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札幌の歯科医院が中国進出 富裕層に狙い

高齢者の訪問医療などを手掛ける医療法人社団「響(ひびき)」(札幌)が運営するさくら歯科クリニック(同)が、中国浙江省寧波(ねいは)市に歯科医院「北海道口腔(こうくう)」を開業した。札幌から歯科医師を派遣し、富裕層向けにインプラントや矯正治療を行う。運営ノウハウを蓄積し、5年後をめどに東南アジアへの進出も検討する。

 道保健福祉部によると、道内の医療法人の海外進出は、帯広の法人がロシア極東に設立した医療画像診断センターがあるが、医院や歯科医院の開業は例がない。

 中国国内には歯科医院が少ない上、治療技術や衛生面での課題が多く、日本の医療への期待は高い。同クリニックは、札幌市白石区のクリニックでの診療や、訪問診療を行っている。5年ほど前から中国進出を検討し、市場調査の結果、上海市の南方にあり、富裕層が多い寧波市での開業を決めた。

Dr.北村の女性クリニックへようこそ

Q 歯周病で動脈硬化になるか

 動脈硬化を指摘されても不思議でない年齢ですが、内科で受診したときに、「お口を開けてください」と指示され、「歯周病がありますね。動脈硬化の原因になっていることがあります」と言われ驚いています。(67歳・女性)

 A 摘出された内臓から菌の検出も

 専門分化が進んだ医療の世界では往々にしてあることですが、僕自身も、歯周病と動脈硬化性疾患とが深く関係していることを初めて知ることになりました。今回は、歯科領域の門外漢であるDr北村からの回答であることをあらかじめご承知おきください。

 わが国ではまだ広く知られていませんが、歯周病と動脈硬化性疾患との関係については、既に2009年に米国心臓病学会と米国歯周病学会が合同で臨床家に向けたメッセージを発表しています。その内容とは、動脈硬化性疾患患者の診察の際は、歯科医と医師が綿密に連携すること、歯周病がある場合、細菌の除去と炎症を抑えるような治療を行うこと。また、歯周病患者の診察の際は、動脈硬化性疾患と関連があることを知らせるだけでなく、喫煙・家族歴・脂質異常症・高血圧などの動脈硬化の危険因子がある場合、生活習慣の改善や必要に応じて医学的に診断、治療をすべきであるというのです。

 歯周病が動脈硬化を進行させるしくみは不明ですが、最近の研究では、手術によって摘出した心臓弁や大動脈瘤(りゅう)の組織から歯周病菌が検出されているのです。

 菌血症という病気をご存じでしょうか。血液は本来、無菌状態に保たれていますが、抜歯時に一時的に口腔(こうくう)内にある細菌が血液中に侵入することがあります。抵抗力がある健康な人であれば、その細菌を排除できますが、エイズをはじめ免疫力が落ちてしまう病気があったり、抵抗力が落ちている高齢者、がんの化学療法や放射線療法をしている患者などでは、これが命取りにもなりかねません。抜歯時に、数日間抗生物質を服用するように求められるのはそのためです。歯周病も同様で、歯周病菌による菌血症が心臓・血管系に限らず、各種臓器の病気にさまざまな影響を及ぼすことになるようです。

 歯周病の診断を受けた以上、歯科医院を訪ねて治療すること、年齢からしても動脈硬化のリスク因子を有している可能性がありますから、食生活の改善、無理のない範囲での運動などを心掛けてください。自身でできる口腔ケアとしては、うがいの励行、食べ物の残りカスの除去、舌のケア、歯と歯肉、歯間や義歯の清掃などがありますが、時々は歯科医など専門家によって口腔清掃をしてもらうことが大切です。口腔内の乾燥もマイナスだそうです。原因となる病気がなければ、耳下腺、顎下(がっか)腺、舌下腺を刺激する唾液腺マッサージが有効です。(日本家族計画協会クリニック所長、北村邦夫)

ボタン電池誤飲、都が防止策検討へ 10年以降、事故157件・入院23件

小型家電や玩具に使われるボタン電池を子どもが誤飲する事故が後を絶たないことから、東京都が6日、業界団体や学識者たちと対策の検討に乗り出した。子どもが製品のふたや電池の包装を開けにくいように工夫ができないか実験し、年内にも提言をまとめる。

 東京消防庁や国立成育医療研究センター(東京)の事故データを都が集計したところ、5歳以下の乳幼児が誤飲や誤飲の疑いで受診したり救急搬送されたりした事例は2010年以降157件。このうち入院が23件あった。誤飲すると食道につまりやすく、粘膜に触れて食道や気管に穴が開くこともあるという。

 誤飲の形態別では、誤飲した電池がおもちゃに入っていた事例は35件、時計や体温計など玩具以外の製品に入っていた事例が50件で、放置・保管中が24件あった。年齢別では、1歳が83件と5割以上を占めた。

 都によると、玩具は日本玩具協会が「ふたは容易に開かない構造にする」などの安全基準がある一方、家電はメーカーの判断に任されている。

AED講習:助かる命、増えてほしい 心肺停止で一命取り留め、FCmm・田中奨さんが都内で

フットサル関東1部リーグに所属し、千葉市が本拠地の「FCmm」の田中奨さん(22)が、試合中にボールが胸を直撃して心肺停止となりながらも、AED(自動体外式除細動器)によって一命を取り留めた自身の経験から、AEDの使い方講習会を東京都墨田区の「フットサルポイント両国」で開いた。

 講習会は今月5日に開催され、約20人が参加。練習中に急性心筋梗塞(こうそく)で急逝したサッカー元日本代表DF、松田直樹さんの功績を伝えている一般社団法人「松田直樹メモリアル」顧問の山口幸伸さん(39)が講師を務めた。患者が発生して救急車の出動を要請し、心臓マッサージをしつつ、AEDを活用する想定で、AEDの音声に従いながら使用方法を学んだ。山口さんは「直樹のような事故が現実にたくさん起きている。こういう機会にAEDの使い方を覚えてほしい」と語った。

 田中さんは今年5月、都内で試合中に事故に遭ったがAEDで救われ、「僕のように助かる人がもっと増えてほしい。これからも講習を続けていきたい」と話す。

 田中さんの高校の同級生で、事故当時に会場に居合わせた葛飾区の歯科衛生士、宮良里沙さん(22)も講習会に参加。「目の前で田中さんが倒れて、頭が真っ白になって何もできなかった。後悔したので講習に参加した。次はAEDを使えると思う」。夫婦で参加した豊島区の会社員、小沼誠さん(37)は「1%でも救える可能性があるなら、やれることはやってみようという気持ちになった」とAEDの意義を感じていた。

再発性口腔潰瘍でANCA陰性、確定診断は

再発性の鼻出血と口腔内潰瘍が主訴の50代女性。
鑑別疾患として、ベーチェット病、クローン病、類天疱瘡などいくつかの疾患が挙がった。
果してこの中に該当する疾患はあるのか。
症例を提示した順天堂大学医学部研修医の黒沢唯氏が総括する。
まとめ:酒井夏子(m3.com編集部)

「NEJMケースレポート」
Vol.2.1 鼻出血と口腔内潰瘍を繰り返す女性
Vol.2.2 鑑別の切り札「VINDICATE」
Vol.2.3 再発性口腔潰瘍でANCA陰性、確定診断は

感染症、免疫不全、自己免疫性水疱形成障害が鑑別疾患に



提示症例について解説していく順天堂大学医学部研修医の黒澤唯氏

黒澤 答えは、粘液性の水疱性類天疱瘡です。鑑別をあげるとすると、大きく分けると(1)感染症、(3)免疫不全、(3)自己免疫性水疱性疾患――の3つに分けて考えられています。感染症ではヘルペスウイルスが口腔内の潰瘍なので挙げられていました。けれどプレドニンに反応していたので、ヘルペスウイルスだと症状は増悪することが多いため、そういう観点から違うと判断したようです。

 あとは免疫不全から挙がっていた多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with Polyangitis:GPA)。これは臓器瘻と腎症状があり、ANCA(antineutrophil cytoplasmic antibody:抗好中球細胞質抗体)が陽性になることが多い。また、今回の症例は病理的にも違い、腎機能も正常で、胸部X線でも特に異常は認めていないので、除外したとのことでした。

 ベーチェット病やクローン病も鑑別に挙がっていたのですが、これらはAnti-saccharomyces cerevisiae antibodies (ASCA)というのが、クローン病とベーチェットに関係しているらしく、それが陽性だったと。ただ、他の検査が合わなかったこと、また、臨床所見が合わないことで、除外されています。外陰部潰瘍や眼の症状もないので、ベーチェット病も否定できると考えたようです。

乱暴な介助、職員を懲戒解雇 岩手県奥州市の施設

奥州市江刺区岩谷堂のサービス付き高齢者向け住宅で、同市の30代男性職員が入居する80代女性3人に乱暴な介助を行ったとして、懲戒解雇されていたことが9日分かった。

 施設によると、7月1日朝、被害に遭った女性のうち1人の家族が面会に訪れた際、女性から「職員にたたかれた」と言われ、施設に報告した。

 前日の6月30日夜に女性の介助を担当した男性職員に事情を聴いたところ、寝かせようと強い力で体を押すなどしたことを認めた。女性の左手と左すねにはあざがあった。

 施設の運営者は、入居者の権利侵害に加え、男性が以前勤めていた介護施設でも同様の行為をしていたことが分かり、3日付で懲戒解雇処分とした。市と県に報告書を提出し、施設長ら2人を8日付でけん責処分とした。

在宅医療の強化焦点 診療報酬改定の議論開始

 厚生労働省は9日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会を開き、医療サービスの対価となる診療報酬の2016年度改定に向けた議論を開始した。在宅医療の強化や病院ベッドの機能転換をどう促すかが焦点となりそうだ。

 部会は、11月下旬から12月上旬に改定の基本方針をまとめる。政府は年末の予算編成過程で全体の改定率を決定。中央社会保険医療協議会(中医協)が個別の報酬額を議論し、来年2月中旬に詳細が固まる。

 在宅医療の推進では、入院患者が自宅で安心して療養生活を送るため、退院時にスムーズに在宅医療や介護につなげる仕組みづくりやスタッフの充実が課題となる。

 病床は高度な医療を行う急性期向けが多いが、政府はリハビリに注力する回復期向けの病床を増やすことを目指している。薬局については、在宅患者に服薬指導する機能を強化する。

 診療報酬の財源は健康保険料や患者の窓口負担、公費で賄う。14年度の前回改定は全体で0・1%の増額改定だった。報酬増額は医療の充実につながる一方、国民の負担増にも結び付く。

【群馬】80代以上高い幸福感 食生活満たされ前向き 県財団調査

80代以上の群馬県民の7割以上は幸福感が高い―。こんな傾向が、県長寿社会づくり財団(前橋市)の意識調査で浮かび上がった。2割は「とても幸せ」としている。食生活が満たされ、前向きな精神状態が幸福感を生んでいる状況もうかがえた。財団は、県内では心身ともに充実している長寿者が多いとみている。

 財団が80代以上を対象に幸福感や食生活、生活スタイルなどを聞いた。「とても不幸」から「とても幸せ」まで、0~10点の11段階で聞く幸福感を尋ねる項目では、幸福感が高いとされる7点以上とした人が73.6%。このうち「とても幸せ」に当たる10点が20.0%だった。

 幸福感を判断する際に重視する項目は、健康状況78.0%、家族関係63.2%、仕事や趣味など60.0%、充実した余暇など59.2%―と続いた。

 食生活全般を尋ねた項目では「まあ満足」が49.6%が、「満足」が42.8%と、両者で全体の9割以上を占めた。90.8%は「毎日必ず3食食べる」とし、62.0%は1日1回は肉類を食べると回答した。

 一方、社会参加活動に取り組んでいる人は64.0%だった。内容は趣味が71.9%、健康・スポーツが65.0%。ボランティアに汗を流す人もいた。

 人生の指針や座右の銘を聞くと、平安、融和、柔軟などが3割強、健康などが1割強、誠実、利他、感謝なども1割強だった。

 自由記述では、元気の秘訣(ひけつ)として「明るく楽しく有意義に」「焦らず怒らず諦めず」「社会の変遷やニュースに関心を持つ」などが挙がり、プラス思考の大切さを説く人が多かった。

 調査は昨年夏、財団の事業に参加した県内の80代以上470人に郵送で実施し、250人から回答を得た。

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