸カルシウムがエナメル質の脱灰化を減少させ初期のむし歯の再石灰化を促すこと、タンパク質のカゼインがエナメル質を保護し、ミュータンス菌の付着を抑制するするとも言われている。食後にハードチーズを2~3口よく噛んで食べると、唾液にチーズの成分が溶け出して効が果的とのことだ。これまで、ヨーグルトの乳酸菌が歯周病予防に効果があるとの研究結果もあったが、チーズにも以外な効果があったことが判明した。むし歯の原因は食事にもあるというが、食べ物に対してさらなる研究に期待したい。

第二大臼歯の未萌出、異常萌出は咬み合わせの悪さも影響しているか。

一般的に、第二大臼歯(12歳臼歯)10~12歳で萌出すると言われているが、近年、18~19際の年齢層においてさえも、第二大臼歯の未萌出や半萌出が報告されている。しかしその理由については明らかにされていなかった。そんな中、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授、大学院生の大森智栄らの研究グループは、同大保健管理センターの岩崎良章准教授と共同で行った横断研究で、第二大臼歯の生え方に異常がある人は咬みあわせの異常が多いことを発表した。

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